イタリアン・カンタータ第2集

ヴィターレ指揮、コントラスト・アルモニコのヘンデル・イタリアン・カンタータ全集、第2集を聴いてみました。
今回は5曲、器楽オブリガート付きの2曲で通奏低音カンタータ3曲を挟んだ構成です。
第1巻同様、ソプラノのステファニー・トゥルーが1人で歌っています。

Handel - Complete Cantatas, Vol 2
Brilliant Classics


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1曲目「愛する魂は」HWV173は、短いレチタティーヴォに続くヴァイオリンのオブリガートが付いた7分以上もあるアリアが、愁いを帯びた陰影のある旋律で魅力的です。
これは恋に捕らわれると体験する、嫉妬などの苦しみを歌っています。
いわばマイナス面ですね。

一方続くアリアでは、恋した者だけが知る喜びを歌う明るい曲調で、この対比が印象に残ります。
誰でも恋をすると感情の振幅が大きくなり、1日に何度も天国と地獄を見たりしますね。
幸せな恋をしたければ、このような感情と上手く付き合う術を学ばねばアカンよ・・・的に、最後のアリアでまとめて終わります。(笑)

トゥルーは今まで同様、素直で伸び伸びとした歌い方で、器楽もゆったり系、ギスギスした感じは全くありません。
これはこれで聴き栄えはしますが、もう少し締まった所も欲しいでしょうかね~?

最後に収録されている「炎の中で」HWV170は、今までもたくさん録音されている、ヘンデル・カンタータの人気曲です。
2本のリコーダーが華やかな趣を添え、技巧的なヴィオラ・ダ・ガンバも活躍するので、歌だけでなく器楽も聴きどころが多いです。

実はこのカンタータ、本来は「忠告」という題が付いていて、教訓的な歌詞を持っています。
まず、明るい炎に引き寄せられその中で乱舞している蛾は、結局焼き尽くされて死んでしまう・・・炎の中から復活するのは「不死鳥」だけだ、と始まります。
そして、ギリシャ神話の名工ダイダロスとその息子イカロスの例を引きます。

ダイダロスは翼を作り、それを蝋で体に装着して空を飛びます。
息子のイカロスも同じく空を飛びますが、彼は欲を出して高く飛び過ぎ、太陽に近づいたために熱さで蝋が融け、翼がとれて墜落死してしまいました。
ダイダロスは賢明な大人だったので、分をわきまえた飛び方をして、息子のようにはなりませんでしたが。
イカロスのような人はたくさんいても、ダイダロスは少ない・・・。

ここでいう「炎」は、カネとか地位とか(笑)人生の様々な目的や欲望を指していますが、歌なのでやっぱり愛の炎と考えるのが自然ですよね。
詞は、ローマでヘンデルのパトロンだった、パンフィーリ枢機卿が書いています。
実はこの「忠告内容」が、パンフィーリ枢機卿からヘンデルへの直接のメッセージだった可能性もある・・・そうなんです。

つまり当時(1707~8年頃)、22歳だったヘンデルがそれはマズイのでは的恋愛をしていて、それに対し枢機卿が暗に「やめときや」と忠告したのでは?というんですね~!
何がどうマズイ恋愛だったんでしょうか?
次回、ドット絵相関図と合わせてお話します・・・(^ ^;)

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この記事へのコメント

Mev
2010年03月26日 08:43
ヘンデルにも若き日があったんだ~。(あたりまえか)
koh
2010年03月26日 10:47
 >それはマズイのでは的恋愛

ヘンデルは晩年こそ、ギョロ目のデブおやじという感じですが、若い頃の肖像を見ると(三澤寿喜著「ヘンデル」29P)結構イケ面で、やさしそうです。女性の方で放っておかなかったのかも。
kaisha
2010年03月27日 05:48
私はまったく音楽の素養が無いので、REIKOさんのブログが取っても新鮮です。90%は意味が通じないのですが、(ヘンデルはハンデルって書くのだ!と関心しているレベルです)図書館からCDを借りてきて聞いていますが、とっても気持ちがいいですね。フランス語でFlammeがイタリア語ではFiammeなのですね。イタリア語で歌っているので解かりませんが、フランス語の解説がありました、でもREIKOさんの解説の方が感情移入してもっと興味がわきます。
2010年03月27日 13:26
Mevさん、kohさん、

ヘンデルは、中年になって「メタボ」になった(笑)二重アゴの肖像画が有名ですけど、イタリア時代はまだ20代前半で、結構いい男ですよね♪
それに、恋愛には「神秘的」な要素も必要だから、外国人ってのがプラスに作用することも考えられます。
今ほど人の移動が自由な時代ではなかったし。
差別されることもあったかもしれませんが。
まあでも、フツーの人間でも20代前半って色々こういうことがありますから。(^ ^;)
2010年03月27日 13:38
kaishaさん、

ヘンデルを聴いていただき、ありがとうございます♪

>ヘンデルはハンデルって書くのだ!

Handelは「英語表記」で、英語の発音は「ハンデル」なのです。
(イギリス人はそう発音しています)
しかし日本では(ドイツ発音の)「ヘンデル」で定着してるので、カナカナでは「ヘンデル」と書いています。
しかし、ドイツ語綴りは「a」にウムラウトの記号が付くので、「日本語+英語」のパソコンでは、検索などで使いにくいんですよね。
ブログでも、本文中ではウムラウト付き表示ができますが、コメント欄では(ここのWebryブログだと)できないようです。
・・・ということで、アルファベットの綴りとカタカナが一致してない現象が起きています。(^ ^;)
ちなみにフランス語では「Haendel」、またヘンデルはイタリア時代には自分のサインに「Hendel」(←イタリア式)と綴っていました。
つまりヘンデルって、すごく色々な綴りがあるんですよ。
面白いですね~♪

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