テーマ:古典・ロマン・近現代
日本人作曲家のピアノ小品を古典調律で演奏するシリーズ、今度は少しポピュラー&ジャズっぽいフィーリングの曲を選んでみました。
平吉毅州(ひらよしたけくに)さんの、こどものためのピアノ曲集「虹のリズム」から、チューリップのラインダンスです。
1979年出版で2012年1月1日で第70刷ですから、100刷を超えた「お菓子の世界」ほどではな…
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日本人作曲家シリーズが面白いので、昔買って押入れの段ボール箱に眠っていた楽譜ばかりじゃナニだし(笑)、新しい楽譜を仕入れてまいりました。
田中カレンさん(1961 ~)の、こどものためのピアノ曲集「星のどうぶつたち」です。
今まで取り上げた作曲家からぐっと世代が若返り、やはり音楽に新鮮なものを感じます。
(ちなみに中田喜直さんは1…
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日本人作曲家のピアノ小品に古典調律で挑戦するシリーズ、今回は中田喜直さんのエチュード・アレグロです。
私なんか「雪の降るまちを」の作曲者というだけで、中田さんに足を向けて寝られない人間ですが ──── 。
日本人で中田さんの曲を歌ったことがない人は皆無と思いますが、ピアノ作品も多く、「エチュード・アレグロ」はオクターブに手の届かない…
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日本の作曲家のピアノ小品に古典調律が挑むシリーズ、お待たせいたしました(え、誰も待ってない?)「お菓子の世界」(湯山昭)から柿の種の登場です!
和風音階と現代テイストがミックスした曲調で、とりあえずイ短調で始まりますが、すぐに臨時記号がゾロゾロついた不思議な旋律と和音がはじけます。
A-Eの空五度が多いので、キルンベルガー第二法…
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現代日本のピアノ小品に古典調律が挑むシリーズ、今度は斎藤高順さんの「ガラスの星座」です。
「ピアノのおけいこ」1973年4-9月のテキストに載っていました。
何と!この曲の記譜は、右手ト音記号の横に#が5つあって、その上に「黒鍵」、左手ヘ音記号にはナチュラルが5つで、下に「白鍵」と書いてあるのです・・・
つまり(急速な分散和音…
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現代日本作曲家のピアノ曲に古典調律が挑むシリーズ(いつからシリーズ化?笑)、今度は奥村一さん作曲 ─── というより編曲みたいなものですが ─── わらべ唄のあんたがたどこさです。
1973-4年NHK教育TV「ピアノのおけいこ」テキストで知った曲で、不協和音でバンバン!と叩きつけるエンディングがカッコ良くて、好んで弾いていました。
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まだ本の整理が半分ほど残ってるのですが(笑)、引越しで古い楽譜達と久々に再会し、眺めていたら音にしたくなったので、転居後初打ち込みをやってみました。
子供の頃、自分はピアノを習っていませんでしたが、友達からピアノの発表会に呼ばれると、好きな曲発掘のために喜んで聴きに行っていました。
そこで知ったのが、有馬礼子さんの「舞曲」なんで…
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60個近い段ボール箱を2トン・ロング車に積み込んで、何とか引越ししましたが、転居先でのモノの整理に手間取っております(苦笑)。
家具や家電は最小限しか持ってないのに、CD・楽譜・本が大量にあって(CDの多さには、引越し業者の人もあきれていました)、以前は無秩序&無整理に「床置き」していたのを、これからはもう少しまともに収納しようとして…
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引越しのためにモノの整理をしていたら、押入れの奥にあった段ボール箱から、行方不明になっていた湯山昭作曲「お菓子の世界」の楽譜が出てきました。
1978年10月30日・第18版(「刷」の意味と思いますが)のものです。
現代日本の作曲家によるピアノ曲集としては、異例の大ヒット作品で、「シュー・クリーム」「柿の種」「ドロップス」「マロ…
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リアルの部屋に比べれば、パソコンの中は片付いている私ですが(笑)、引越し準備の合間にファイルの整理をしていたら、去年作ってそのままになっていた、ベートーヴェン&キルンベルガー第二法の動画があったのでアップします。
ミーントーン・ネタが続いていたので、久々のキルンベルガー第二法ですね♪
<ピアノソナタ第17番ニ短調「テンペスト」第3楽…
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Enriqueさんの「和音の波形」記事が面白かったので、私も温めてあったネタを緊急放出(笑)します。
