米NFMC選定のメロディ・ボバーの曲
NFMC(National Federations of Music Club)は、米国音楽の普及促進と演奏家や教育のサポートを目的とする、民間非営利団体(NPO)です。
NFMCでは指導者や学習者の便宜を図る目的で、米国の音楽作品の中からピアノやギター、小編成のアンサンブル曲で優れたものを、難易度別にリスト化しています。
易しいレベルほど、主に現役作曲家による教育作品が多くなり、難しい方ではマクダウェルやジョプリン、米国籍を取得したラフマニノフの作品なども含まれます。
数年ごとに更新される選定曲の一覧は、公式サイト等で見れるわけではなく、有料で購入するシステムのようです。
しかしリストが更新されるとすぐに、楽譜出版社のサイトにはNFMCの特設ページができて、選定曲やそれを含む曲集が紹介されるようになります。
リストに載れば注目され、楽譜も売れるのでしょう。
★2021~2024年の選定曲リスト(PDF)がダウンロードできるページ
・Alfred 出版作品
・FJH Music 出版作品
さて上記のリストを見たら、今まで弾いた曲が結構あったので、今回はその中からメロディ・ボバーの曲を紹介したいと思います。
米国で大人気のボバーについては、以前こちらの記事にも書きました。
かつて活躍していたFJHから、現在はAlfredに移っていますが、どちらの出版社の作品も選定曲に入っています。
以下、カッコ内の難易度はNFMCのものです。
「マイ・インスピレーション」(中くらい) ★楽譜はこちら
♯系と♭系の2分冊で出版された、全調曲集に含まれる変ホ長調の曲です。
この曲集全体に関しては、私が期待したほどの出来じゃなかったのですが、この曲は割と良いと思い弾いてみたものです。
そしたらNFMCにもしっかり選ばれて(笑)──── 考えることは皆同じ?
16分音符の華やかなパッセージは左右交互に弾く(いわゆるクロスハンド)のアルペジオで、ボバーが非常によく使うものです。
「海上の風」(やや難しい) ★楽譜のダウンロード購入はこちら
FJH時代のダイナミックな作品で、楽譜の表紙が帆船のイラストだったので、それに倣って画像を選んでみました。
曲調からすると、海で嵐に巻き込まれた帆船、最後は沈没!?
中間部分で旋律が左手に移るのも、ボバーが好む手法です。
「ロボティクス」(難しい I) ★楽譜はこちら
タイトルも曲調も今風の、ロック・ピアノとでも言える作品です。
独特のサウンドは、人によって好き嫌いが分かれるかもしれませんね。
手が大きい人ならオクターブがもっとガッチリ鳴って、さらに迫力が出るでしょう。
上行と下行で2箇所あるグリッサンドや、コーダで4度重音が連続するあたりが技術的に少々やっかいでした。
「ロマンス」(難しい II) ★楽譜のダウンロード購入はこちら
さっきの曲と同じ人が書いたとは思えない、郷愁を誘うロマンチックな作品です。
簡素ながら効果的な前奏、途中の転調や山場の盛り上がりなど、このレベルの曲としてはやや短いのが残念ながら、よくまとまっていると思いました。
FJHの難易度は Early Advanced で、NFMCでもだいぶ難しいと判断してるようですが、自分的には想定より簡単&ラクに仕上がってしまいました。
もしこの曲で技術的に難しいと判定される箇所があるとすれば、山場に向かって盛り上がる、ホ長調・3度音程の音階パッセージかもしれません。
両手ユニゾンの音階とは違って、右手が黒鍵・左手が白鍵(またはその逆)になる場合があり、ミスが出やすい箇所ですね。
このようにNFMCでは、細かく難易度分けした上で優れた米国作品がリストアップされますから、学習者も指導者も簡単にレベルに合った好みの曲を選ぶことができます。
自国の作品、特に現役作曲家のそれを演奏するって、大事なことですよね。
日本にもこういうリストがあればいいのですが…
NFMCでは指導者や学習者の便宜を図る目的で、米国の音楽作品の中からピアノやギター、小編成のアンサンブル曲で優れたものを、難易度別にリスト化しています。
