ヘンデルの真作か?「ジェルマニコ」

2007年にフィレンツェで手稿譜が発見され、その後の調査でヘンデルのイタリア時代の作品とされたセレナータ(又はオペラ?)ジェルマニコ(Germanico)を聴いてみました

Handel: Germanico
Deutsche Harm Mundi
2011-06-14
Il Rossignolo


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発売元による特設サイト(英・仏・独・伊)はこちら ← 12曲の試聴、台本、ブックレットの解説等が全て見れます

タイトル役ジェルマニコは、古代ローマの軍人ゲルマニクス(B.C.15~A.D.19)のことです。
Wikipediaゲルマニクスのページ
80分ほどの祝賀的作品で、「あらすじ」と言えるほどのものはないですが、簡単に書くと・・・

ジェルマニコは、遠征でゲルマン族の長アルミニオ(アルミニウス)との戦いに勝ち、ローマへと戻ってきた。
意気揚々と凱旋する彼を迎え、その戦果を称える執政官のルーチョとチェリオ。
皇帝(ティベリウス)もジェルマニコに賛辞を送り、宮殿での歓待を告げる。

ジェルマニコの母アントニアと妻アグリッピーナが登場、母として妻として、彼の勇気を誇らしく思い、彼に深い愛情を抱いている気持ちを歌う。

疲れたジェルマニコは、アグリッピーナに見守られて寝入ってしまう。
夢の中で、未来のローマ帝国の領土拡大と繁栄を見たジェルマニコは、目覚めた後これを皆に語り、新しい皇帝の時代に夢が現実になるだろうと予言する。
帝国の繁栄を皆で賛美する合唱で終わり♪


注:配役中の「CESARE」は、ローマ皇帝ティベリウスを指しています

楽譜の発見と調査、そしてこの録音で指揮とチェンバロを担当しているテネラーニは、紙の透かし模様などの資料的観点からも、音楽の様式からも、ヘンデルの真作と見て間違いないと述べていますが、これに関しては今後物議をかもしそうです。
私が「聴いた感じ」では、全体としては確かにヘンデルっぽいですが、部分的に「そうかな~?」な点もあり、ビミョ~感が漂っていますね。(笑)
こちらのヘンデル掲示板でも、色々な意見が出ています。

ただ誰の作曲にせよ、それなりの水準に達した作品であることは間違いなく、歌手陣も健闘しているし、イタリアバロック声楽ものが好きな人なら、聴いてみる価値は十分あると思いました。
最後に音律面からツッコミを・・・(笑)
ブックレットに「Tuning:WerkmeisterIII」とあるんですが、こ~ゆ~モノにヴェルクマイスター使うんかいな?というのが1つと、「Werkmeister」じゃなくて「Werckmeister」だよ~、でございます♪

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この記事へのコメント

Mev
2011年06月30日 18:44
果たして真偽のほどはいかに? これからも研究は続けられるのでしょうか、面白いですねえ。蔵からもっと色々出てくるかもしれませんしね。
アルチーナ
2011年07月01日 13:20
あらすじ、ありがとうございま~す!
対訳・・どうかしらね・・イマイチ、面白くなさそうなんですが(笑)

>歌手陣も健闘しているし

ええ・・結構歌いにくそうな音型の箇所が沢山、ありますよね。
このCD、国によっても発売時期が異なるようですので、色々出てくるのはこれから・・ですかね?フランスのアマゾンでは既にレビューが2つも付いていて、読めないので分かりませんが、やっぱり真作かどうか・・みたいな事も書いているのでは?と思いますが、兎に角発売後直ぐにそういうレビューがつくという事はやっぱりバロックがかなり浸透しているのだろうな・・なんて思います。
2011年07月01日 18:43
Mevさん、

>もっと色々出てくるかもしれませんしね
他のバロックの作曲家と違いヘンデルは、「忘れ去られていた」時期が無いので、今更新発見作品が出てくるわけ無い・・・と思ってましたが、あったんですね~!(笑)
もっとも、ヴィヴァルディを調査していて、その「ついで」に出てきた楽譜だそうですが。
CDには堂々と「Handel」と書かれていますが、実際どうなんでしょうね?
2011年07月01日 18:52
アルチーナさん、

>イマイチ、面白くなさそうなんですが(笑)
戦いに勝ったローマ側が、単純に喜んでる内容なので、あっちとこっちの対立とか嫉妬や裏切りなどがなく、台本としてはやや平板な感じですね。
もっとも「オペラ」ではなくてセレナータなら、こんなものだと思いますが。
でもアグリッピーナとアントニア、女性二人がジェルマニコに寄せる愛情表現は、音楽と一緒に聴いていると、なかなか良いですよね♪
ただそのジェルマニコが、キャラとして魅力的に描かれている・・・とまでは行ってないのが残念です。
類型的な英雄軍人?で終わっているような。

>健闘しているし
歌手だけでなく、テネラーニの指揮と器楽の水準も高いと思いました。
(初めて聴く団体でしたが、予想以上の出来)
Enrique
2011年07月03日 08:09
音律面のつっこみ。笑えますね。
オペラにヴェルクマイスターIII?どこからこういう誤解が発生するのか不思議ですが,これはチェンバロのチューニングのことなんでしょうね。もし全部ヴェルクマイスターIIIなら,歌手もオケも超絶技巧!?
つづりの間違いはドイツ語かじった人がやりそうなミスですね。わたしもヨコモジで見るまでマチガイの方だと思っていました。
2011年07月03日 16:56
Enriqueさん、

>チェンバロのチューニングのことなんでしょうね
たぶんそうなんだろうな・・・と思いますが、そうすると弦楽器はG-D-Aを狭く調弦してるのでしょうかね?
この種の声楽作品では、歌手の音域優先でアリアの調性が決まるし、レチタティーヴォでは相当複雑な和声進行をするので、ウルフがある音律ではマズいはず。
それで「全調対応の音律」⇒(有名どころの)「ヴェルクマイスターIII」になってるのかな・・・と。
ヴァロッティやヤングはまだ発表されてない頃なので、有名音律を使うとしたら、ヴェルク~しかないのかもしれません。
別の、18世紀のナポリ派オペラ・アリア集でも、ヴェルク~III使用と明記しているCDがありました。
ヴェルク~は「合奏に不向き」と書いてある冊子を持っていますが、実際はどうなんでしょうね?

>つづりの間違い
これ、確かに間違いやすいですよね~!
ヴァロッティも「Vallotti」が「Valotti」と誤記されることが多いと聞きました。
数値には細かくても、文字には鈍感な音律界?(爆)

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