ブルクミュラー25の練習曲は、キルンベルガー第2法で弾くと3分の1ほどの曲で不具合が出ますが、ハ長調・ヘ長調を中心に非常に良く適合する曲もあるので、その1つ「狩」で実験してみました。
キルンベルガー第2法↓↓↓
キルンベル…
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なまじ古典調律に知識のある人に限って、キルンベルガー第2法なんて「使えない」と考えるのは、多くの三度音程が(平均律よりも)狂っているからでしょう。
ピタゴラス長・短三度は、純正五度を重ねてできる三度で、純正三度より約22セントも狂っています。(長三度は広く、短三度は狭い)
★平均律は、長三度⇒純正より約14セント広い、短三度…
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前回、ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」第一楽章、前回YouTubeの楽譜付き動画をアップしましたが、mp3も作ってみました。(多少は音が良いです)
キルンベルガー第2法↓↓↓
平均律↓↓↓(全体に響きが生ヌルい・・・冒頭和音、うなってる・・・)
以前記事にしたソナタ第1番へ短調と同様、この「悲愴」も音律の弱点に対し…
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久々にべートーヴェン&キルンベルガー第2法のコンビが登場!(笑)
三大ピアノソナタの1つ、作品13の「悲愴」第1楽章を打ち込んでみました。
【おことわり】低域のオクターブ・トレモロと右手和音の強打で、高域C音が濁る箇所がありますが、音源に起因する不具合?です。(音律のせいではありません)
いや~、やっぱこのコンビは…
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前回、ウルフの位置を上手く設定すれば、「革命」のようなメチャ転調曲でもピタゴラス律で良好に演奏できることに気づいて、ほんとに驚きました。
それで他にも例がないかと調査(笑)・・・簡単に発見!
シューマン「ウイーンの謝肉祭の道化」より「間奏曲」
フラット6つ!の変ホ短調で、ウルフ位置は「E-B」です。
この曲は最近…
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先日「ツイッターピアノ千葉の会」というのに参加してきました。
ツイッターを通じて集まるピアノの弾き合い会で、私は聴くだけ参加でしたが、二次会ではお酒を飲みながら古典調律の宣伝?もさせてもらい、とても楽しかったです♪
やはりショパンを演奏した方が一番多かったですね。
ショパンは平均律でも失われるものが少ないのかなあ・・・とも思い…
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電子ピアノのプリセット古典音律、キルンベルガー(第3法)のお勧め曲、こんなものを見つけてきました。
ドヴォルザークのユモレスク Op.101 - 7↓↓↓(キルンベルガー第3法)
現在ではト長調のヴァイオリン編曲で有名なこのユモレスク、原曲はピアノで、しかも♭6つの変ト長調です!
そして中間部分は嬰へ短調(変ト=嬰…
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さて、電子ピアノプリセットの古典音律の中に、ピタゴラス律というのがあります。
ピタゴラスは「三平方の定理」で有名な、紀元前5世紀頃に活躍した数学者ですが、現在知られている音律は多くが16世紀以降のものなので、ピタゴラス律は非常に古いと言えます。
音律の構成はとてもシンプル↓↓↓
純正より24セント狭い、ピタゴラス音律のウル…
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こちらのパーセルの記事で、平均律とは大きく異なる音律で作曲された曲を、平均律のピアノで弾いてもダメなんですよ・・・と書きました。
同様にミーントーンの時代以外でも、適切な古典音律で演奏すれば救われる鍵盤曲が、たくさんあります。
で、平均律でも十分人気があるので今さら・・・ですが、ロマン派のピアノ曲も、古典音律で一皮ムケるんですよ…
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シューベルトに続いて、シューマンとキルンベルガー第2法の適合状況を調べています。
で、結論から言うと、第2法で良好に演奏できるもの(「謝肉祭」「幻想小曲集」)、微妙だが第2法を想定してる可能性があるもの(「ユーゲントアルバム」「子供の情景」)、ダメだこりゃ(「クライスレリアーナ」←第1法やDシフトへの調律替えでも不具合解消せず)・・・…
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シューベルトの人気ピアノ曲、作品90に続いて作品142の即興曲集が、キルンベルガー第2法で演奏可能か調べてみました。
調性から見て一番心配だった第3番(変ロ長調)をクリアし、ヘ短調の第1番も難なく通過、残りも楽勝と思っていたら、第2番でとんでもないことが起きました!
