ヘンデル・アリア集《影のヒーロー達》~シュトゥッツマン

アルト歌手のシュトゥッツマンが自ら創設した古楽オケ「オルフェオ55」を指揮しながら歌う、ヘンデルアリア集「影のヒーロー達」を聴いてみました。

Handel: Heroes from the Shadow
Erato
2014-10-07


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シュトゥッツマンはかつてヘンデルのオペラ「ガウラのアマディージ」でタイトル役を歌っていた頃、脇役ダルダーノのアリア「Pena tiranna」(「荒れ狂う苦悩」…もちろん収録曲です)の美しさに魅せられて以来、ヘンデルオペラの二番手・三番手歌手のアリアを並べたリサイタルCDを作ろうと、選曲のために多くの時間を費やしてきたそうです。
膨大な量のヘンデルオペラをリサーチしまくったんですね(笑)!
CD収録時間ギリギリの80分たっぷり詰め込んであるところに、泣く泣く落とした曲も多かった様子が伺えますが、長年温めてきたアイディアがここに実現した喜びが歌や演奏の端々から伝わってきて、全く中ダルミみせずに一気に聴いてしまいました。

あまりヘンデルのアリア集に収録されることがない珍しい曲が多いという点では、こちらのサバータによる《悪い奴ら》と同じタイプのアルバムです。
しかし歌や演奏、選曲の好悪は別にして、「ヘンデルには脇役のアリアにも素敵な曲がいっぱいあることを、皆に知ってほしいの!」という気迫や情熱は断然シュトゥッツマンの方が上で、言っちゃ悪いけどサバータのアルバムは、マイナーなアリアをただ何となく並べて終わっているに過ぎない気がしてきました。

このアルバムが「並べただけ」でないのは、すべての曲がほとんど曲間を置かずに連続して演奏されることも大きいです。
まるで一遍のドラマを見ているような印象なんですね。
「繋ぎ」に使われている数曲の短いシンフォニアも、前後のアリアに対して自然な橋渡しとなるように、調性や曲調など慎重に配慮して選曲されているに違いありません。
歌がメインのプログラムに短い器楽曲を挟むのは古楽CDの常套ですが、ほとんどは単なるインターバルかオマケ、もしくは時間稼ぎ?の印象しか受けないのに、このアルバムでは全く違います。

つまり所詮は寄せ集めでしかないのに、全然それと感じさせない作りになっているので、聴き終わった時に「わ~!良かった~~!ヘンデルの世界ってすごいな~!」というスケールの大きな感動になるんです。
─── とここまで書いて、少し前にも似たようなCDが…と思い出しました。
こちらに書いてました、ラモーのアリアとバレ集
もしかしてこういう作りが、これからちょっとしたトレンドになるのかも?
短い曲を単独でダウンロード購入する聴き方も当たり前な現在、曲を並べただけではCDの特性を生かし切れない、だからアレもコレもてんこ盛りにしてノンストップ80分でどーよ!ってことでしょうか!?

この手法、良いテーマを見つけて選曲と構成を工夫すれば(もちろん演奏も大事ですが)、いくらでも面白い古楽のCDが作れそうですね。
次は誰がどんなテーマで来るかな…? 楽しみにしていようと思います。

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