【まとめ】「音並べ」から卒業しよう~ピアノ「固定ド奏」からの脱却

楽譜を元に楽器演奏するということは…

・楽譜⇒音楽をイメージ

・イメージした音楽⇒楽器の操作(音楽の演奏)

この矢印「⇒」部分の回路構築こそが、楽器習得のキモなのです。
楽譜が読めない&楽器経験もない全くの初心者の場合、それら音楽的スキルが無いので、学習や訓練・練習で少しずつ身につけ、スムーズに行えるようにしなければなりません。
易しい曲でそれが出来るようになったら、徐々に難しい曲へとステップアップする ─── それが自然で無理のない上達方法です。
こういう手順を踏めば、誰でもその人なりに楽しく続けられ、楽器(というより音楽が)一生の友となるでしょう。

しかし日本にはびこっている「固定ド奏」(特にピアノ)はこうです。

・楽譜⇒音符を「固定ド」に直す(音楽のイメージなし)

・「固定ド」⇒対応する鍵盤を探して弾く(その音が鳴る)

・その連続で演奏??する


こちらの矢印部分は単なる機械的対応で、音楽的な能力とは別物です。
音楽力の向上を待たずしても「とりあえず」鍵盤楽器が弾けるため、幼児のピアノ教育や学校など集団での鍵盤ハーモニカ指導などでは威力?(とはいえ、その場しのぎには変わりない)を発揮するのでしょうが、独学・習っているを問わず、大人のピアノでもこのやり方で始めてしまう人が大多数なのは驚きます。
これは音楽の演奏というより、ただの音並べではありませんか?
しかも、ドレミ(固定ド)を丸暗記して手元を見て弾く状態になりやすく、いずれ行き詰まるのは以前も述べた通りです。
さらに ────

・「固定ド」ではソルフェージュ力が身につかない(楽譜から音楽がイメージできない)
・「固定ド」では楽典の勉強ができない(楽譜を文法的に読み解く力がつかない)


要するに何も音楽を学べない状態でピアノを弾いているので、少し曲が長く複雑になってくると、(テクニック面を別としても)苦労するのは当然なのです。

楽譜を音楽的に読むためには、複数の音符をまとめて見て、それらの特徴をつかむことが欠かせません。
音程読み/模様読み/パターン読み/かたまり読み…色々な言い方がありますが、いずれにしても音符を1つ1つ「読み」に直すのでなく、五線譜をそのまま絵のように見て音楽をイメージし、それを楽器操作と直感的に結びつける感覚を磨くことが大切です。
また楽曲の形式や、調性音楽の仕組み、和声理論など、効率的に楽譜を読み解き音楽的な演奏をするために、学ぶべきこともたくさんあります。

そのような基礎力があってこそ、短時間で曲が仕上って色々な曲が音楽的に弾けるようになり、楽しくやっているうちにいつの間にか上達していた!となるのです。
しかし日本のピアノ教育では、基礎力というとすぐにハノンやチェルニーがどうとかという指の鍛錬の話になってしまうんですね。
音楽はどこへやら、ピアノをスポーツか何かと勘違いしているのでしょう。
習い始める人も多いが、挫折も多いピアノ…長く楽しく続けていくためには何が大切なのか、教えている先生方には再考していただきたいものだと思います。

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