第2法にとって「安全調」である変イ長調で静かに始まり、トリオで…
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シューベルトの人気ピアノ曲と、キルンベルガー第2法音律の相性を調べています・・・その一部を報告♪
★「楽興の時」 作品94 第3番(ヘ短調)
これ、小学校でお昼の給食時、校内放送のテーマ曲だったんですよ。
聴くと、(大嫌いな)脱脂粉乳の匂いを思い出すんですよね・・・(^ ^;)
第2法が得意のフラット4つ、ヘ短調と平行長…
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さて色々な観点から、シューベルト(1797ー1828)もベートーヴェン同様、キルンベルガー第2法愛用者だったと私は推察しています。
歌曲王として知られるシューベルトですが、彼の人気ピアノ曲と言えば、まず即興曲集作品90でしょう。
その第3番は、ピアニスティックな演奏効果は第2・4番に一歩譲りますが、夢見るような旋律の美しさで知られて…
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前回からの続きです。
キルンベルガー第2法(以下「II」)からD音を低くする、いわば「ベートーヴェン・シフト」とも呼ぶべき音律で演奏した、ソナタ32番第二楽章(変奏曲)の主題です。
(「ピアノ=平均律」が当たり前になってから、この曲を作曲者本人が使った音律で聴いた人ってそう多くはないと思うので、これは特ネタですよ♪)
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── この度の東北・関東の地震と津波災害のお見舞いを申し上げます ──
当方千葉県ですが3月11日は、2台あるノートパソコンのうちネットに繋げていない方で、ベートーヴェンのピアノソナタ第12番をキルンベルガー第1法で鳴らしていた時に、揺れが襲ってきました。
小さな揺れが次第に大きくなり、演奏を止めました・・・そしてガタガタと大き…
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ベートーヴェンのピアノソナタ第23番「熱情」、音律をキルンベルガー第2法からA音を下げて、第1法にした演奏をお届けします。
★調律替えについて詳細は前の記事に
長いので、第1楽章の再現部(135小節目)から最後までです。
これだけでも十分雰囲気は味わっていただけるかと。
★音域・強弱の幅が大変広い曲です・・・ヘッドホ…
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ベートーヴェンのピアノソナタ第1番がフラット4つのヘ短調という、古典派であまり使われない調なのは有名な話です。
普通はハ長調とか、もう少し調号の少ない調で書きますよね?
これをもって「意欲的」とか、早くもベートーヴェンの個性が云々・・・と、色々な解説で読みました。
しかし、彼のピアノがキルンベルガー第2法で調律されていたとすると、…
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ベートーヴェンが愛した音律、キルンベルガー第2法(以下「II」)で演奏した「エリーゼのために」です。
(19世紀後半の、ブライトコプフ&ヘルテル社の楽譜に拠っているので、現在流布している版とは音の違い等があります)
・・・何というほの暗い響きでしょう・・・!
イ短調なので、決して明るい曲でないのは平均律の演奏でも分かります…
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以前から、ハイドン作品一覧の中にある「音楽時計の音楽」(Flötenuhr Hob. XIX-1~32というのが気になっていました。
golf130さんのブログ「クラシックお笑い原理主義」で、これをオルガンで弾いている録音があると知り、ひょっとして打ち込み向きの曲かもと思って、いつものようにIMSLPで楽譜を探したら、ちゃん…
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突然ですが、当ブログのタイトルが一部を変形拝借している、エマーソン・レイク&パーマー(以下ELP)のアルバム、恐怖の頭脳改革冒頭に入っていた「エルサレム」のカラオケを作りました。
英国のC.H.Parry(1841 - 1918)作曲の「Jerusalem」をアレンジしたもの・・・楽譜はIMSLPのこちらでダウンロードできます。
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