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zoom RSS パッヘルベルの「ガヴォットと変奏」

<<   作成日時 : 2011/08/19 22:51   >>

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パッヘルベル(1653 - 1706)と言えば、すぐに「カノン」・・・な世間ですが、彼はドイツバロックの鍵盤音楽史上、とても重要な作曲家の一人です。
子供の頃NHK教育「ピアノのおけいこ」のテキストに載っていて、大好きで弾いていた「ガヴォットと変奏」がパッヘルベル作曲と知ったのは、つい最近のことでした。
打ち込んでみました↓↓↓(繰り返しの際は自由に装飾しています)



中村菊子編「ピアノのための バロック名曲集」下巻(全音楽譜出版社)に収録
★IMSLPでの楽譜ダウンロードはこちら(35番の Suite に含まれています)

17世紀頃までの鍵盤曲はミーントーン(中全音律)が基本と考えていいので、この曲もそれで鳴らしてみると、何回か出てくるD#音のところで変な響きになってしまいます。
例えばサラバンド変奏の一部・・・





これは、通常の(G#-E♭がウルフの)ミーントーンには存在しないD#音を、E♭で代用しているために起こる現象です。
異名異音のミーントーンでは、D#とE♭は高さの違う別の音なのです。
(D#よりもE♭が、半音の1/2近く高い)

こんな時、電子ピアノの古典音律で、基音(主音、ルート音などとも)変更機能を使うと、E♭の代わりにD#を鳴らすことができます。
初期設定ではC音が基音で、その時ウルフ(広すぎる五度)は「G#-E♭」ですが・・・


基音をG音にすると、E♭に代わってD#音が出現します!
このD#型ミーントーンだと、先ほどの部分が・・・↓↓↓



◆ト長調の曲だから基音は「G」・・・とは限らないことに注意(この曲はイ短調!)
◆基音をDにすれば、B♭がA#となり、ウルフも「A#-F」に移る
◆(Cから時計と反対回りに)Fを基音にすれば、G#がA♭となり、ウルフは「C#-A♭」に移動・・・以下同様(図を描いてみると良く分かります)

通常のミーントーンで弾いた時、D#・A#・A♭などが出てくる箇所で決まって変な響きになるなら、この基音変更で上手くいくことが多いはず。
これはチェンバロの調律替えに相当します。
ただしこのような曲が、必ずしも調律替えを想定しているとは限らず、ウルフを軽減した改良型ミーントーンで書かれた可能性も十分にあります。
しかしそのような音律が電子ピアノのプリセットに無いので、代替策として基音変更を紹介してみました。
この方が、安易にヴェルクマイスターやキルンベルガーを使うより、結果が良い場合も多いので。

サラバンドの最後は、ミーントーン時代に非常に多い「イ短調 ⇒ イ長調」終止(いわゆるピカルディ終止)ですが、ヴェルク&キルンでは決めのC#音がベースのA音に対し高すぎて、終止感がイマイチ ──── ピカルディ終止のカッコ良さ(笑)は、ミーントーンでこそ生きるのです!
ぜひそれを味わってみてください♪

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
 良いですね、楽譜パラパラ系は分かりやすくてGoodジョブですよ、私も作ってみたい。選曲も渋い&超マニアックで(笑)素晴らしい。しかしパッヘルベルでこんな曲があったんですね。長年?チェンバロ界にいますが、これは初めて聴きました。
 チェンバロの音色のせいもあるのか、今回の響き(E♭音の違和感など)は非常〜に分かりやすかったです。音源ないしリバーブ設定等の問題なのか、それとも一般的に(生音or電子音にかかわらず)チェンバロの音はピアノに比べて音程や響きが分かりやすいってことなんでしょうかね・・・。
 前回の♯系、♭系の問題とも関係しますが、チェンバロの音とピアノの音を比較すると、明らかにイメージ的にチェンバロの音は「♯」(←鋭い、ハッキリしているetc)って感じで、ピアノの音が「♭」(←ソフト、はっきりしないetc)って感じがします。 なので、バッハのWTCも調号多数曲の多くが♯系の譜表で書かれた(&にも関わらず、「ピアノ」用楽譜としては♭系の譜表に書き換えられて(別名「改ざん」されて)いる)のもそういう理由だったりするのかしら・・・
 余談:先ほど歌詞付きミクシリーズ続編をupしてきました。(宣伝させてもらおっと(笑))
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=7715



koten
URL
2011/08/21 11:31
kotenさん、

>パッヘルベルでこんな曲があったんですね
IMSLPのリンクで載せたザイフェルト編のパッヘルベル鍵盤曲集は(一部偽作も紛れ込んでるようですが)、音律面で興味深い曲も多く、面白いですよ。

