プリナが歌うイタリアン・カンタータ

ソニア・プリナが歌う、ヘンデルのイタリアン・カンタータ集を聴いてみました。

Handel: La Lucrezia
Pid
2010-02-02


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通奏低音伴奏のみで歌われる、6曲が収録されていますが、メインはルクレツィア(おお、永遠の神々よ)HWV145です。
ヘンデルのイタリア時代のカンタータとしては規模も大きく、劇的表現に富むので、非常に録音の多い曲ですね。
夫の留守中に貞節を奪われ、自己の名誉を守るために自害した、古代ローマの貴婦人ルクレツィアの物語がテキストです。

koh da saitama さんのブログ「ヘンデルのカンタータ 歌詞の意味を考える」のこちらのページに、詳しい内容の説明があります
Wikipediaの「ルクレティア」(←ラテン語名)の項も御参考に

ヘンデルは劇的なテキストに合わせて、特にカンタータの後半はダ・カーポ・アリアを使用せずに、レチタティーヴォやアリオーソの連続でルクレツィアの怒りと決意を見事に表出しています。
ドスのきいた低音から繊細な高音まで自在に操るプリナの歌唱と、雄弁な通奏低音陣も、ドラマチックな切り込みが見事ですね。

ただこの曲は、作品としての「評価」は高いようですが、聴いていて「面白いか?楽しいか?」聞かれると、そうでもないんですね。
そもそも内容が内容だし。(苦笑)
覚えて一緒に口ずさめるような旋律もほとんど無いため、一方的に重い内容の音楽を聴かされるだけになってしまいます。
自害して終わるせいでしょうけど、中途半端にブッた切れたような終わり方なのも、欲求不満が残ります。

むしろこのCDでは、前座として?配されている、レチタティーヴォとダ・カーポ・アリアだけの「普通のカンタータ」の方が、良かったです。
小規模作品だからといって軽く流したりせずに、どれも心を込めて丁寧に演奏しているのが好感持てました。

冒頭の「Dolce pur d'amor l'affanno」は、どっかで聴いたことあるな・・・と思ったら、後にオペラ「アルチーナ」に「Di', cor mio, quanto t'amai」として転用されてるんですね。
きっとヘンデルもお気に入りの旋律だったのでしょう。
オペラの方が、器楽伴奏が充実しているので聴き栄えしますが、通奏低音だけでも素朴で良いものです。
その他のカンタータも特に有名でこそありませんが、アリアの旋律はどれも魅力的で、ヘンデルのメロディーメイカーぶりが伺えますね。

このCDは横13センチ縦24センチ、「ルクレツィアの陵辱」(ティツィアーノ)が表紙の、カラー図版が美しいブックレットが付いています。
で、これが厚紙二つ折りのジャケットに、根本がくっつく形で糊付けされてるのですが、このままだと開きにくく読み辛いので、無理やり糊をはがして何とか「分離」しました。
しかし運が悪いと、裏表紙をちぎってしまう可能性もあるので、やる時はお気をつけ下さい。

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この記事へのコメント

2011年07月03日 14:50
リンク、ありがとうございました。

>面白いか?楽しいか?
たしかに楽しくはないですね。それでも第2曲のアリアGià superboなんかはいいメロディーで口ずさめますよ。まあ、わたしがこのような重めの曲を好きなせいかもしれません。

>前座
このCDは6曲のカンタータが収録されていますが、その内4曲は持っていなかったので、それを目当てに買いました。「前座」もなかなかどうして、レヴェルは低くありません。

ただこのCD、外装が規格外なので困ります。普通のCDケースに収まらないので。
ブックレットのサイズが大きいので、美しい図版がたくさんあるのは楽しいですが・・・(傷めず外すことができました)。
2011年07月03日 15:03
イタリア文字、うまく表示できませんでした。
アリアのタイトルで変になっているところはGia superboの「Giaのa」にアクセント記号がついているものです。
2011年07月03日 16:38
kohさん、

>重めの曲
類型的な恋の悩みや喜びを歌っているイタリアン・カンタータが多い中、ルクレツィアは異色ですよね。
演奏者にとっては、表現し甲斐のある劇的緊張感の高い曲なんだと思います。
通奏低音だけで歌えるので、人件費がかからずに済むのも、録音が多い理由かな?などと考えたり。(笑)
ただ一般にクラシック音楽業界では、「暗い曲・重い曲」⇒「高評価」な図式があって、「明るく楽しい」がモットー(笑)の私としては、少し不満があるのでした。(^ ^;)
なのでこのCDでは、「前座」の方が楽しめましたね♪

>外装が規格外
このレーベルの特徴のようですが、確かに他と揃わないので収納に工夫が必要ですね。
外した後も糊がベタベタしていて(乾かない)困ったので、上からセロテープを貼りましたが、これではカッコ悪いし。

>イタリア文字
ブログ本文ではアクセント記号等使えるのですが、コメント欄ではダメなようです。
お手数かけました、すみません。
アルチーナ
2011年07月05日 11:36
このCDの存在は全く知りませんでした!
それとDolce pur d'amor l'affanno とDi', cor mio, quanto t'amaiが
同じメロディーだというのにも全く気がつかず!
本当に伴奏によって印象が変わるもんですね・・
しかし・・ジェルマニコがますます怪しい感じですね(笑)

ルクレツィアのカンタータの存在も全く知らなかったのですが、
youtubeにもいくつかアップされているようなので聞いてみようと思います。

kohさん、対訳ありがとうございます!
動画と一緒に読ませていただきます☆
2011年07月05日 20:47
アルチーナさん、

>同じメロディー
ファジョーリのCDを聴いた時も、「どっかで聴いたような」(笑)と思ってたのですが、よく調べないままだったんです。
このCDでは解説に書いてあったので、すぐに確かめることが出来ました。
冒頭のアリア、素敵な旋律ですよね。

>ジェルマニコがますます怪しい感じですね
そうなんですよ・・・ヘンデルのイタリア時代の作品って、後で転用された箇所が普通に見つかるんです。
ジェルマニコにもそういうアリアが1つくらいあって、おかしくないんですけどね。

>ルクレツィア
「通奏低音+歌手一人」で演奏できるカンタータとしては、劇的緊張感に富むので、録音は多いです。
特に後半は、意味が分からないと苦しい(笑)ので、kohさんの記事は役立ちますね♪
2011年07月07日 11:33
アルチーナさん
「対訳」といえるようなシロモノではありません。せめて体裁だけでも対訳風にできたらいいのですが、原語を打ち込むのが大変なので。すみません。


>同じメロディー
わたしも聴いて確認してみました。カンタータアリアの方が「アルチーナ」のアリアよりメロディーラインがはっきりしているような感じですね。

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