アクセスカウンタ

プロフィール

ブログ名
ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱
ブログ紹介
ヘンデルの声楽曲を中心とした、バロックの埋もれ名曲や、ちょっと珍しい音楽の話題など♪
★ 只今キルンベルガーやミーントーンなど、古典調律について研究中★
help RSS

お菓子の世界「チョコバー」を古典調律で弾いてみた

2012/01/28 23:33
引越しのためにモノの整理をしていたら、押入れの奥にあった段ボール箱から、行方不明になっていた湯山昭作曲「お菓子の世界」の楽譜が出てきました。
1978年10月30日・第18版(「刷」の意味と思いますが)のものです。

現代日本の作曲家によるピアノ曲集としては、異例の大ヒット作品で、「シュー・クリーム」「柿の種」「ドロップス」「マロン・グラッセ」「甘納豆」など美味しそうなタイトルの曲が、序曲や間奏曲と共に並んでいます。
ブルクミュラー終了〜チェルニー30番・40番前半程度の技巧でしょうか、その中で割と弾きやすく曲も好みのものを、昔良く弾いていました。
(バロックの次は現代モノが好きだったんです・・・)

で、大好きなチョコバー(一応?ヘ長調)を打ち込んでみました。
当然これは「平均律」で作曲されたと思いますが(ですよね?湯山さん)、とある古典調律でも超良好♪だったので、あえてそれを使いました。
種明かしは動画の最後に・・・
(JASRAC管理曲なのでYouTubeを通しますが、楽譜は出せないのでWindowsムービーメーカーで適当なエフェクトつけています)



もちろんこれは偶然ですよ ─── 偶然適合したんです。(^ ^;)
しかしそれは、DとAの同時打鍵が無いから・・・ではなく、バンバン使ってるのに分からないってのがスゴイんですよ。
(楽譜出せないので)シーケンサーの画面、冒頭強打する和音の箇所です↓↓↓


★薄桃がA音・薄黄がD音、タテに揃っているのが同時に鳴る音

不協和音の上、D-A五度でなくA-D四度(四度は五度よりも音程の狂いが分かりにくい)なのでセーフ ──── というより、平均律や第二法よりも音程が狂ってる分迫力があって(笑)、インパクトが増します。
他のA-D四度も、弱音だったり不協和音程とセットだったりして、禁則に抵触してるのに気づきません。↓↓↓


なお第二法だとD-Aの狂いが緩和されても、新たなA-Eの弱点が気になる箇所ができるので、第一法の方が良いです。
・・・ということは、D-Aウルフのピタゴラス律でも大丈夫でした。
ピタゴラス律は明快で骨太な響きになるので、この「チョコバー」の曲調とピッタリ、音律変更できる電子ピアノを持ってる方は、ぜひお試し下さい。
(ピタゴラス律は、基音F#でD-Aウルフになります)

現代的なフィーリングやジャズの要素を取り入れた曲でも、ちょっと配慮しさえすれば古典調律が立派に使えるんですね。
偶然とはいえ、キルンベルガー第一法が良好に適合するこのような曲を仔細に検討すれば、「使い物にならない」などと言われているこの音律で作曲するコツが分かると思います。

記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 7


音律の弱点上で展開「テンペスト」

2012/01/22 16:29
リアルの部屋に比べれば、パソコンの中は片付いている私ですが(笑)、引越し準備の合間にファイルの整理をしていたら、去年作ってそのままになっていた、ベートーヴェン&キルンベルガー第二法の動画があったのでアップします。
ミーントーン・ネタが続いていたので、久々のキルンベルガー第二法ですね♪
<ピアノソナタ第17番ニ短調「テンペスト」第3楽章>↓↓↓



★楽譜は初版のものです
★提示部繰返しあり/展開部 3分10秒〜/再現部 5分8秒〜/終結部 6分52秒〜
★アレグレットの指示を守り、決して急がず乱暴にならないよう演奏しています。この楽章を第二法で「美しく」弾くには、強弱やタッチにこまやかな配慮が必要で、それ故べートーヴェンが遅めの速度を指定したと思うので。
(平均律は狭い五度に気を使う必要がなく、速い&激しい演奏が主流ですが)

