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ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱
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ヘンデルの声楽曲を中心とした、バロックの埋もれ名曲や、ちょっと珍しい音楽の話題など♪
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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」今年も楽しんだ♪

2018/05/07 21:41
今年は東京国際フォーラムを中心とした丸の内だけでなく、池袋エリアとの同時開催となったラ・フォル・ジュルネ(LFJ)、テーマは「モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」。
私は丸の内へ2日目と3日目に、それぞれ2公演を聴きに行きました。

【M231】パリサンダー(リコーダー四重奏)…ルネサンスから現代曲まで、長短様々なリコーダーを駆使して演奏
【M223】リシャール・ガリアーノ(アコーディオン)…自作曲、ドビュッシーやルグランの編曲ものなど
【M332】アンサンブル・オブシディエンヌ…バグパイプ、プサルタリー、レベックなどの伴奏で中世の伝統歌
【M337】ピエール・アンタイ(チェンバロ)…スカルラッティのソナタ


去年、あまり馴染みのない演奏家や曲目の公演をテキトーに選んで行ったら結構面白かったので、今年もその線でチケットを申し込みました。
(その方が、抽選で当選する確率が高そうということもありますが)
【M337】のアンタイ+スカルラッティだけは良く知っていますが、これは抽選で落ちるだろうとダメモトで申し込んだら当選したもので、それ以外は(曲目はともかく)演奏家については全く未知で、何の下調べもせずに会場へ。

で、一番スゴい!と舌を巻いたのは、アコーディオンのガリアーノでした。
たった1台のアコーディオンから、オーケストラのような多彩な響き!
ドビュッシー「月の光」なんて、ピアノじゃないと雰囲気出ないでしょ…と、普通なら思いますよね?
でも彼の手にかかると、完全にアコーディオンの語法による幻想的な「月の光」になっているんですよ!
きっとどんな音楽でも、見事にアコーディオン化する腕とセンスを持っているのでしょう。
鍵盤でなく全て(右手の方も)ボタン式の楽器を巧みに操る様も、素人目には驚異に映りました。

すごい人がいるんだな〜!と会場を出た後で知ったのですが、彼はあの黄色い大看板、泣く子も黙る?グラモフォンからアルバムが出てるんですね!
つまり私が知らなかっただけで、アコーディオン界では超有名&人気の演奏家だったわけです。
いや〜〜〜〜納得しました!(笑)
本当にスゴい演奏家は、無知な聴衆をもパフォーマンスだけでノックアウトする力があるってことです。
(子供や初心者にほど、ホンモノを見せる&聴かせるのが大切なのも、こういう理由からなんですね)

ただ少し残念だったのは「プロの奏者で生のアコーディオンの音が聴ける」のを期待していたのに、PAで拡声していたこと。
楽器から直接細いコードが出ており、少し脇の方でしたが最前列だったのに楽器の直接音は全く聴こえなかったことから、電気増幅を前提とするアコーディオンだったのかもしれません。
まあでも、スピーカーから出てくる音でも素晴らしい演奏と感じられたのだから、それだけ芸が超一流だったとも言えます。

【M231】と【M332】は、どちらも多くの楽器をとっかえひっかえしつつ、その説明やちょっとしたパフォーマンスも交えた楽しい公演でした。
【M337】は、会場の音響や楽器の設置条件(ステージ床の材質など)がチェンバロには辛いだろうと予想していたため、あまり期待せずに行きました。
ですが(期待が低かったのが功を奏したか?)、思ったほど音は悪くなく、演奏は良く言えば自由闊達、悪く言えば少々(CDよりも)大雑把でこちらはプラスマイナスゼロ、さらに終演予定時刻を30分以上もオーバーする19曲+アンコール大盛りプログラムで、トータルでは「お得感ハンパない」公演だったと思います。

というわけで、来年も…あるんですよね?
何年も前から「次が微妙」状態のLFJですが、何とかお願いします!
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「正しいドレミの歌い方」で、音楽が分かる♪歌える♪

2018/04/19 23:06
階名(移動ド)を使って、楽しく&分かりやすく読譜や楽典の勉強ができる本が出ました!
その名も正しいドレミの歌い方

正しいドレミの歌い方 楽器がなくても楽譜は読める!
アルテスパブリッシング
鳴海史生


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今まで当ブログのテーマ「階名と移動ド♪」を読んでいただいている方ならお分かりでしょうが、「正しい」に対して「正しくない」のはもちろん「固定ド」のドレミですよ。
残念ながら現在の日本では、ドレミと言えば「固定ド」が、音楽の勉強のためというより、楽器操作の指示用語とか、絶対音感(音楽的能力とは別のもの)の「音名もどき」として無批判に使われています。
しかしそれでは音楽の勉強にならないんです…


