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zoom RSS 修正ミーントーンで「半音階的幻想曲とフーガ」

<<   作成日時 : 2012/04/27 17:50   >>

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しばらく現代モノやってましたが、再び古楽の世界に戻ってきました。(笑)
いきなりバッハの超有名曲、半音階的幻想曲とフーガBWV903です!

この曲は、スヴェーリンクの「半音階的ファンタジア」などで有名な、ミーントーンの半音階が持つ独特の歪み(半音に大小二種ある)に触発された一連の鍵盤曲の、最後にして最大の名曲と思います。
なのでミーントーンで弾きたい・・・が、通常ミーントーンには無い音(D#・A#・E#・B#・A♭・D♭・G♭・C♭・F♭)が多く、当然ながら異名音の混用も起きています。
実際試してみると、(何度も聴けば慣れますが)一般的な耳にはミーントーンではちょっと厳しい感じなんですね。

ではこの曲は、平均律クラヴィーア曲集のような新しい考えに基づく、均(なら)された音律が想定されているのでしょうか?
私にはとてもそう思えないんですよね・・・そこでミーントーンに最小限の修正を加えてこの曲を良好に鳴らす音律を探ってみました。

通常ミーントーンから2音のみ変更↓↓↓(ピアノ・バージョンです)



★幻想曲のレツィタティフ:2分31秒〜  フーガ:5分14秒〜

ミーントーンらしく古風に響く所、妖しく?崩れかける所、絶妙のバランスだと思いませんか?
このミーントーンは、ヘンデル式にウルフを分割して兼用音を作ったものですが、それでもまかなえない音(A#・E#・B#・D♭・G♭・C♭・F♭)は、スカルラッティ式に異名音で代用したのがミソです。(下図参照)
⇒ ちゃんと今までの研究(笑)の成果が生きてますね〜!
⇒ この三人、だてに同じ年生まれじゃないんだわ〜!?(爆)


短調で、しかも臨時記号が多い怪しげな曲調のため、代用が利いたのだと思います。
当然、代用音が頻出する箇所は歪みますが、特に幻想曲のレツィタティフ部分は、「次の和音、大丈夫かな・・・」と探りながら弾き進む感じがたまりませんね。
また、イ長調や二長調主和音で一旦終止する箇所は、ミーントーンの純正長三度が生きています。
フーガは、均した音律と比べてアタリがゴツゴツしており、独特の味わいが。

他のミーントーン系音律も試しましたが、1/5や1/6コンマのミーントーンよりも、このウルフ三分割の方が、音律による効果が明快で気に入っています。
このようにウルフの両脇の音を「ちょっといじって」曲に合わせることは、普通に行われていたんじゃないでしょうかねえ?
これぞウェル=テンパード・ミーントーンですよ♪

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
古楽復帰オメデトウごさいます(笑)。良く知りませんが,スヴェーリンクのはミーントーンなんですね。
平均律だと12音音楽,現代音楽のさきがけになってしまいますしね。半音階にも音階があるということですね。
ヘンデル,スカルラッティの研究成果が生かされています。あちこちギリギリ満載でオモシロいですね。BWVからすれば結構後期の作品?だと思われますので,バッハ自身も彼らのミーントーン使いを知っていた可能性ありということでしょうか。もっとも,シフトでなくてフツーのミーントーンのちょっと(2音)の修正ですから,さほど抵抗はなさそうですけども。
Enrique
URL
2012/04/27 23:04
Enriqueさん、

>スヴェーリンクのはミーントーンなんですね
「半音階的ファンタジア」はおそらくDis型ミーントーンで大丈夫と思います。
終わり近くに一回だけE♭が出ますが、半音階進行の中なのでD#で代用できるはず。
スヴェーリンクはまだ教会旋法の時代ですが、いわゆる短調曲でも長調で終わるなど、典型的なミーントーン鍵盤音楽の作法になっています。
短い曲を幾つか試していますが、ミーントーンで旋律がおかしくなるようなところはないですね。

>半音階にも音階があるということですね
ミーントーン時代には、その歪んだ半音階の特徴を利用した曲が結構書かれていたのです。
(M.ロッシのトッカータ7番や、メールラの半音階的カプリッチョなども)
その手の曲、CDをたくさん持っていますが(笑)、古典調律でもある程度均したものだと全然面白くないのです・・・妙に滑らかで、大人しくなってしまって。
ウルフにかすっても、絶対にミーントーンであるべき!
このバッハの曲は、斬新な印象を与えますが、様式的には17世紀を引きずった「古い」タイプの鍵盤音楽なのです。なので音律もそのように想定されていた可能性は充分あるし、また実際にそれで演奏した人も多かったはずです。
手持ちのCDでは御大レオンハルトの録音が、かなりミーントーン寄りに聴こえました。
彼は1/5コンマ・ミーントーンを愛用していたという噂?がありますが、この曲の場合それも1つの解決法と思います。
1/6にすると万人向けの聴こえ方ですが、だいぶインパクト落ちますね・・・(^ ^;)
REIKO
2012/04/29 17:43
(続き)
>BWVからすれば結構後期の作品?
>彼らのミーントーン使いを知っていた可能性ありということでしょうか