この第3楽章(ソナタ形式)では、提示部第一主題がニ短調、第二主題がイ短調、再現部では両主題ともニ短調なので、D-A-Eの五度が狭いキルンベルガー第二法では、重要部分の主和音や属和音の五度が狂っていることになります。
つまり、音律の弱点上で音楽が展開してるんですね。
ベートーヴェンはそれを考慮の上、細部まで気を使ってこの名曲を書き上げました。
特に彼が慎重に対策をしているのは、この五度です↓↓↓


(私も、音源が第二法に切り替わっているか確認する時に、この五度を鳴らしています・・・この辺の音域は、耳が最も音程に敏感なようです)

例えば冒頭、ニ短調主音のD音を保持しない左手の伴奏音型は、続くA音との五度が狂っているからでしょう。
(平均律では、ペダルを踏んでD音を持続させる人も多いですが、第二法ピアノでそれをやると響きが濁ってしまいます)
その後第8小節から23小節までの15小節余りの間に、cresc. ⇒ dimin. ⇒ p ⇒ cresc. ⇒ f ⇒ p ⇒ cresc. ⇒ dimin. ⇒ p ⇒ cresc. ⇒ f ・・・と、11回も強弱に関する指示があるのは、フレーズの美しさを強調しながらも、D-A五度に触れる箇所を弱音で切り抜けるためです。

・・・と、ベトベンの工夫に感心しつつ打ち込みを進めてたのですが、42小節目で私は青くなりました・・・↓↓↓


フォルテの箇所で、右手D-A&左手Fユニゾンの所にスフォルツァンドが!
このD-Aは一番狂いが目立つ音域の上、同時にF#が鳴っていれば(Dと純正長三度なので)ごまかしが効くのに、左手はF・・・強打するとD-Aの狂いが露呈してしまいます。
カッコ良く決めたい一拍目なのに、これでは台無し ─── さっきまであんなに狭い五度に気を使ってたベトベンなのに、何故?

色々と試行錯誤した結果、スフォルツァンドは左手だけとして、「右手はそれまで通り、左手だけ強打」なら大丈夫だと気づきました。
ですがこのように楽譜を第二法に都合良く「解釈」するのは、自分でも納得行かないものがあったんですね・・・。
しかし後日、IMSLPで初版の楽譜を見てビックリ!↓↓↓


このスフォルツァンド、左手だけについてますよね!!!
なぁんだ、やっぱりベトベンも同じように考えてたんだ!\(^o^)/
左手を一発ガーンと強打、その大音響で右手和音の狂いを覆い隠すという、やや荒っぽい方法ながらも、狭い五度対策として十分に有効です。

おそらく色々な版が作られるうちに、スフォルツァンドの位置が曖昧になったのだと思われます。
手元の全音版なんか、どちらかというと右手寄りに付いてますよ・・・まあ、平均律ならどうでもいいことでしょうが。
ほんの数ミリ?の記号の位置違いが、破綻するか否かの分かれ道になるとは!
音律、恐るべし・・・!
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2


セイシャスのソナタ/50番ト短調

2012/01/21 00:01
前記事からの続き)ではセイシャスをミーントーンで行ってみます♪
とりわけ短調曲が素晴らしいセイシャスですが、その中でも超人気曲の50番ト短調アレグロを打ち込んでみました。
ウルフ位置は通常のG# - E♭、曲中G#とA♭音の混用があるので、56秒過ぎからの後半に何度か出てくるA♭音は、G#で代用しています。
そのため、A♭音は正しい音程よりかなり低いのですが、大丈夫でしょうか・・・?

ではどうぞ↓↓↓(繰り返し省略)


低いA♭音に気づいた人もいると思いますが、破綻してませんよね?
全体として、ミーントーンでバッチリ決まっていると思います。
A♭音が出る箇所、楽譜の一部はこうなっています。↓↓↓(29〜30小節の部分)


特に29小節の三拍目右手A♭は、この転調フレーズの要になる音で、それが代用音とはキワどいことこの上ないです。
もしこの音が同時に鳴る他の音と長三度の関係なら、完全に破綻するところですが、左手F音と短三度なのでギリギリセーフなんでしょう。
A♭音が低いため、F音との短三度が非常に狭く、それがこのフレーズをより印象的にしています。
30小節の三拍目ウラは、テンポが遅い曲ならアウトかもしれません。
でもこの速さなら一瞬カスるだけなので、気にならないと思います。