【第1部】正しい「ドレミ感覚」を身につける
五線譜を使わず、そして楽器の助けも借りずに、階名と音程を結びつける練習をします。
「楽器の使用禁止」は、相対的な音程ではなく音高と結びついてしまっている「固定ド」に学習を邪魔されないため。
何のことはない、「ドレミファミレド〜」などと書いてある階名を、音程付けて歌うだけなんですが、「ドレミファ」が歌えれば、「ド(レミ)ファ」と考えて「ド-ファ」の完全4度が取れるわけです。
そしてここでのドレミは音名(=音の高さを表す)ではなく(ドレミ本来の用法)階名なのですから、歌い出しは自分の好き勝手な歌いやすい高さでOK!
つまり大人になってからでも磨ける相対音感を使って、読譜に結びつけようというのがこの本の特徴です。
「自分は音感がなくて」とか「子供の時に音楽の習い事をしなかったから」と、楽譜を読む(楽譜を音楽に直す)のを諦めていませんか?
正しい方法で手順を踏めば、必ず読めるようになります。

【第2部】楽典
五線譜の仕組みや音名・音部記号、ドレミの歴史などの説明に続いて、階名を使って調や調号の仕組みを学びます。
一般的な楽典の本では、単なる暗記モノに成り下がってるこの部分、階名と音名を使い分けつつ理解し、しかも音楽的に捉えられることと思います。
特に104ページからの、五線上の2音の音程を答える問題、ただ理屈のみで解く非音楽的な方法で説明されている一般の楽典書とは全く違う、解けばその音程が聴こえてくる!階名を使った解法に多くの人は驚くでしょう。
何この裏技!?
いえ、これは裏なんかじゃない、こういう解き方こそオモテでなければいけないのです!!!
なお楽譜を音楽に直すにはリズムも必要ですから、音符や休符の長さに関する説明もこの章の最後にあります。

【第3部】歌唱課題集
え!?もう五線譜見て歌うの?知らない曲を!?…と思うかもしれませんが、第1章・第2章の内容が身についていれば、もう歌えるはずなんです!
とは言っても五線譜を階名で読む経験がまだ少ない人のために、音符にカナで階名が振って(一部穴埋め式)あります。
階名に直すことよりも、音楽に直すことが最終目的なので、まずはカナ頼みでもいいからトライしてみましょう。
この種のこと(新曲視唱)に初挑戦した人なら、1番が歌えただけでも感動するに違いありません。そしてもっとやってみようと思うはず!
100曲クリアしたら、次はカナを少しずつ墨塗り(笑)して再挑戦したり、身近にある楽譜もどんどん階名を頼りに歌ってみましょう。

楽器なしでも楽譜から歌えるようになると、合唱などに役立つだけでなく、器楽をやっている人も大いに音楽の基礎力が向上します。
まず楽譜を読むのが楽しく、そして速くなります。
新しい曲をやる時、楽器で音を出す前に(全部が無理なら一部だけでも)旋律などを歌ってチェックするだけで、練習がとてもスムーズ。
これは全く聴いたことのない(いわゆる「音源」がない)曲に取り組む時、特に効果を発揮します。

旋律だけでなく低音声部も歌うとか、階名経験を積めば旋律に付く和声もイメージできるようになるため、私などは少々平凡な?ピアノ曲なら、全く弾かなくても楽譜だけからどんな音楽か分かるようになりました。
(読んで楽しんだからもう弾かなくていいや、という曲まで!?)
楽器に触る時間や気力、その状況がなくても、楽譜さえあれば弾きたい曲の勉強ができることは、学習者にとって大きなメリットです。
他にも、階名それぞれが持つ音楽的機能や性格、色々な音程のニュアンスを感じながら曲想を付けるセンスなど、階名を知らなかった時よりワンランク(いやもっと?)上の演奏ができるようになることは間違いありません。
──── ということで、始めた人に音楽の女神が微笑みますよ♪
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英国の音楽検定課題曲を弾く【2】

