ベジュン・メータのヘンデルアリア集

カウンターテナー、ベジュン・メータのヘンデル・アリア集「Ombra Cara」を聴いてみました。

Handel: Opera Arias
Harmonia Mundi Fr.
2010-11-09
Bejun Mehta


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録音風景の動画(CD1曲目の「Sento la gioia」が全部聴けます)

名前だけ何となく知っていましたが、ちゃんと聴くのは初めてのメータです。
ヤーコプスが指揮を務めるだけあって、超期待のC-Tと言っていいでしょう。

まず重みのある男性的な声で、言葉もはっきり聞き取れるのがいいですね。
イタリア語の書き取りができるくらい、ハキハキしています!
カウンターテナー臭?はそれほどなく、普通の男性の声がそのまま高くなったような印象なのも面白い。

ダ・カーポ後の装飾的なパッセージでは、声を張り上げるのではなく力を抜いて、軽く転がすように歌っています。
高音域の弱音って難しいと思うのですが、危なっかしい所は少しもありません。
カウンターテナーって声が独特で違和感があるとか、一本調子に聴こえるのがちょっと・・・という人でも、彼なら抵抗なく聴けるのではないしょうか。

アルバムタイトルにもなっている、「ラダミスト」の名曲「Ombra cara di mia sposa」は9分半もある長尺アリアで、半音階で不気味にさまよう弦をバックに、亡くなった(と思っている)妻の復讐を誓う歌です。
メータは決して大袈裟にならずに終始抑えた声で、秘めた感情を見事に歌い上げています。
こういう暗くてノロノロした曲は、あまり好みじゃないんですが、ついつい聴き惚れてしまいました。

「オルランド」の狂乱の場も収録されています。
こちらはメータよりも指揮のヤーコプスがすごい!と言った方がいいでしょうかね~、止まりそうになったかと思うと一気にバク進、緩急自在にオケを操って収録曲の中では最もドラマを感じさせます。
このレベルで全曲盤を出してくれたらなぁ・・・と、つい期待。
ここでは、メータがヤーコプスに「乗せられて」何とかオルランドやってる感じで、音楽家としてのキャリアの差が出ちゃったようですね。

最後はソプラノのローズマリー・ジョシュアをゲストに迎えて、息のあったデュエットで華やかに終わります。
明暗と緩急に目配りした選曲も良く、もうヘンデル・アリア集をたくさん聴いている人にも、これから初めての人にも、楽しめるCDだと思いました。

★録音風景とヤーコプスの語りを含む、約15分のDVDがオマケで付いています。
ただその内5分ほどはYouTubeにアップされている公式PVと似たような映像で、訛りのある英語で話しているヤーコプスの、英語の字幕がない(仏語と独語は訳を選択できるのに)のもちょいと不親切。
こんなの付けなくていいから、少しでも値段が安い方が嬉しいんですけど・・・。
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この記事へのコメント

2011年01月22日 09:15
このCDまだ聴いてないんですが、さっき出かけたコンサートホールのCDショップでDVD付き15ユーロは安い、と同行の友人に勧めて買わせました。いや、彼女はちゃんと視聴してから決めたんですよ。これで、わたしは買わずに借りられると、ほくそえんだのでした。
DVDは、たったの15分ですか。。。
フライブルク・バロック・オーケストラの演奏は、小気味よさそうですね。この指揮者とオケのコンビでデュモー選手のオルランドならもっとよかった?
でも、メータは最近、進境著しいものを感じます。
アルチーナ
2011年01月22日 14:51
やっぱり私は音律よりもヴィクトリアよりも、ヘンデルです!!
カウンターテナーに限らないのかも知れませんがオペラを主な活動の場にしている人達ってなかなか歌を聴く機会が無いですよね。ましてやバロックなんて・・

ダ・カーポでの歌いっぷりというのも人それぞれでこういうのを聞き比べるのも楽しいでしょうね!レイネさんも聴いたら感想を聴きたいです。
2011年01月23日 20:46
レイネさん、

>わたしは買わずに借りられると、ほくそえんだのでした
上手い!\(^ ^*)
「人が持ってるから私も買う」・・・ではなくて、「人が持ってるなら借りて済ます」のが確かにお得!

>DVD
これはほんとに「オマケ」でしかないです。
わざわざ「モノ」として付けるほどのものではないと。
YouTubeに公式を一本アップして、それを皆で見てれば済む内容だと思いますね。
録音風景でメータが、自分が歌い終わるとまだオケが後奏やってるのに、ペットボトルの水を飲むシーンがありましたが、あまり感心しない態度だな・・・とか思ったり。(笑)

>オルランド
あの「狂乱の場」をアリア集に入れるのは、難しいものがあると思うんですよ。
あまり「狂う」と、他のアリアから浮いてしまいますよね。
そういう意味ではメータの歌はちょうと良い加減かもしれないです。
たとえデュモーだとしても、(舞台はともかく)アリア集なら抑えた歌い方になるかもしれません。
2011年01月23日 20:53
アルチーナさん、

>音律よりもヴィクトリアよりも、ヘンデルです!!
アチャ~!?(^ ^;ゞ

>なかなか歌を聴く機会が無いですよね
ほんとにそうですね。
バロックオペラはまだまだ日本では上演が稀(たまになっても日本人キャスト)なので、歌手はどうしてもCD先行になってしまいます・・・残念。

>ダ・カーポでの歌いっぷり
ダ・カーポ後は皆それぞれ工夫してるので、聴き慣れた曲でも面白いですよね。
メータは、元の旋律より高い音域の修飾は、軽い声でコロコロと転がすように歌っています。
この点ファジョーリとはタイプが違うと感じましたが、これはこれで楽しく聴けました。

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