上記二小節は、ト長調で始まる後半がすぐにハ短調へと転調する経過部で、代用音のせいで少し不安定になるのが、むしろスリリングで面白いです。
続く31小節目からのハ短調部分は安定していて、A♭が右手に二度出てきます(左手F音と同時打鍵)が、ここまでで低いA♭に耳が慣れてしまう?のか、ほとんど代用に気づかないほど自然に聴こえますね。

★この曲では、異名音の混用はG#とA♭の一組だけなので、ヘンデル式に二音の中間の高さの兼用音を作って演奏することもできるが、わざわざそうしなくても破綻しないのがヘンデルとは異なる点。
★(今のところ)他に調べた曲も、セイシャスは「代用」でよく「兼用」音の必要はなさそう⇒スカルラッティと同じ

代用でも破綻しない音の使い方や、#音で代用される低目の♭音による独特の効果は、セイシャスとスカルラッティの両者に共通しています。
(元々二人の鍵盤曲は、明らかに曲調や構成が似ていますが、音律の使い方も同様ということです)
二人がポルトガルの宮廷で接触があったのは確実なので、これらミーントーンの裏技はどちらかが他方に伝えたのかもしれません。

スカルラッティの方が年上で、現在では圧倒的に有名ですが、鍵盤楽器作曲家としてはセイシャスの方が先輩とも言えるので、セイシャス⇒スカルラッティの流れも否定できないです。
初めて二人が会った時、セイシャスがスカルラッティのレッスンを受けるはずの場であったのに、スカルラッティが「私の方こそ彼に学ばなければいけない」と言ったという逸話も残っていますし・・・?
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2


セイシャスもミーントーンか!?

2012/01/16 01:55
お久しぶりです・・・諸事情により引越しせねばならず、年末から部屋探し&不用物の整理&各種手続きなど、まったくもって苦手で慣れないことをやってまして、更新がお留守になってしまいました。
確か12月は、スカルラッティとミーントーンのことでゴチャゴチャやっていたような・・・(遠い目)

実は、スカルラッティがミーントーンで行けそうだと私が踏んだのは、彼より先にセイシャス(1704〜42)のチェンバロ・ソナタを調べたからなのです。
元々曲調や構成が似ていると言われるこのニ者ですが、一時期ポルトガルの宮廷で同僚でした。
現存するセイシャスのチェンバロ・ソナタは、実際に作曲されたうちのほんの一部でしかなく、しかも全て筆写譜です。
1755年のリスボン大地震による火災と津波で、自筆譜が失われたため)

24曲を選んだ国内版の楽譜が出ています。↓↓↓
セイシャス 鍵盤楽器のためのソナタ集
春秋社


Amazonアソシエイト by セイシャス 鍵盤楽器のためのソナタ集 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

この中から何曲か打ち込みしてミーントーンで鳴らしてみると、通常ウルフ位置かそこから1音調律替えするだけ(As型又はDis型になる)で、異名音の混用があっても破綻せず演奏できることに気づきました。
つまりA♭の代わりにG#が鳴るなど、異名音の一方が「代用」でも大丈夫に書かれてるのです。
代用はほとんど短調部分で起きていて、長調曲でも頻繁に短調と交錯するセイシャスの特徴(スカルラッティも同様)は、そのためなのでは?と思えてきたんですね・・・。
さらに♭音を#音で代用した際の、正しい音より低目の音程が「いかにもセイシャス」で、陰りのある彼の曲調とピッタリなんですよ。
ヘンデルでは当該ミーントーンに存在しない音が出ると、すぐにコケていた(笑)ので、これは新鮮な驚きでした。

ミーントーンによるセイシャスは次回に音源をアップしますが、昨年末に出たNaxosのデボラ・ハラースによるセイシャスの第二集を買ったら、音律はヴァロッティと書いてありました。
あらら・・・(^ ^;)
♭3つから#3つの曲まであるので、つぶしの効くヴァロッティってことなんでしょうか?