2017/12/09 22:48
前回のABRSMに続き、今回はTCL(トリニティ・カレッジ・ロンドン)による音楽検定です。
実はこの両者、ピアノ部門に関して言うと、どちらもグレード8まであることや、楽曲演奏以外に課すスケール&アルペジオなどの技術試験要項を見てもよく似ていて、決定的な違いがイマイチ分かりません。
受験者はどう使い分けているのでしょうかねえ?
グレードは(日本の「級」とは逆に)数字が大きいほど難しく、同じ数字ならABRSMもTCLもほぼ同程度の難易度と考えていいようです。
ではTCL課題曲の中から、1960年代生まれの作曲家が2010年代に発表した2曲をどうぞ。

TCL グレード5(2015-2017) グループB ★こちらの課題集に収録
◆What to do when it rains / Gareth Balch (b.1969)


TCL グレード6(2015-2017) グループB ★こちらの課題集に収録
◆The Wit and Wisdom of the Night / Mark Tanner (b.1963)


1曲目、拍子抜けするほど普通にステキな曲ですね!
何かゲンダイオンガク的なものを予想した人は肩透かし…!?
たまたまYoutubeで耳にして気に入り、さっそく楽譜を購入、グレード5は日本の初級終盤〜中級初め程度なので、3日ほどで問題なく弾けるようになりました。
47秒過ぎ、中間部分に入った箇所は「雨が降って退屈、つまんな〜〜い」とでも言いたいのでしょうか、でもその後で「雨なら雨で楽しいことだってあるよね」と思い直している気持ちで演奏してみました。
Balch氏のこの作品が好評だったせいか(どうかは分かりませんが)、彼のピアノ曲は 2018-2020のTCLでもグレード5の課題曲になっています。

2曲目、こちらはいわゆるゲンダイ物ですね!
8分の7、12、15拍子が交替する混合拍子+変拍子に加え、普通の長・短音階でなく旋法が主体で、フレーズの終わり方も独特です。
ただ音の置き方は単純で覚えやすく、音型の反復も多いため、少々ゆっくりなら通して弾けるようになるまでそれほど時間はかかりませんでした。
むしろ、事細かに付いているスラー、スタッカート、アクセントの指示や強弱を忠実に守るのが難しかったかな?

またこの曲を弾くにあたり、今まで米国の教育作品で「混合拍子」「変拍子」「旋法」を何曲か経験していたことが非常に役立ちました。
(普通に米国作品でピアノを勉強していれば、そのような要素を持つ曲を避けて通ることは無理)
それがなかったらこの「The Wit 〜」も、「新鮮で面白い曲だけど、練習するのはちょっと…」と敬遠していたでしょう。

米アルフレッド社によれば、ABRSMやTCLのグレード6は米国教育レベルチャートのEarly Advanced に当たります。
多くの教育作品はその下のLate Intermediate までなので、今まで比較的簡単な作品を弾きながら身に付けた土台のおかげで、レベルが上の曲をやる際のハードルも低くなったのです。
グレード6の他の課題曲にしても、特に19世紀以降のものに関しては、そこに含まれるほとんどの音楽的・技術的要素が、米国の教育作品で体験済みということに気づきました。
バロックや古典派の作品を「基礎」と称して、現代ピアノとはかけ離れた楽器のために書かれた曲を延々とやらせている日本とは全然違いますね。
…というわけで、ピアノ再開後は米国式でやってきた私ですが、最近とみに色々なタイプの曲が気軽に弾けるようになってきて、嬉しい限りです。
(^ ^)♪
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英国の音楽検定課題曲を弾く【1】

2017/11/28 21:32
最近ピアノでは、英国の音楽検定の課題曲を弾くことが多くなりました。
グレード別に楽譜が出ていて自分の実力に合ったものが選べる、掘り出しモノの珍しい曲がなかなか新鮮、バロックから出来立ての現代曲まで曲調や様式が多彩で面白い、などがその理由です。
課題曲は2〜3年で入れ替えになるため、古い曲集がAmazonで安く買えることもありラッキー♪
別に試験を受けるわけじゃないので、昔の課題曲でも気に入った曲はどんどん弾いています。

