ついに来た! ヤーコプス&メータ「オルランド」

ヘンデルの傑作オペラ「オルランド」、今までこちらのDVDこちらのCDでイマイチ残念な気持ちを味わってきましたが、ついに本命とも言える全曲盤が登場です。
ギリギリCD2枚に収まっているので値段も手頃、超お得ですよ!

Orlando
Deutsche Grammophon
2014-05-08


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ヤーコプスはオペラだけでなく劇的オラトリオやカンタータなどを、卓越した解釈と斬新な音楽的演出で、非常に面白く聴かせてくれる指揮者として人気があります。
それはこの「オルランド」でも遺憾なく発揮されていて、美しい森を舞台に展開するヘンデルの魔法オペラの世界が、音だけでもう十分に堪能できます。
やはりこの点が一番の推しポイントですね。
変な演出(笑)に首を傾げながら舞台を見るよりも、脳内劇場の方がよほどマシってことです。

まず過剰にならない程度に、鳥のさえずり・水音・(嵐のような)轟音などの効果音が入っていて、情景を想像する手助けをしてくれます。
言葉が分からないと退屈とされがちなレチタティーヴォも、チェンバロ、オルガン、リュート、ハープの多彩な和音楽器と、雄弁なチェロを組み合わせた変幻自在の通奏低音陣が強力にサポート。
ラモーなどフランスバロックのオペラと比べて、ヘンデルは歌優先ゆえ器楽が地味に聴こえることが多いのに、すごく賑やかなので飽きません。

そして歌手陣がこれまた粒揃い!
高度な演技力が要求されるオルランド役、C-Tのメータは恋に骨抜きになっている前半は本当に熱病に侵されているようだし、後半発狂するくだりでは凶暴性をむき出しにして、眼目の狂乱の場では緩急自在のオケと一体となり迫力満点です。
その後全てを出し切った眠りのシーンはもう完全に脱力、このオペラでは最後以外オルランドはどの場面でも正気ではなく、それを(演技などの視覚情報なしで)歌だけで表現するって大変ですね。

一方オルランドの恋敵となるメドーロは、メゾのハンマーストレームが暖かみのある太い声でなかなか存在感があります。
欲を言えば、ここにメータとライバル(笑)に当たるようなC-Tを起用して歌でも対決させたらもっと面白かった…ですが、それはまあ贅沢な要望かもしれません。
女性役ではドリンダを歌うイム・スンヘが純朴な羊飼娘らしい澄んだ声で好唱、プリマ役アンジェリカに引けをとらず彼女にも美しいアリアが与えられているのが良く分かります。

こうなってくると物語上の要役、魔法使いゾロアストロのヴォルフが今ひとつ貫禄負けして聴こえちゃうのが痛し痒し。
もっとドスの利いた低音が欲しいです。
こちらのDVDでは彼が一番良かったんですけど…衰えたとか調子悪いと言うより、それだけ他の歌手が上手いんでしょうね。

ブックレットには原語台本に英・独・仏訳がついています。
しかし英語は初演当時売られていた台本の英訳がそのまま載せられており、史料として興味深くはあれど、語句や言い回しが難しく分かりづらいです。
一番困るのは、アリア部分が英語でも脚韻を踏むよう訳されているため、原語に忠実でない部分が結構あること。
こういうブックレットってヘンデルに時々ありますけど、何なんですかね~、経費節減?
少なくとも自分の場合、オペラの全曲盤は台本の英訳も値段のうちなので、これだけが少し残念でした。

「オルランド」のあらすじはこちら

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