音律はともかくこのハラース盤は、1集・2集ともセイシャスのCDとしては手に入れやすく、演奏も抜群なのでオススメです。
特に第1集は、27番ニ短調や50番ト短調など、人気曲が一通り収録されているので超お得!
ただし、実音より1オクターブ低い16フィート・ストップの多用には、好き嫌いがあるかもしれません。
迫力はすごいんですが、もう少しスッキリと繊細な響きで、情感を優先して欲しい部分もありますね。
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 6


K.159でスカルラッティの「ペア」問題を考える

2011/12/04 21:15
ピアノでも良く演奏される、スカルラッティのK.159ハ長調です。↓↓↓



中間部分、短調のところで A♭とD♭音が使われていますが、上の演奏では通常ウルフ位置のミーントーンのまま、これらの音をG#とC#(共に正しい音より低い)で代用しています。
これでも全然OKですよね?
⇒つまり「代用可能」に書かれているということです。

もっともこの曲は異名音の混用が無いので、調律替えが面倒でなければ、A♭やD♭が出るようにウルフを動かしてもいいわけです。
つまりK.159は、下図のどのミーントーンでも演奏できるマルチ対応(笑)の曲なんですよ!


D♭まで出せば「代用」が無くなるので、どの部分もキレイに鳴ります。↓↓↓

(最初の音源と違うのは、中間の短調部分です)

ただ私は、短調と長調の対比がよりハッキリしていてワイルドな趣もある、最初の代用しまくりバージョンの方が好きですね。
少し乱れてた(笑)方が、演奏も工夫のし甲斐があって面白い ──── と思うのですが、実は少し問題があります。

カークパトリックが主張した、複数の写本で同じ調や同名長短調の曲が二曲ずつ連続しており、その組み合わせも同じであることから、多くが二曲一組で作曲されたという「ペア」説・・・それによればこのK.159は、ハ短調(つまり同名短調)のK.158と「ペア」とされています。
ペアならば当然、同じ音律で続けて演奏するべきなので、K.158の方も調べてみると、こちらは通常ウルフ位置のミーントーンでは厳しいんですね。
A♭まで出して「可」、D♭まで出せば問題なくキレイに演奏できます。
従ってこれら2曲をペアと考えるなら、K.159もD♭まで出したミーントーンで演奏するのが「正しい」(=スカルラッティの意図)ということになります。

ですが中には、同じ音律(同じウルフ位置のミーントーン)では演奏不良の「ペア」もあるのです。
⇒ K.248と K.249(共に変ロ長調)、K.518(ヘ長調)と K.519(ヘ短調)など

可能性としては以下の3つが考えられます────
1:(カークパトリックが)「ペア」としたものは全て正しい
  ⇒ この場合、ミーントーンで作曲された・・・というのは誤りになる
2:「ペア」の曲もあるが、一部に組み合わせが違ったり、単独曲を誤ってペアとしたものがある
3:「ペア」は元々存在しない

K.318とK.319(共に嬰ヘ長調)のように、音律の使い方が似ていていかにも「ペア」な曲もあるので、私は「2」の可能性が強いと感じています。
なお「ペア説」に反論している学者もいるし、それにこだわっていない録音や選集楽譜等も普通にあります。
実は、スカルラッティのソナタは自筆譜が全く残っておらず、新たな史料の発見でもない限り、真相解明は難しいのが現状なんでありました・・・。
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 4


しのび寄る「ニセG音」

2011/12/03 01:36
ミーントーンによるスカルラッティ、今度は嬰ヘ短調曲をやってみました。
1738年、唯一スカルラッティ自身が出版に関わった、30曲収録の「Essercizi per Gravicembalo」に含まれるK.25です。



嬰へ短調は#が3つですが、和声的短音階ではE音の代わりにE#を使い、さらに五度上に転調した嬰ハ短調ではB#も必要なので、通常ウルフ位置のミーントーンでは辛いものがあります。
この曲ではF##とその異名音のGまで出るので、音律は下図のようにして、G音はF##で代用しました。


ヘンデルのHWV431(嬰ヘ短調)はB#-Gウルフ、HWV430(ホ長調)はB#とDの中間にF##とGの兼用音を作ってウルフを分割したので、似たような音律ですね。
ただヘンデルの場合は、異名音の混用があったら、その両方に使える「兼用音」を用意しないと破綻してしまうのに、スカルラッティは一方の音は他方の「代用」でも演奏できるように書かれているのが、決定的な違い。
つまり混用されている異名音のうち、どちらかがニセの音(笑)で鳴るわけです。