易しいレベルほど、主に現役作曲家による教育作品が多くなり、難しい方ではマクダウェルやジョプリン、米国籍を取得したラフマニノフの作品なども含まれます。
数年ごとに更新される選定曲の一覧は、公式サイト等で見れるわけではなく、有料で購入するシステムのようです。
しかしリストが更新されるとすぐに、楽譜出版社のサイトにはNFMCの特設ページができて、選定曲やそれを含む曲集が紹介されるようになります。
リストに載れば注目され、楽譜も売れるのでしょう。
★2021~2024年の選定曲リスト(PDF)がダウンロードできるページ
・Alfred 出版作品
・FJH Music 出版作品
さて上記のリストを見たら、今まで弾いた曲が結構あったので、今回はその中からメロディ・ボバーの曲を紹介したいと思います。
米国で大人気のボバーについては、以前こちらの記事にも書きました。
かつて活躍していたFJHから、現在はAlfredに移っていますが、どちらの出版社の作品も選定曲に入っています。
以下、カッコ内の難易度はNFMCのものです。
「マイ・インスピレーション」(中くらい) ★楽譜はこちら
♯系と♭系の2分冊で出版された、全調曲集に含まれる変ホ長調の曲です。
この曲集全体に関しては、私が期待したほどの出来じゃなかったのですが、この曲は割と良いと思い弾いてみたものです。
そしたらNFMCにもしっかり選ばれて(笑)──── 考えることは皆同じ?
16分音符の華やかなパッセージは左右交互に弾く(いわゆるクロスハンド)のアルペジオで、ボバーが非常によく使うものです。
「海上の風」(やや難しい) ★楽譜のダウンロード購入はこちら
FJH時代のダイナミックな作品で、楽譜の表紙が帆船のイラストだったので、それに倣って画像を選んでみました。
曲調からすると、海で嵐に巻き込まれた帆船、最後は沈没!?
中間部分で旋律が左手に移るのも、ボバーが好む手法です。
「ロボティクス」(難しい I) ★楽譜はこちら
タイトルも曲調も今風の、ロック・ピアノとでも言える作品です。
独特のサウンドは、人によって好き嫌いが分かれるかもしれませんね。
手が大きい人ならオクターブがもっとガッチリ鳴って、さらに迫力が出るでしょう。
上行と下行で2箇所あるグリッサンドや、コーダで4度重音が連続するあたりが技術的に少々やっかいでした。
「ロマンス」(難しい II) ★楽譜のダウンロード購入はこちら
さっきの曲と同じ人が書いたとは思えない、郷愁を誘うロマンチックな作品です。
簡素ながら効果的な前奏、途中の転調や山場の盛り上がりなど、このレベルの曲としてはやや短いのが残念ながら、よくまとまっていると思いました。
FJHの難易度は Early Advanced で、NFMCでもだいぶ難しいと判断してるようですが、自分的には想定より簡単&ラクに仕上がってしまいました。
もしこの曲で技術的に難しいと判定される箇所があるとすれば、山場に向かって盛り上がる、ホ長調・3度音程の音階パッセージかもしれません。
両手ユニゾンの音階とは違って、右手が黒鍵・左手が白鍵(またはその逆)になる場合があり、ミスが出やすい箇所ですね。
このようにNFMCでは、細かく難易度分けした上で優れた米国作品がリストアップされますから、学習者も指導者も簡単にレベルに合った好みの曲を選ぶことができます。
自国の作品、特に現役作曲家のそれを演奏するって、大事なことですよね。
日本にもこういうリストがあればいいのですが…
この記事へのコメント
ありがとうございました♪
更新楽しみにしていました。
応援しています。
>私も楽譜を取り寄せて弾いています
そう言っていただけると、とても嬉しいです。
紹介した甲斐がありました。
5線譜は世界共通だから、どこの国の楽譜だろうと取り寄せてしまえばこっちのもの、あとは楽しく弾くだけ♪ですよね。
>毎度アメリカ人作曲家による完成度の高い作品には驚かされます
はい、ダイナミックでピアノが良く鳴り、演奏効果が高い曲が多いので、練習していても楽しいですね。
>応援しています
ありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします。