ピオーのヘンデル・アリア集「天と地の間に」

サンドリーヌ・ピオーのヘンデル・アリア集「天と地の間に」を聴いてみました。
ピオーは以前、ルセ指揮のレ・タラン・リリクと共に、ヘンデルのオペラ・アリア集を出していますが、今回はモンタナーリ指揮のアカデミア・ビザンティナとの共演で、宗教曲のアリアが中心です。


Between Heaven & Earth
Naive
2009-09-29


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冒頭、トランペットが華麗に鳴り響く元気な前奏と、ピオの豪快な歌いっぷりにまず驚きます。
ヘンデル若き日のイタリア語オラトリオ「復活」から天使のアリアですが、このCDは最後にもイタリア語の「時と悟りの勝利」のアリアが置かれています。
普通ヘンデルのオラトリオと言えば英語なんですが、両端にイタリア語の曲を配して、サンドイッチみたいにしてるわけです。
私は英語とイタリア語を混ぜたヘンデル・アリア集があまり好きじゃないんですけど、こういう構成だと何かセンスを感じますね。

選曲は、純粋なオラトリオや宗教曲に限らず、「聖セシリアの祝日のためのオード(頌歌)」や、分類ビミョー作品「陽気の人、ふさぎの人、中庸の人」からも採られています。
こちらのダルカンジェロのバス・アリア集同様、あちこち探し回ってバラエイティ豊かな曲を集めた苦労がしのばれます。
オペラ・アリア集だと、ソプラノは普通に主役用の曲で構成すれば、そこそこ面白いCDができますが、宗教曲中心だとそうでもないので、これは上手くやったな・・・という感じですね。

トランペット、オーボエ、トラヴェルソなど管楽器が活躍する曲も多く、ピオーの輝かしいソプラノの声と共に、器楽の妙技を聴く楽しみも十分♪
チェロの旋律が美しい曲もあるし、指揮のモンタナーリも最後の曲で、しっとりとしたヴァイオリンのオブリガートを披露しています。
緩急に変化をつけた曲の配列など構成も上手く、今まで聴いたピオーのCDでは、一番楽しめたような気がします。
聴く前は「英語曲の録音は初めてでは」「宗教曲だと地味かも」とか、ちょっと心配だったんですけど。

で、今回このCDを面白くしているのは、アカデミア・ビザンティナの元気ハツラツ演奏に拠るところも大きいと思います。
フレーズの初めで、皆が一斉に鼻からガッ!と息を吸う音が、何度も聴こえるくらい。(笑)
ただ、インターバル的に入っている器楽曲、例えば「シェバの女王の入城」では、演奏が攻撃的過ぎて、まるで「シェバの女王の出陣」みたいになってますが・・・。
でも、ノリが悪くてメリハリのない演奏より、ずっといいですね。
スローな曲でも、程よい緊張感があって、ダレることがありません。

ピオーも彼らのパワーに押されて「あら私としたことが、ついハメをはずして歌いまくってしまいましたわ、オホホホ♪」だったのではないでしょうか。
元々歌唱技術には定評のあったピオーですが、何かイマイチぶち切れたところがなく、大人しく枠に収まっていた感があって、歯がゆく思っていましたけど、このCDでは十分満足しました。

・・・・で、最後に1つだけジャケ写真にケチをつけると(笑)、ライトを下から当ててるために、ダンゴ鼻に見える上、ちょっとオバケみたいです。
下ライトはそれなりに意図があるんでしょうが、もう少し綺麗に撮ってあげられないかな?と思います。
(全体の雰囲気は、とてもいい写真なんですけどね)
以前もピオーのCDで、ピンボケ写真みたいのがジャケになっていて・・・ひょっとして「フツーに撮られるのがイヤな人」なんでしょうか、ピオーって???

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この記事へのコメント

2009年10月07日 11:24
 こんにちは。
 今年も残り3ヶ月をきってしまいましたね。(とプレッシャーをかける)
 だけど、わたしのよく行くCDショップのヘンデルの棚も、だいぶバッハの棚を侵食してきたような気が・・・・。

> 宗教曲中心だとそうでもないので、これは上手くやったな・・・という感じですね。

 なるほど、勉強になります。このタイプのCDは、よいものがあまり無かったわけですか。
 今後、オラトリオや宗教曲を聴いていくにあたって、まずこういうCDないかな、とずっと探していたので、このCD、わたしもリリースと同時に購入しました。
 けっこう聴き応えがあったので、(おっしゃるとおり、オケがいいですね)今週末に向けて記事を用意しようとしてたのですが、せっかくなのでリンクさせていただくだけですましてしまおうと思います。
 いつもありがとうございます。