では ABRSM(英国王立音楽検定) グレード6(2013&2014)課題曲集のリストAとリストCから1曲ずつどうぞ。

◆フーガ(6つのフーガ 第2番)/ ヨハン・クリストフ・ケルナー


◆中国民謡《Jingpo shan ge》/ Zhang Zhao 編曲


課題曲はA、B、C 3つのリストそれぞれから、1曲を選んで演奏することになっています。
概ね作曲年代で分けられており、Aはバロックと古典派、Bは19世紀、Cはそれ以降(ジャズなどのポピュラー系も含む)ですね。
グレード6は日本の中級前半程度で、今の私にとっては簡単すぎず&難しすぎずでちょうど良いです。
正味1週間くらいの練習で大体弾け、納得できる録音までもう3日ほどでしょうか。

ヨハン・クリストフ・ケルナー(1736-1803)は、大バッハと親交のあったヨハン・ペーター・ケルナーの息子で、このフーガは古い様式に倣ったものですが、時代の趣味を反映したギャラントな鍵盤曲もたくさん書いたそうです。
明朗な主題の比較的自由な3声フーガで、バッハのシンフォニア(3声)よりは幾分易しく弾けます。
同じリストAには2声インヴェンションの14番 変ロ長調が入ってますから、同レベルということでしょう。
この曲、日本のピアノ曲集等に載っているのは見たことありませんが、なかなか良い曲だし、インヴェンションが終わってシンフォニアに入る前に弾くと、ちょうど良いステップ曲になるのではないでしょうか?

《Jingpo shan ge》は、今まで圏外だった中国モノです…日本の民謡にもよくある五音音階ですが、パッと聴いただけでもやはり日本とは全然違う、中国の雰囲気がムンムンですね。
民謡的な土俗感を失わずに演奏効果の高いピアノ曲に仕上げた編曲が見事で、ABRSMもよくぞこういう曲を見つけてきたものだと感心しました。
(出版は中国なので、試験課題曲となる以前は国外でほとんど知られていなかった曲かと思います)

ABRSMの新しい課題曲が発表されると、まずピアノの先生のお手本演奏が、続いて学習者の演奏動画が続々とYoutubeにアップされるのが常なのですが、《Jingpo shan ge》で検索してみてください、山ほど出てきます!
つまりこの曲は受験者の間でも非常に人気が高かったのでしょう。
中国モノは日本のピアノ教育界にまだほとんど入っておらず(一番新し目なのが、ナザレやミニョーネなどの南米モノ?)、私も今までノーチェックでした。
中国にはまだまだ面白い曲がたくさんあるはず、これを機会に漁ってみようと思っています♪
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「赤城の子守唄」〜四七抜き短調の名曲(2)

2017/08/19 23:18
この歌は忘れていましたが、昭和歌謡のメロディー譜を見ながら視唱しているうちに「ああ、聴いたことある!」と、テレビの懐メロ番組で直立不動で歌っていた東海林太郎さんの姿と共に、思い出したものです。

《赤城の子守唄》(昭和9年)
作詞:佐藤惣之助、作曲:竹岡信幸、唄:東海林太郎

曲の背景などはこちら(Wikipedia)をどうぞ

【階名】(4小節で1行)
ドミーーファミラシドーシドシラファミー
ラシドミーファミドシラシーーー
ミーファミドシラーー ミドミファラファミー
ラミラシドシミドシーーー
ミドーシドシラシードシラファーミー
ドシミードシミラシーーー (注:A)
ラシドミファミラーーシラファラファーミー
ドシミードシラシラーーー


四七抜き短音階は「ドレミソラド」の四七抜き長音階のミとラが半音下がって短調化したものとされています。
(「ドレミ♭ソラ♭ド」の音程関係を、♭を使わずに書き換えると「ラシドミファラ」になる)
「シドミファラシ」の都節音階とは本来関係なくも、結果的に構成音が同じになり、西洋の短音階と日本の都節音階の折衷のようになっています。
ですから四七抜き短調曲はこれら両音階の特徴を持っていますが、この《赤城の子守唄》は前回の《東京行進曲》よりも都節音階寄り、つまり日本の伝統的な音楽の影響が強い印象です。

まず歌唱部分だけでなく前奏や間奏の旋律も、和声的短音階の「ソ#」は出ず「ラシドミファ」だけで固めていること。
さらに階名各行の最後を見ると⇒ミ・シ・ミ・シ・ミ・シ・ミ・ラ
《東京行進曲》では⇒ミ・ラ・ミ・ラ(2小節1行にすると⇒ミ・ミ・ラ・ラ・ド・ミ・ド・ラ)
《赤城の子守唄》は断然、「シ」でフレーズが一息つく部分が多いことが分かります。
これは「シ」「ミ」が核音(音高が安定し、節回しの中心となる音)である都節音階の特徴です。
西洋の短音階なら「シ」は不安定な音で、容易に他の音(特に「ラ」)に移ってしまうのですが、《赤城〜》では「シ」に安定感があり、むしろ最後の「ラ」終止が取って付けたように感じませんか?

