「アリオダンテ」~ミンコフスキ盤

ヘンデルのオペラ「アリオダンテ」(Ariodante)、ミンコフスキ盤を紹介します。

Handel: Ariodante / Minkowski, Les Musiciens du Louvre
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1999-08-10


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97年録音で当時から評判でしたが、今でも古くなっていない高水準の全曲盤だと思います。
まずいつものことですが、ミンコフスキの引き締まった推進力抜群の指揮が上手い!
彼の手にかかると、長いオペラも全然ダレませんね~♪
ガシガシ!と気持ち良くドラマが進んで行きます。

ついで、アリオダンテ役オッターの名唱♪
このオペラには、各幕に(初演時、カストラートのカレスティーニが演じた)タイトル役の特A級アリアが与えられていますが、ツヤのある声と繊細な表現、高度な歌唱テクニックで聴き応え十分です。
特に、婚約者に裏切られた悲しみを歌う「Scherza infida」は12分近くかけたじっくり歌唱で、弱音のコントロールが抜群・・・・・

・・・と、少し前まで思っていましたが、先日のツェンチッチのアリア集の後で、久しぶりにこのオッター=アリオダンテを聴いたら、これはこれで上手いが所詮オンナの歌唱だ・・・と、ガックリ来たのも事実です。
つまりパワーや野性味よりも、上品・優美さの方が勝ってるのですね。

まあこれは、オッターを責めてもしょうがないです。
だって彼女は女性なんですから。
どんなに女性が男っぽく歌い演じたとしても、男性そのものにはなれないし、女性である私は女性の声に性的魅力を感じることができません。
器楽曲と違い声楽曲(特にオペラ)では、声の持つ性的魅力がすごく大事だと思うので、メインの役が女性歌手ばかり・・・は、同級会に出たら女子校でもないのにオンナしか来てなかった・・・みたいなもので、やはり興をそがれます。

ひょっとして、ヘンデル・オペラで男性役を女性が歌うのは、男性リスナーや女性の同性愛者の方は歓迎なのかもしれませんが、どうなんでしょうね?
まあ今は過渡的な状態で、その昔(カストラートの役を)1オクターブ下げてバリトンで歌ってた頃に比べれば、女性歌手であってもヘンデルが書いた音域で歌うようになったのは、進歩なわけです。
この段階を経て、いずれは高音男性歌手が歌うのが当たり前になるのでしょう。
10年後か、20年後かはわかりませんが・・・。

この録音ではむしろ、悪役ポリネッソを歌うアルトのポドレスが、「ジネ~ヴラ~?」の怪演(聴けば分かります)で光っています。
この役は初演当時、第2カストラートが調達できなかったため、女性アルトが演じたいわば「ズボン役」。
全曲盤ならレチタティーヴォも面白くないと、買った意味ありませんが(笑)、この録音では邪な愛情でジネヴラに言い寄り、純真なダリンダを利用する、や~らしいポリネッソのキャラクターが、とても良く出ています。

お姫様役ジネヴラのドーソンは、オッターよりも少しおばさんぽい声なのが残念。
声のイメージでは、2人の役が逆の方が自然に聴けると思います。
こういう点も、男性がアリオダンテを歌えば解決するのですが・・・。

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この記事へのコメント

sarahoctavian
2010年04月28日 00:29
このアリオダンテは長いことお買い物リストに載せていながら(お値段につまづいて)未だに調達してないんです~!廃盤にならないわよね(笑)?音声はYoutube等で何度も聴きましたが、そう・・フォン・オッターは品が良く優美で隙のない上手さという印象。彼女がドス黒い情念ムラムラする図なんて想像しがたいかも(他の作品等知りませんけど)。Dopo notteも今聴いたら「凄いなー」って思いがもしかして薄れてるかもしれませんね。
そういえばアリオダンテのCDは女性が主役のものばかりではありませんか?考えてみたら不思議。カウンターテノールがあんなに沢山いるのに。もしかして今後チッチ坊とかフランコ様あたりで出ないかな?
アルチーナ
2010年04月28日 11:36
チッチ坊は今度、テゼオをやるので、近いうちに、アリオダンテもやるかもしれませんね!!
フランコ様のアリオダンテもかなり評判が良かったようで、指揮もミヒャエル・ホーフシュテッターでしたし・・CDになって欲しいんですけれどね・・ドイツ人ファンでフランコ様のチェーザレ、テゼオ、アリオダンテを聴いた人はアリオダンテが一番良かった!フェノミナルだったと書いてましたよ♥

それにしてもcon l'ali constanzaもよく聞くと、本当に難しい曲ですよね。曲調が明るくてfuriosoじゃないのでなんとなくサラっと聴いちゃいますけれど、歌手にとってはかなりキツそうですよね・・
2010年04月29日 03:53
sarahoctavianさん、

>廃盤にならないわよね
う~ん、どうでしょうか、今のところこのCDは結構長寿(笑)ですね。
もっとも、国内盤はとうの昔に廃盤になったようです。
辛口の記事を書きましたが、全体としては今でも十分通用する名演だと思います。

>アリオダンテのCDは女性が主役のものばかりではありませんか
>カウンターテノールがあんなに沢山いるのに
全曲盤だと、その役に与えられたアリア全てを歌わないといけませんよね?
そうするとアリオダンテの場合、Dopo notteで長尺(笑)の二点イ音が連発するのが、大抵のカウンターテナーには厳しいんだと思うのですよ。
(Scherza infidaは、1音低い)
Dopo~をアリア集で歌ってるカウンターテナーがいないのも、そのせいだと思います。

>今後チッチ坊とかフランコ様あたりで出ないかな
私もそれを期待しています!
2010年04月29日 03:59
アルチーナさん、

>チッチ坊
>フランコ様
私も彼ら&後続(誰がいるのかまだ知りませんが)に期待しています。
カウンターテナー、どんどん進化してるしまだ当分は増え続けると思うので、ヘンデル・オペラの英雄役で話題になって欲しいですね♪

>con l'ali constanzaもよく聞くと、本当に難しい曲ですよね
ヘンデルの曲にしては、「歌いにくそう」な部分が結構あるような気がします。
なのでカッコよく歌い切ると、本当に素晴らしいし、効果抜群だと思います~

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