 リアルのドイツ語アリア集はお聴きになりましたか?
 この曲集、あまりお好きではなかったでしたっけ?
2009年10月07日 15:58
ピオー、声もいいけど、体のプロポーションも抜群にいいんです。
2008年、モネとDNO共同プロの「ジュリオ・チェザーレ」でのクレオパトラ(ええ、ダニエルちゃんとダブルキャストでしたが、もちろんピオーをチョイス)、かなりステージに近い席で観ました。シースルーの衣装を着ていて、彼女の体の美しさが堪能できました。
フランス人らしくスリムで小柄、余分なお肉はないのにメリハリがあり、体は声をあらわす!と納得したものです。
化粧や舞台栄えがするシンプルな顔立ちですが、フォトジェニックではありませんね。でも、変にグラマラスにモデルっぽい写真は嫌、というかブスに写ってもいいから個性が出るように撮ってもらいたいというこだわりがあるんでしょう。
2009年10月07日 17:55
Noraさん、
ヘンデルの場合、オペラは作品数自体が多いし、どの作品でもメゾかソプラノ音域の「女声主役」がいるので、そのアリアから選んでいけば、曲には困らないと思います。
宗教曲だと、オペラほど「主役のアリアはたっぷりと」ではないし、技巧的にも控え気味に作曲されてるので、面白いCDにするには、ちょっと難しいかな?と感じます。
そもそも、「オペラ以外のアリアだけ」を集めたヘンデルのCDは、それほど多くないですね。
特にオラトリオの場合、合唱も大切な要素なので、アリアだけ抜き出しても・・・になるのではないでしょうか?

>リアルのドイツ語アリア集はお聴きになりましたか

ドイツアリア集は、まだ何も持ってないので、CD欲しいのですが、こういうのはやはりドイツ人歌手のがいいなあ・・・と思うんですよね。
リアル嬢は好きなんですが。
2009年10月07日 18:02
レイネさん、

>ダニエルちゃんとダブルキャストでしたが、もちろんピオーをチョイス
おお、これはなかなか「通」な選択ですね♪

>フランス人らしくスリムで小柄
なるほど、確かにそういうフランス人女性って、小粋で年を取ってもカワイイですよね。
すぐに賞味期限が切れる(笑)西洋人女性には、珍しいと言うか。

>ブスに写ってもいいから個性が出るように
そうか・・・「美人に撮って欲しい」というのは、単なるブスの願望なのかもしれませんね。(苦笑)
ピオーがずっと若い頃(ストレートのロングヘアだった)の、ブックレット内の白黒写真で、すごく美人に写ってるのがあって、それが大好きだったんです。
それに比べると、カラーのジャケ写真が変なのばっかりで、ガッカリしてたんですけどね・・・。
2009年10月07日 20:45
いつ聞いても、良い声してますねぇ。ピオーさん。惚れました(笑)
このレーベルの企画はいつも素晴らしいと思っています。
ジャケの写真は、ヴィヴァルディ・エディションでもそうですが、いかにも現代フランス芸術風なのか、日本人離れした(あたりまえだど)写真が多いですね。それまで風景画に慣れていた私としては、ちょっとカルチャーショックでした。
このピオーも写真も、そういったフランス風な目で見るとそれなりにセクシーですが、どうなのでしょうね。
Mev
2009年10月07日 22:35
私もクレオパトラを見ましたが、そのときはピオーのことを全然知りませんでした。(今も色々と無知ですが。。。)でも、圧倒的な歌唱力と見事なプロモーション、そして華のある演技。鮮烈な印象でした。スピノジ指揮のヴェルビエレ音楽祭での映像(http://www.medici.tv/#/festival/300/301/)を見ると、その姿はクレオパトラではなく侍女風なので少なからず驚いちゃいました。 でも、声はもちろん主役以外の何物でもない。ヘンデルのアリア集、お給料が入ったら買いますっ!
2009年10月09日 18:30
Hokurajinさん、

>ヴィヴァルディ・エディション
そうそう、私もあのシリーズのジャケ写真、全然古楽っぽくないのでビックリでした。
古楽なら古楽っぽいジャケにしてくれた方が、店頭で見つけやすいから便利なのに、と当初は感じましたが、今では慣れたので、逆に「あ、あのシリーズだ!」と気づきやすくなりましたけど。(笑)

このピオーの写真、やっぱ私的には「鼻」が気になりますね・・・良く見ると、手も結構ゴツいなぁとか。
好きな歌手なので、色々気になるんですよ。(^ ^;)
2009年10月09日 18:35
Mevさん、

>圧倒的な歌唱力と見事なプロモーション、そして華のある演技
うわあ、いいですね~!
ピオーの生クレオパトラを御覧になったとは!
やっぱりクレオパトラ役は、キャラがキャラだけに、変な女の人(どーゆー意味や?)じゃシラケちゃいますよね。
日本で出ている「セルセ」のDVDでも、彼女は抜群の演技力とプロポーションで熱演しています。

>お給料が入ったら買いますっ
ぜひッ♪\(^ ^*)
2009年10月10日 10:38
これは聴きたいですね!!
ピオーの歌もさることながら私は
「シェバの女王の出陣」!にも興味ありまする。
スローな曲でキチンと緊張感を保つと言うのもいいですね。
意外とその辺、難しいですよね?

バルトリのニューアルバムも、もう出てるし、フランコ様のテゼオも入手しなきゃならないし・・・お金がかかって困るけれどニヤケてしまいます。
2009年10月10日 17:39
アルチーナさん、
>「シェバの女王の出陣」
「出陣」⇒「突撃」と言い換えてもいいくらいですよ。(笑)
でもこの曲を、こんなにガシガシと演奏するのも、どうかとは思いますが。(^ ^;)
元気が余ってるんですかね、この楽団。

>お金がかかって困るけれどニヤケてしまいます
私も同様、今年はヘンデル中心に、随分散財してます・・・。

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