スミス構成版♪オラトリオ「トビト」

父共々2代に渡ってヘンデルに仕えた、ジョン・クリストファー・スミス(子)の構成によるオラトリオ「トビト」(Tobit)、聴いてみました♪



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トビト・・・? 聞いたことない名前ですよね。
題材は、ヘンデルの「ユダス・マカベウス」同様、旧約聖書の外典から採られています。
台本は「ユダス~」「テオドーラ」などで生前のヘンデルともコラボした、トーマス・モーレル(1703~84)によるもので、ヘンデル作品の手稿譜を引き継いだスミス同様、ゆかりの人達による作品・・・と考えれば、寄せ集めと言えども、安直にゲテモノ扱いもできませんね。(笑)

まず、オペラ「タメルラーノ」の序曲で開始♪
その後、アリアや合唱曲も、ヘンデルのオペラやオラトリオから、物語の展開に合ったものを選んで並べ、必要な(伴奏付き)レチタティーヴォは、スミスが作曲しています。

私はこのCDを聴くに当たって、「どこからどんな曲が選ばれてるのか?」に一番興味がありました。
「エステル」「アタリア」「テオドーラ」など、オラトリオからが多く、期待していたオペラからは、意外と少なかったですね。
この「トビト」自体は英語作品なので、オペラ・アリアの場合は、イタリア語の歌詞を英語に直す必要があるわけです。
まあそれだけ「手間」ってこともあるんでしょうが、聴く方としてはむしろそれが面白いので・・・。

例えばオペラ「ロデリンダ」の、夫を前に苦難の全てを乗り越えた喜びを歌う「Mio caro bene」が、息子が無事戻ってきたのを喜ぶ「My son, how happy」になっています。
「ミオ・カーロ・ベーネ、カーロ♪カーロ♪」が、「マイ・サーン、ハウ・ハッピー♪ハッピ♪ハッピ♪」・・・って、超ウケました。(^ ^;)

イタリア語 ⇒ スペイン語ってのは簡単で、イタリアのポップスではアルバム1枚、丸ごとスペイン語にするのも普通なんですが、英語はそれほど単純じゃないと思うんですよ。
でも上手くやってますね♪
さらに元々英語の曲でも、一部歌詞を差し替えてるのもありました。
「快活の人、沈思の人、中庸の人」の、人気二重唱「As steals the morn upon the night」は「To Steal a Grave ev'n for a Friend」に。
聴き慣れた曲が、違う言葉で歌われるのって、ちょっと新鮮です。

アリアと合唱の配置バランスも良く、時に挿入されるシンフォニアや伴奏付きレチタティーヴォなど、単調にならないような工夫もされています。
ただ演奏は、だいぶユルいですね・・・何か他の事をしながら適当に聴き流すなら、これでもいいですが、ちゃんと作品と対峙しようと思うと、メリハリ不足で集中できません。
歌手がどうとかって以前の、もっと全体的な統率力の問題。

こういう演奏をされると、オラトリオって「長いな・・・」と感じてしまいます。
思わずミンコフスキを呼びたくなりました。(笑)
スミスが書いてるレチタティーヴォ部分、平面的でイマイチつまらないんですが、これもスミスが悪いのか演奏のせいなのか、判然としないし。

ナクソスなどの激安レーベルは、この種の大編成・大曲になると、ゼニカネがモノを言うのか、やはり弱い感は否めないようです。
「トビト」の他に、「ナバル」「ギデオン」という同種のヘンデル継ぎはぎ作品もあるスミス、彼の名誉のためにも、もうちょいビシバシと演奏キメて欲しかったですね。

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