★ミーントーンは異名異音の音律なので、原則は「代用不可」ですが、スカルラッティは色々な裏技?を使って、この問題を音楽的にクリアしているようです。
(どういう場合に代用が可能になるのか、その条件を私も全ては解明できていません)

K.25は異名音の混用が一組しかないので、「どっちがニセの音か」は楽譜を見て大体見当が付きました。
(そしてその予想通りでした)
ニセG音は前半はまったく登場せず、ひっそり隠れて?います。
そして後半に入って7小節目、上の音源では1分17秒〜のところから徐々に姿を現すと、なにやら不穏な歪んだ響きになり・・・


ロ短調に転調すると、左手が右手を越えて奏する上声部で、堂々4回も鳴る・・・これはかなり大胆なニセ音(笑)の使い方です!
実はF##が鳴っているこのニセG音は、正しいG音よりも低く、それは聴いてはっきり分かります。
でも「破綻」はしない・・・聴き慣れるとむしろこの「低さ」が、もの悲しい短調にさらなる陰りを与えて、非常に印象的です。

この後半に入って少しのところで、代用音による歪みで前後の安定した部分と対比がつくのは、スカルラッティに良くあるパターンです。
(後の古典派のソナタ形式では「展開部」の山場に当たる場所)
それが分かってくると、歪みも聴く楽しみの1つになるんですね♪
・・・ということで、「ニセ音探し」が面白くて止められない今日この頃です。(爆)
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


ミーントーンの魔術師♪スカルラッティ

2011/11/29 23:10
スカルラッティ=ミーントーンシリーズ、♭系の曲が続いたので今度はホ長調のK.264を取り上げました。
この曲はベートーヴェン並みの大胆な和声と転調の連続で、たとえウルフをどこに動かそうとも、ミーントーンで演奏するのは到底無理な譜面ヅラです。
(以下、ピアノ用のロンゴ版楽譜ですが、手元の原典版と音は同じです)

C##って、ここは一体何調なの?(汗)・・・↓↓↓


後半5小節目からは、突然調号の#が全てキャンセルされ、♭4つになります。
しかもそのすぐ横に、G♭なんて音まで並んでいるし!(滝汗)↓↓↓


何と!この曲には異名音の混用9組もあり、異名異音のミーントーンでは、絶対に演奏不可能と思えます。
しかしスカルラッティは、ちゃんとミーントーンで演奏できるように書いているのです・・・ホントですよ!
音律はコレ↓↓↓(ウルフはここにしか置けないですね)


ではどうぞ↓↓↓(繰り返し省略)

(♭4つの箇所は、1分19秒〜2分のところです)

許容スレスレまで歪んでいる部分もありますが、「破綻」はしてないし、曲想や構成と音律の響きがマッチしていて、すごく変化に富んだ曲に聴こえます。
こんなに代用しまくっているのに崩壊しないなんて、一体どういうカラクリなんでしょうか????
実は「使えないはず」のウルフ五度(&転回した4度)も、しっかり?使っているんですよ。
(気づいた方いますか?)
例えば1分48秒〜の豪快な和音フレーズ・・・↓↓↓


右手C音は、実際にはB#(C音よりも低い)が鳴るので、左手G音とは極端に狭いウルフ4度です。
ぶっちゃけこの音律は、鍵盤上でC-G(つまりドとソ)がウルフという、トンでもない構成なんですが、曲中何度もそこを使っています。
でもそのウルフ音程が、音楽の流れや和声に自然に溶け込んでいて、破綻しないんですよね、どの箇所も・・・(^ ^;)
(⇒これはもう「偶然」では決してあり得ません)

つまりこの曲でスカルラッティは ────
ミーントーンは「異名異音」「転調に制限」「ウルフ音程は使用不可」という常識を根底からくつがえしてるのです。
書物でもWebでも、世界中のミーントーンに関する説明を書き換えなきゃダメじゃないですか・・・トンでもない男ですよ、彼はぁあああ!!!!!
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 5


続きを見る

トップへ

月別リンク

リンクは御自由にどうぞ
どのページでも構いません
ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱/BIGLOBEウェブリブログ
[ ]