>チェンバロの音はピアノに比べて音程や響きが分かりやすいってことなんでしょうかね
そう思いますね、私も。弦を「はじく」チェンバロの方が、「叩く」ピアノよりも音程感が明確に感じます。
しかもチェンバロは「そっとはじく」ことが出来ず、常にある一定以上のパワー?でしっかりと鳴ってしまいますよね。
マズい音程を「そっと弾いて」目立たないように誤魔化すことができないので、音律の弱点が露骨に出てしまうのだと思います。
(もしもチェンバロのままだったら、ベートーヴェンでさえもKBIIであれだけのソナタを書くのは難しかったのでは?と思います・・・ピアノでなきゃ無理)

>♭系の譜表に書き換えられて
第一巻の「嬰ハ長調→変ニ長調」は#7つよりも♭6つの方が「読みやすいんじゃね?」で別譜も載ってるだけだと思いますが・・・
「改ざん」はそんなに多くないはずだと。
ただ一般にピアノ時代になってから、♭系調号が目立ってきた感じはありますね。
ベートーヴェンに♭7つ(変イ短調!)の楽章がありますが・・・嬰ト短調(#5つではイケナイのでしょうか???ww)
REIKO
2011/08/22 15:05
WTCの変ホ短調の曲(確か第8番)って、実は「嬰ニ短調」で書かれたみたいなんですよ(下記wikiの「嬰ニ短調」を参照)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AC%B0%E3%83%8B%E7%9F%AD%E8%AA%BF
 ↑
 正確には1巻の前奏曲だけ変ホ短調で、残りは嬰ニ短調のようですね。これも不思議&研究の余地ありですかね・・・。私的には第1巻の前奏曲のあの跳ねとぶ上声部音型こそ正に♯系(ゆえに嬰ニ短調にふさわしい)と思ったのですが。
 話を戻しますと、私の持っている某z音の「原点版」楽譜では、8番は全部変ホ短調の譜面なので、ピアノの場合はこれでも良いかもしれないけど、チェンバロだと弾いていて正しい?雰囲気(=より良い印象)が得られないのではないか、などと思ってしまった次第でして。
 ちなみにこの楽譜ですと、1巻の3番は嬰ハ長調(変ニ長調は付録別譜)ですが、2巻の3番は変ニ長調のみ(付録別譜なし)なんですよね。で、やはりwikiの「嬰ハ長調」を調べてみると、WTCの3番は1巻2巻とも嬰ハ長調が正しいみたいなんですよ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AC%B0%E3%83%8F%E9%95%B7%E8%AA%BF
なので、やはり信頼できる原点版の楽譜を買わなアカンな、と思った次第です。

>#5つではイケナイのでしょうか???
・・・やはり作曲家ごとに、各調性が備える雰囲気とかイメージとかいうのがあるんじゃないですかね。歴史に名を残す超一流の作曲家なのだから、それくらいのこだわりはあると思いますね(「そうであってほしい」という願望も多少入ってますが(笑))
koten
2011/08/22 18:11
kotenさん、

>1巻の前奏曲だけ変ホ短調で、残りは嬰ニ短調
移調前の元曲の調の関係で、統一がとれてないとされているそうです。

>2巻の3番は変ニ長調のみ(付録別譜なし)
一巻は付録別譜なのに、二巻はそうなってないのは、確かに誤解を招きますよね。一応「序言」の最後に、見やすい同主調に移調したものがある旨書いてありますが・・・。
このフランツ・クロール版(ですよね?)は「URTEXT」とありますが、19世紀レベルではそうであっても、現在では違うのではないかと思います。
Z社がいつからこの版を日本で出してるのか知りませんが、単に海外の版権切れのものを使っただけかもしれません。
以前は同社から「平均『率』〜」と誤字?を当てた版も出ていましたが、それよりもクロール版の方が、原典版っぽかった気はしますが。(笑)
まあバッハは新全集版が出てるので、現時点ではそれを参照すればいいのですが、マイナーな作曲家だと何が「正しい」のか分からないので困りますよね。

>各調性が備える雰囲気とかイメージ
なるほど・・・変イ短調って要するに変ハ長調(!)の並行短調ですが、「ロ」じゃなくて「変ハ」・・・ベトベン、何をイメージしてるのか・・・(^ ^;)
REIKO
2011/08/24 00:40

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