実は私が最初に楽譜を見て歌った時は、伴奏による次への誘導がなかったこともあり、A行の「シーーー」で「終わった」と勘違いしたんですよ。
その原因は、この歌↓が連想されたからでしょう。



【階名】
ファーファーミーー ファラーファーミーー
ドミファラーファラミーーーー
ラーシーラシ ドミーファーミーー
ラシードーラーシーーーー
 

こちらは完全な都節音階で、シで終わっています。
面白いですね〜、シで終われるんですよ、日本人は!

この《ねんねんころりよ》は、やはり四七抜き短音階で《赤城の子守唄》と同じく「男の子守唄」として戦後大ヒットした《浪曲子守唄》のセリフ部分でバックに使われ、歌唱部分と違和感なく馴染んでいます。
四七抜き短音階のそこかしこに顔を出す都節音階の影…西洋音楽が入ってきても、伝統的な日本人の音感がそう簡単に上書きされるわけではないようです。
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「東京行進曲」〜四七抜き短調の名曲(1)

2017/08/15 22:15
私が短調の階名を練習するのに使った、四七抜き短調の名曲を何回かに分けて紹介しようと思います。
西洋の自然的短音階「ラシドレミファソラ」の4・7番目「レ・ソ」が無い、「ラシドミファラ」の5音からなる音階ですね。
戦前・戦中・戦後しばらくまで、大衆的な人気を得た短調の歌に、非常に多く使われています。

《東京行進曲》(昭和4年)
作詞:西條八十、作曲:中山晋平、唄:佐藤千夜子


曲の背景などについては、こちら(Wikipedia)こちらをどうぞ

【階名】
ラシドミーミファミ ラーシドラファファミーー
ラシドミーミファラ ミドシードラーー
ラファミラーシドド シードラファミドミーー
ファシシラファミド シーミドシラーー


こりゃまたエライ古い歌を引っ張り出してきて…と言われそうですが、子供の頃懐メロブームで親が聴いていたのを覚えていたんです。
やはり大ヒット曲は何か人の心をつかむものがあるのか、この動画と同じ当時の古い音源がラジカセから鳴っていただけなのに、旋律も歌詞も妙に印象に残るものでした。

歌っている佐藤千夜子はオペラを志していたクラシック系の人(昭和前半の流行歌手は今の音大に相当する学校で学んだ人が珍しくない)で、この曲も演歌的なコブシは回さず音符を真面目になぞる歌い方。
そのため、大人の唱歌のような感覚で階名唱でき、歌い出しで「ラシドミーミファ」まで音階を順に登っていくのも教材向き(笑)と言えます。
階名の3行目まででは、「ラファミ」と下行する箇所が少し音程取りにくいでしょうか?
そして最終行の「ファ-シ」は、増4度の良い練習になります。

階名で歌ってみると、「ド-ミ」「ファ-ラ」の長三度に挟まれた短二度(半音)「ミ-ファ」の狭さが際立ちますね!
しかもここに何とも言えない哀愁や陰りを感じる…
今まで短音階のシンボルは「ラ-ド」の短三度だ!とばかり思っていましたが、
四七抜きだとむしろ「ミ-ファ」の方が強く訴えかけてくるような感じです。
これは新鮮な発見でした!

ところで一般に「この曲は四七抜き短調」という場合、それは(歌われる)旋律だけが対象で、伴奏の和声や前奏・間奏には西洋的な短音階が使われているのが普通です。
《東京行進曲》の前奏を階名にすると ────

シシシシ シミミド シドシラシミドシラ
ソ#シラ レファミ ラララファ ミファミレドシラソ#ラ…


で、全体としては「ラシドレミファソ#ラ」の和声的短音階ですが、しかしもっと驚くのは

「シシシシ」!? 何じゃこの始まりは!!