BWV番号はジャンル別で作曲年代とは関係がなく、この曲は1720年頃作曲、30年頃改訂、とされています。
自筆譜は残っておらず、(当時から人気曲だったようで)多くの筆写譜で伝承していますが、かなり異同があるようです。
(幻想曲の方、短調のままで終わっているものもあります ───動画に使った楽譜ではF音の#がカッコに入っているのはそのため)
バッハは過去の鍵盤音楽に精通していたので、ミーントーン時代の鍵盤曲のことも当然熟知していたと思います。
そういう基盤があったからこそ、そこから一歩進んで「平均律クラヴィーア曲集」のような発想も出てきたのでしょうね。
REIKO
2012/04/29 17:51
待ちに待ったバッハですね!この曲、わたしの大好きな曲のひとつですが、ご提案の音律で面白く聴けました。今後も時々バッハの挑戦してみて下さい。
Enriqueさん、バッハの作品番号(BWV)は、モーツァルトのように作曲年代順ではなく、教会カンタータの始まり、声楽曲、オルガン曲、鍵盤楽器のための曲、リュート、室内楽、管弦楽曲・・・という曲種別ですので、この曲のBWV 903と言う番号からは、作曲年は分かりません。ここまで書いて、REIKOさんの回答に気が付きました。作曲年については、REIKOさんが書かれていることが、ほぼ正確です。
ogawa_j
URL
2012/04/29 18:16
ogawa_jさん、

>わたしの大好きな曲のひとつですが
はい、私も大好きです♪
バッハの鍵盤曲で一曲あげろと言われたらこれになるかもですね。
一体何をどうやったらこういう曲が書けるのだろうか!と昔から思っていました。

>ご提案の音律で面白く聴けました
ありがとうございます。
レツィタティフ部分はある程度崩れてくれた方が、演奏のプランが練りやすい・・・と感じました。
(テンポの揺らしや、和音をズラして弾く加減など)
つまり音律により「演奏が変わる」ということですね。
あるピアニストが、レツィタティフ部分で和音をガンガンと強打してましたが(平均律だからできる技?)、この音律で弾いたならば、彼も演奏の仕方を変えると思います。
「音律の選択で演奏にも大きな影響が出る」ことは、もっと認識されてほしいですね。

>時々バッハの挑戦
今「イタリア協奏曲」やってますので・・・(^ ^;)
次回の記事をお待ちください。
REIKO
2012/04/29 19:22
ようやく全部聴けました。暑くなると電食系PCはフリーズしてイカンですね(汗)。最初聴いた時は殆ど違和感なかったですね(感心)。次に楽譜を見ながら注意して聴いたときは「ん、何かC♯の音が低いな」と感じたのですが、特に気になるほどではないし、前期バロックの演奏CDを聴いているときもC♯が低く聞こえるときがあるので、これはもしかしたら極秘ノウハウ音律(笑)の可能性もありそうですね。妖しげな響きも面白いです。
広いウルフ5度を連続3カ所に散らすとバランスが良くなる旨の言い伝えは、以前確か野村氏のブログでの調律法の解説のところで紹介されていたように記憶してます(が、先ほど検索したところヒットしませんでした(汗))。ジョビン音律もそうですしね。
調律はそんなに難しくなさそうなので、これは俄然、生楽器で試したくなってきました。
koten
URL
2012/05/01 22:05
kotenさん、

>C♯の音が低いな
はい、G#がA♭と兼用するために少し高くなったので、この音律内ではC#が相対的に最も低い音になっています。
⇒むしろこれがミーントーンの特徴で、C#も高目にしてしまうと今度はF#が低いのが気になり・・・で、どんどん均すハメになってしまいますよ。
(行き着く先が平均律!?)

>妖しげな響き
元々の曲調が「妖しさ全開」なので、これくらいの音律の方が似合っていると私も思いました。
特に幻想曲は、神秘的な感じが良く出ます。
(五度を広くしていくと、良くも悪くもモダンな感じに変化、ピタゴラス律もなかなか良いのですが、フーガの方が厳しかったです)

>生楽器で試したくなってきました
ぜひやってみてください♪
この曲の場合は、三分割はかなりアバウトでも大丈夫と思います。
で、先走りますが「イタリア協奏曲」、そして「ゴルトベルク変奏曲」もこれでイケるんですよ。
★イタリア〜はB♭-E♭(D#)-G#(A♭)に一瞬カスる箇所があるので、気になるならこの2つの五度は+6セントくらいにとどめ、残り1つをもっと広くします
★ゴルトベルクはほぼ三等分、これで主題アリアを弾いてみて、後半のD#(E♭と兼用なので高目になる)が許容できるなら、通し演奏も十分満足できるはず。
3つあるト短調変奏、特に第25変奏後半の♭音多発部分、低い#音で代用しまくりですが、それが非常に美しく感動的です。
ダウンロードしてきたベタ打ちMIDIで聴いても、ここが曲全体の最大の聴かせどころでは?と思ったくらいでした。
(これから自分でも打ち込みします)
REIKO
2012/05/02 02:02

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