セレナータ「アーチ、ガラテアとポリフェーモ」

ヘンデルイタリア時代のセレナータ、「アーチ、ガラテアとポリフェーモ」(Aci, Galatea e Polifemo)を聴いてみました。
激安!Brilliantの2枚組です。

Handel: Aci, Galatea e Polifemo
Brilliant Classics
2008-05-13


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セレナータとは、物語風の内容を持った、やや規模の大きいカンタータのことです。
歌手が役柄を想定した衣装を着たり、絵を描いた背景幕を使うことはありますが、オペラのような演技はしません。
貴族の私邸などの小規模な集まりで、祝賀の際の余興などとして、しばしば夜・屋外で演奏されます。
オペラよりは短く、この作品も85分ほど、惜しくも?CD1枚に収まらなかったんですね。
レコード2枚ってところでしょうか、聴きやすい長さです。

物語は、次のようなシチリアの伝説に拠っています。

羊飼いの青年アーチと、海のニンフ・ガラテアは愛し合っていたが、醜い1つ目巨人族のポリフェーモも、ガラテアに恋をする。
ポリフェーモは嫉妬のあまり、アーチを石で殴り殺してしまう。
しかし、ガラテアが嘆き悲しむのを可哀相に思った神は、アーチの血を美しい川の流れに変えて、永遠にガラテアが彼をいとおしむ事ができるようにした。


シチリアには、このアーチの血が流れているとされる川があり、その地域にはアーチレアーレ、アーチカステッロなどという村が実在するそうです。

さて、ヴィターレ指揮のコントラスト・アルモニコは、ゆったり&ふっくらした、大変耳あたりの良い演奏。
牧歌的な曲調が美しい冒頭の二重唱で、一気に愛の物語に引き込まれます。
若手古楽集団・・・と聞くと、つい「過激演奏か?」と思いますが、ほんとに古楽器なんかいな?と思うくらい。(笑)
後に「リナルド」に転用されたアリアなどもあって、全体にとても親しみやすい雰囲気です。

女性歌手2人は、声の区別がはっきり付くので、聴いていて飽きません。
ただこの作品、アーチがソプラノ、ガラテアがメゾなんですが、逆みたいな感じがするのは私だけ?
少年アーチが、おばさんガラテアに恋した・・・?ように聴こえてしまいます。
悪役ポリフェーモはバスで、とても良く通る低音ですが、ところどころ声がナマっぽかったり、表現が棒になってるのが惜しいかも。
1つ目の怪物を象徴するような、異様に音域が広いアリア「Fra l'ombre e gl'orrori」を、こちらのダルカンジェロ盤と比べると、ダルカンジェロの方が3枚くらい上手ですね。

この作品は結婚祝賀用で、最後には死んだはずのアーチや、悪役ポリフェーモも、ガラテアと一緒に愛を称える三重唱を歌い、ハッピーに終わります。
この辺が、演技をつけないセレナータの、便利なところかもしれません。
1708年の7月、ナポリで初演されましたが・・・こんな曲を実際に現地で、黄昏の海を見下ろす小高い丘の庭園で、美味しいワインとピザをお供に聴いたら、

もうアタシ、このまま死んでもいい・・・♪

って思うほど幸せかもしれないです。 (^ ^;)

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この記事へのコメント

2009年10月15日 12:02
確かに、耳当たりのよいCDですよね!
結構気持ちよく聴いてしまいます・・安いですし
演奏は確かにゆったりしているのですがでもダレてはいないと思っております!
ただ、この曲ではこの演奏は有りかなと思ったのですが、他のCDをチラッと試聴した感じ、そちらはちょっと食指が動きませんでした。

そうそう!男性がソプラノで女性がメゾ何ですよね。
女性をカウンタテノールが歌ったら・・もう何が何だかワカリマセンっ!
2009年10月15日 18:38
アルチーナさん、
>結構気持ちよく聴いてしまいます

私もほんとにそうです。
何というか、「まったり」ですよね~♪(笑)
このアンサンブルが、イタリアン・カンタータの全集をやるわけですが、どういう展開になるのか、期待半分・不安半分です。

>男性がソプラノで女性がメゾ何ですよね

何か理由があるのかもしれませんが・・・?
使える歌手の都合とか、そういうことでしょうか。
でも初演の時には、もうヘンデルはナポリにいなかったそうです。
2009年10月15日 18:43
ブリリアントの20%オフ・バーゲンなんてのが、このところ利用しているイギリスのCD通販ショップであったばかり。丁度NaiveとHMのバーゲンも同時にあったので、そちらに力を注いでしまいました。アルチーナさんもREIKOさんもお勧めだから、通常価格でもどうってこと値段だから、買ってみようかと思います。同アンサンブルによる、ヘンデル「復活」も。