ではないでしょうか?
「ラ・ド・ミ」のいずれかで始まるのが大半の短調曲で、いくら前奏とはいえ「シ」をこんなに連打したら、変だと思いそうなものですが、昔この曲を聴いていた時も全く自然に感じていました。
この「シシシシ…」は間奏にも使われ、前後と違和感なく馴染んでいます。
西洋音楽では長・短調いずにおいても「シ」は不安定な階名で、すぐ他の音に移行することが多いのですが。

実は四七抜き短調、西洋音楽が入る以前から日本で歌われていた都節音階(ミファラシドミ又はシドミファラシ)と構成音が同じなのです。
都節音階では「シ」が重要な音で、これで終止することもあり、そのような日本人的音感が(戦後生まれの私にも)どこかに残っていて、「シ始まり」がそれほど奇異に聴こえないのだと思われます。
西洋音楽が少しずつ大衆に広まる過程で、短調はまず四七抜きが愛好されたのは、慣れ親しんでいた都節音階と共通点があったことも大きかったのでしょう。
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「短調の階名」矯正記

2017/07/21 22:44
短調の階名は主音をラとして「ラシドレミファソラ」なのですが、私が数年前に古い唱歌の本で視唱を試みた時には、音は短調曲でも難なく取れるのに、その際の階名はなぜか主音がドになっていました。
短調に関して、そういう階名教育や訓練を受けたわけではないのですが…。

自分の場合どうも原因は、長調の階名における「ドが主音」「ソが属音」という音の機能を、そのまま短調にも流用してしまうからのようでした。
長調では階名と音の機能の結びつきがしっかりしているから、スラスラ認識できたり歌ったりできるわけです。
ところが短調では「ラが主音」「ミが属音」という機能のラベリングがほとんどできておらず、ついつい脳ミソが「長調の機能で音取り」してしまうようなんですね。
たぶん子供時代に、短調曲を階名で歌った経験が少なかったからだと思います。

さて、これに関して私が思ったのは以下のようなことでした。

・短調も「主音をド」にする流派?もあるに違いない
・でもあんまり良くない気がする


その後調べたところこちらの記事などで、やはり私が思った通りだと分かったので、主音をラと認識できるよう直すことにしました。
これが1年ほど前のことですが、最近ようやく特に意識しなくても短調の主音をラと感じるようになってきたんですよ!

やればできるじゃん!

実は当初「直るんだろうか?」と半信半疑でした。
もっとも「直そう」と決心した割には、毎日ビシバシ矯正訓練したわけではなく、やったのは「思いついた時」「ヒマな時」に以下のようなことをしただけなんですが ────

1.ピアノの音階練習で、短調は「ラシドレミファソラ」と意識しながら弾く
2.視唱課題は、短調曲を中心にやる
3.知っている短調曲の階名を考えながら(脳内で)歌う


1⇒当初は、何も考えずに弾くと短調でも「ドレミファ…」と聴こえるありさまでしたが、「ラシドレ…」と意識する段階を経てしばらくすると、自然に「ラシドレ…」になってきました。
正確に言うと、音階の第1音と第2音だけでは階名を感じず、第3音が鳴った瞬間に、それが第1音と短3度だと「ラシド」、長3度だと「ドレミ」と前に遡って階名が振られる感じです。
これは自分でも面白い現象だなと思いました。
(ある程度判断材料が揃ってから階名で認識するのは、階名音感の特徴です)

2⇒市販の調性別になっている視唱課題集から、短調曲を選んやっていましたが、最初のうちは自然に頭に浮かぶ(短調でも「ドレミ…」の)階名をいったん打ち消して「ラシド…」にするためか、すごく歌いにくかったです。
例えば五線譜上の階名の読み方が同じヘ長調とニ短調、ど〜〜〜して後者だとこんなに難しいの!?でした。
これも「いったん打ち消し」が徐々に弱くなり、ストレートに正しい短調の階名で歌えるようになりました。

3⇒道を歩きながらなど、どこでもできるので便利な練習方法です。
日本の大衆音楽には、西洋音楽にありがちな「ソ♯」を使わない「四七抜き短音階」や「自然的短音階」の名曲がたくさんあり、それらが良い教材になりました。
特に戦前・戦中に大人気だった四七抜き短音階(ラシドミファラ)は、重要な「ラ・ド・ミ」の3音が含まれている上、音数が少なくて階名認識しやすく、短調の練習にオススメです。
四七抜きに慣れたら、抜かないやつ(笑)はもう楽勝でした。

ということで一応正しく直ったとはいえ、私の場合長調の階名が母国語的なのに比べると、短調はまだ外国語みたいです。
幸い短調曲はとても好きなので、これからもっとたくさん歌って、母国語に近づけていきたいと思います。
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