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zoom RSS シューマンの「楽しき農夫」が!?〜田村虎蔵編・検定唱歌集より

<<   作成日時 : 2014/05/10 22:11   >>

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LFJに出店していた古本屋さんで購入した、大正15年発行「田村虎蔵編・検定唱歌集・高等科用」がとても興味深いので、いくつか記事にしてみます。

これは今の中学1・2年生に当たる男女生徒が、唱歌(音楽)の授業で習うべき歌の楽譜・歌詞に、指導用の解説を加えた教師向けの本です。
当時は文部省の検定に通った「唱歌」しか、学校では教えられなかったんですね。
男女別の唱歌は全183曲(男女で音楽のみ重複している曲あり)、歌詞は全て日本の詩人・文学者などですが、音楽は編者の田村虎蔵を中心とした日本人のもの約2割以外は、欧米の民謡やいわゆるクラシック音楽の作曲家の手になるものです。

知っている曲や今でも歌われている旋律は結構ありますが、その場合でも歌詞が異なっており、要するにこの唱歌集に載っているままの形で今でも親しまれている曲は無いように思います…つまり、残らなかった歌なんですね。
理由は色々あると思いますが────
ではここで有名なピアノ曲が唱歌に変身してる例を一つ。



シューマンの「楽しき農夫」です。
繰り返し記号やダル・セーニョで戻る点が、原曲とは多少違っていますが、あの有名な旋律ですね!
鳥居忱による歌詞は以下のようです。

楽しや、今年の秋、わが村豊かに、富みたり。
「見よ見よ、黄金(こがね)の色、穂波の漲(みなぎ)る、千町田(ちまちだ)。」
これこそ、八束(やつか)たり穂、いそしむ、民の功績(いさお)。

楽しや、今年の秋、わが家賑(にぎわ)ひ、どよめく。
「見よ見よ、俵の山、積むにも狭しよ、米蔵。」
これこそ、鼓腹(こふく)の民、かしこき、君の恵(めぐみ)。

※カッコ内反復終唱

解説には「この歌謡は世界的に有名なもので…(中略)…豊年に歓喜する農夫の心情を歌ったものである」とありますが、本来ピアノ曲なので外国でも歌詞をつけて歌われていることを指していると思われます。
また「歓喜・悦楽の情趣を表せる旋律は、余り沢山にないがよし他にあっても、この曲節の様に、日本趣味に投合してるものは少ないであろう」とも。

外国の曲であっても、「唱歌化」するにあたり、コメがたくさん穫れて嬉しいなる歌詞を当てはめたところが、いかにも日本という感じがします。
これが文部省のお眼鏡に叶うためのポイントだったんじゃないですかね?
要するに日本化して生徒に与える、ということです。
また「君」は、当時神であった天皇を指すと思われますし────

豊作は今でもありがたいことだし、歌い心地も良い唱歌ですが、やはり言葉の古さは如何ともしがたいです。
旋律は現役でも、歌詞が時代の流れについて行けなかったということなのでしょう。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
過激な事を書いている積もりは無いのですが,スパム判定されてしまいますね。
Enrique
URL
2014/05/11 12:45
Enriqueさん、
お手数かけます…おそらく「禁止用語」にひっかかってるんだと思います。
それらしき言葉を抜いて試していただけませんか?
確か「チョウキョウ」(←漢字で)がダメだったと…
REIKO
2014/05/11 16:05
これはすごいものです。
外国曲に歌詞をつけた唱歌で歌い継がれているものは結構あると思いますが,私にはちょっと歌えないです。当時の生徒(私の祖父母と父母の間の年代の人たち)がこれを歌えたのでしょうかね?メロディと歌詞とが合っていないと思います。名旋律に名文であっても,欲張りすぎてムリがあったということでしょうか。
Enrique
URL
2014/05/11 20:02
Enriqueさん、

>私にはちょっと歌えないです
そうですね…元はピアノ曲ということで、音の跳躍が多く音域も広いため、一般の生徒が歌うにしては難しい面もあるでしょうね。
男子用の部、第一学年の二学期用なので、今なら中学一年です。
もっとも、ちょっと調べただけでも戦前作のこの曲の別歌詞が3種類もあり、歌として人気だったことが伺えます。

この曲に限らずこの本の唱歌には、後付け歌詞が多いせいか、外国旋律の高低と日本語の高低アクセントが「合ってない」箇所が目につき、気になることは確かです。
(歌いづらさの原因にもなっている)
有名な「蛍の光」の出だしがまさにそれですから、昔はそういうことに無頓着だったのでしょうかね?
(今のJ-POPだって酷いですが)
REIKO
2014/05/11 23:34

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