しかし、美味しいワインとピザ、と言う組み合わせが妙に庶民的、と思いましたが、ロケーションのナポリの名物にこだわったわけですね。アマルフィ海岸の海を見下ろすヴィラの庭なんかで聴いたら最高でしょうね。
2009年10月15日 21:22
レイネさん、
>ブリリアントの20%オフ・バーゲン

うわあ!?元々激安なのに、さらに20%も引いたらかわいそう!
(何て言いながら、私も「輸入盤3点で30%OFF」で買ってますが・・・笑)

>ヘンデル「復活」も

まだ「復活」は持ってないので、ヴィターレ盤にするか、アイム盤にするか、迷ってます。
安さなら当然ヴィターレ盤ですが、ここばっかり聴いてるのもなあ・・・と思ったり。

>ワインとピザ、と言う組み合わせが妙に庶民的

フツーの食べ物の方が好きだし、ナイフやフォークが上手く使えない私なので、手づかみで気楽なピザをチョイスしました。(笑)
アマルフィ海岸と言えば、そこの名物レモンを使ったリキュール、リモンチェッロが大好物です♪
2009年10月16日 16:52
>シチリアには、アーチレアーレ、アーチカステッロなどという村が実在
面白いですね。
イタリアには州と県という自治体単位があるそうですが、シチリア島の何県に当たるんでしょうか?

世界遺産に登録されたアマルフィは、私がいつも使っている地図帳には載っていませんでした…。
NHKの番組でアマルフィの街歩きが紹介されたとき、かつては製紙業で栄えていた歴史があったのに驚きました。
koh
2009年10月17日 15:19

>使える歌手の都合とか、そういうことでしょうか。

きっとナポリには優秀なソプラノカストラートがいたのですよ。ヘンデルはその歌手を想定して、アーチ役をソプラノで書いたのではないでしょうか。
若い女性であるガラテア役は普通ならソプラノですが、ソプラノ+ソプラノではあまりにもキンキンしすぎるので、これはメゾにした、と。

>でも初演の時には、もうヘンデルはナポリにいなかったそうです。

ヘンデルは当然初演に立ち会うつもりだったのです。しかし、ローマのルスポリ侯爵から「ナポリくんだりでいつまでもチャラチャラと遊んでいるんじゃないよ、すぐ帰ってこい。」などとお呼びがかかって、初演前に立ち去らざるをえなかったのでした。

以上、まったく根拠のない、勝手な想像です。
2009年10月17日 22:28
ことねっちさん、
>シチリア島の何県に当たるんでしょうか

そこまではちょっとわかりません。
(この情報は、CDの解説にあったものです)
原綴りは、Acireale、 Acicastello、他に Aci Catena、 Aci Trezza です。
この中ではAcirealeが一番大きな?町のようで、イタリア語の辞書にも固有名詞として載っていました。
またこの一帯は、海岸の近くのようです。
詳細なイタリアの地図や、ネットを駆使すれば、見つけられるのでは?と思います。
2009年10月17日 22:34
kohさん、
>きっとナポリには優秀なソプラノカストラートがいたのですよ

「セレナータ」つながりで、アレッサンドロ・スカルラッティの「愛の園」という作品を、久しぶりにひっぱり出して聴いていたら(この作品も、男性役がソプラノ、女性役がメゾなんですが)、「ソプラノパートはソプラノカストラート用に書かれた」と解説にありました!
・・・なので、このヘンデル作品も、kohさんのおっしゃるとおりかもしれません。

>「ナポリくんだりでいつまでもチャラチャラと遊んでいるんじゃないよ、すぐ帰ってこい。」
これも実際そうだったのかも、ですね。
たぶんヘンデルがナポリに行ったのも、ルスポリ侯から「暇をもらって」だったと思うので。
2011年02月04日 16:17
 こんにちは。
 今後、何回かにわたり、ヘンデル関連&バッハの世俗カンタータの記事のアップを予定しておりますが、その際こちらのところどころにリンクさせていただきますのでおことわりしておきます。
 またREIKOさんにならって、(というか完全にパクッて)バッハの世俗カンタータの相関図を描くかもしれませんが、お許しのほどを。
 以上、ご連絡コメントです。
2011年02月04日 21:22
Noraさん、

どうもご丁寧にありがとうございます!
記事と相関図、楽しみにしていますね~♪
(^ ^)

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