アレクサンダーの豪快なトッカータ!

米国で「ピアノ弾いてカッコ良いところを見せたい!」と願う学習者に大人気の曲種がトッカータです。
トッカータは16世紀末、鍵盤音楽初期の頃からあり、即興的なパッセージや重厚な和音を特徴とする自由な形式の曲でした。
その後バロック時代には、バッハ等でおなじみのフーガ的な部分を含んだトッカータもたくさん書かれましたが、古典派・ロマン派時代には少々人気?が落ちていたようです。
しかし20世紀に入り、和音連打のような打楽器的音型が特徴の、超速かつ技巧的な曲がトッカータの名のもとにたくさん書かれるようになりました。
米国教育作品のトッカータも、この系統に属しています。

その中で圧倒的にトッカータの作品数が多く、それに比例してヒット!もたくさん飛ばしているのがデニス・アレクサンダーです。
当初Youtubeで耳にしてその斬新さに衝撃を受け、自分でもぜひ弾きたいと思った2曲を録音してみましたので、お聴きください。

《チタニウム・トッカータ》★楽譜はこちらの曲集に収録


米国で wild and crazy と評された、攻撃的な曲調のトッカータです。
実はこの曲、新型コロナ禍の緊急事態宣言中に練習してたのですが、気分的にピッタリ?でした。(そういう時だから練習する気になったと言えるかも)
ガチャガチャガチャガチャ!と下りてくるコーダが発狂してますね(笑)。

これだけ派手で豪快な曲なのに、右手は6度、左手は5度までの和音しか出てこないのは驚きです。
ですから子供の小さな手でもラクラク弾けるんです!
むしろ手が大きい人は指を持て余して弾きにくいかもしれません。
(私は大人としてはかなり手が小さく、ちょうど良い加減でした)
小さい手でも弾ける曲はこぢんまりしたものばかりでつまらない…と思っていた方、この曲がありますよ♪

《トッカータ・スピリト》★楽譜はこちらの曲集に収録


Prestissimo とあるので超速で演奏してみましたが、ここまで速くなくても十分に新鮮な印象のトッカータです。
左右の手で交互に弾く打楽器的なAメロは、鍵盤からできるだけ指を離さない&力まないのが速く弾くコツです。
中間部分は、(半)音階やクロスハンドのアルペジオに習熟しているのが速く正確に弾く条件になるので、やや難しいですね。
最後にドン!と重低音で決めるのは《チタニウム~》と同じで、アレクサンダーの他のトッカータでもよく見られるものです。

どちらも難易度は Late Intermediate で、日本だとブルグミュラー終了程度であればチャレンジできると思います。
えっ、そんなものなの? すごく難しく聴こえるけど…ですよね?
音運びは現代的ですが、指的には非常に弾きやすく書かれているんですよ。
運指(書いてある通りに守った方が良いです)も単純化されていて、速度を上げてもミスが出にくいようになっています。

ただし、古典的なクラシック曲しか経験がないと、「アレクサンダー音階&進行」(と私は勝手に呼んでます)とも言える臨時記号が頻発する部分に、苦労する可能性はあります。
いわゆる譜読みだけでなく、耳がついていかないんですよ。
いくつか彼の現代風の曲を弾くと、どれも「アレクサンダーあるある」で、何でもないんですけどね。

米国では、聴衆受けするケレン味のある曲を「ショーストッパー」(拍手喝采で舞台の進行が止まるから)と呼び、教育作品のトッカータもその線を狙っているものが多いのです。
そういう曲は大抵、聴こえるほどは難しくないと相場は決まっています。
作曲する方も、どうしたらそのような曲が書けるか、日々研究に余念がありません!
いやホントですよ、アレクサンダーも「そういう曲を考えるのが好き」って言ってるんですから~♪

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