「オットーネ」登場人物と背景

ヘンデルのオペラ「オットーネ」(Ottone)、ヘンデルの没後250年を記念して、日本ヘンデル協会の公演が9月23日(秋分の日)都内で行われます。
その予習も兼ねて、数回にわたり「オットーネ」の話題を取り上げたいと思います。

主人公のオットーネとは、「大帝」として知られる神聖ローマ帝国皇帝オットー1世(在位962~973)の息子、オットー2世(在位973~983)のことです。
もっとも台本は、一部オットー1世時代の事件や脚色も交え、実際とはかなり違っています。
基本設定・人物を史実に借りただけで、物語はヘンデルオペラによくある、男女の恋愛模様&地位をめぐる策略などなど。
他愛のない誤解が元で苦しんだり、子供だましの陰謀がすぐにコケたり・・・と、かなりおそまつです。(笑)

皇帝が主人公の歴史物・・・と聞くと、つい構えてしまいますが、そんな格調高い話ではないので気楽に行きましょう。
以前も書きましたが、オペラ・セリアの台本は歌手を順番に登場させて、色々な感情のアリアを歌わせるための、方便にしか過ぎないので。

では例によって、ドット絵の登場人物相関図です。 ↓↓↓



6人出てきますが、グループ分けして考えると、分かりやすいと思います。
まずオットーネ(「ドイツ王」という呼称は変だと思うのですが、台本がそうなっています)は、東ローマ帝国皇帝の娘、テオファーネと結婚が決まっています。
このロイヤル・カップルが、いわゆるいい者ですね。
実はこの2人、まだお互いに面識がありません

一方悪者グループは、すでに亡き元イタリア領主べレンガリオの未亡人ジズモンダと、その息子アデルベルトです。
彼らはオットーネに奪われたイタリアの領地を、再び取り返そうと狙っています。
そのために、オットーネに化けたアデルベルトと(まだ本物のオットーネを知らない)テオファーネを結婚させ、王座を奪還する作戦を立てています。

残りの2人は、善悪と言う意味では、微妙な立場&役回りです。
まずオットーネのいとこマティルダは、オットーネ側の親族ですが、悪者側アデルベルトと婚約しています。
彼女はアデルベルト一味の策略に加担するというより、愛情ゆえに彼を助けたりする行動をとります。
海賊エミレーノは、当初オットーネを襲って失敗し、牢にぶち込まれますが、後に(行方不明になっていた)テオファーネの弟バジリオだとわかり、一連のゴタゴタの終結につながります。

さてオペラは、ローマでオットーネとテオファーネが初めて会うことになっている・・・という設定から始まります。
ところがオットーネは船でローマに向かう途中、海賊エミレーノに襲われ戦うハメになり、到着が遅れます。
ローマで待っているテオファーネの所に、オットーネに化けたアデルベルトがやってきて・・・?

あらすじの紹介は、次回に続きます。

ヘンデルWeb祭り参加中

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

koh
2009年08月06日 15:31
ジズモンダとアーデルベルトは「悪者」という区分けになっています。まあ、どちらかといえば悪い方なんでしょうが、あまり憎めませんね。「アリオダンテ」に出てくるアルバニー公ポリネッソは本当の悪人で憎たらしいですが。
2009年08月07日 01:40
「オットーネ」の登場人物っぽい地名を早速探してみると、オペラ『ファラモンド』のネタをブログ記事にしたとき以上に苦戦しました。
オットーネはオーストラリアのオットウェー岬や埼玉県や前橋市にある大利根町に似てる?
エミレーノはチャド北部のエミクーシ山や千葉県鴨川市江見…は強引か?
他の登場人物は難しいようです。

それにしてもジズモンダって、オペラ『ファラモンド』に登場するロジモンダと名前が似通ってますね。
2009年08月07日 20:14
kohさん、
>あまり憎めませんね

この母子の陰謀、すぐにコケてしまいますからね。(笑)
アデルベルトは、悪い方・・・とは言ってもバスではなく、高声だし。
ジズモンダも、母親としての感情が見せ所(聴き所?)だと思います。

ことねっちさん、
>苦戦しました

オットーネは「この人がほんとに私の夫ーね?」とかのダジャレにするのが、向いてると思います。(爆)

>ロジモンダと名前が似通ってますね

イタリア語の名前って、そんなにバリエーションがないようなので、皆似てくるんだと思います。
ヘンデル大好き
2017年07月13日 01:38
オットーネの新譜のペトルー指揮、ツェンチッチのタイトルロール盤を入手しました。私は歌手で猟盤してしまう邪道のヘンデル愛好者なのですが、今回はメゾのハレンベリのジズモンダ役に魅かれてが不純ながらの動機です。この役は他の母親役である美人コルネリアのラメント、権謀術数とコケットのアグリッピーナ、無常感いっぱいのニクトリス・・・の屈託と屈折とは違いますね。ストレートな親ばか(失礼!)な分かりやすい今回の母親像ですね。ただ、記事でもおっしゃているように、筋書きは歌唱のためにあってで、ハレンベリの技巧と魅力は全開していると感じたのはファン心理でしょうか?三人の女性の歌唱充実のオペラで、ヘンデルとクッツォーニの確執とかエピソードもおかげさまで、理解のうちに聴けたのもこの記事のおかげです。ツェンチッチ、サバータの二人のCTの起用も役どころにあっていますね。当ブログに感謝申し上げます。
2017年07月14日 00:35
ヘンデル大好きさん、記事の御利用&コメントありがとうございます!

オットーネの新盤、良いですか!?
私も欲しくなってしまいました。持っているのはCTのボウマンがオットーネを歌っている随分古い録音で、可もなく不可もなしという感じなので。
最近はCTのレベルも上がったし、女性歌手もただキレイな声でお上品に歌ってるだけじゃない、一癖もふた癖もある?人達が増えてますね。
「歌手でお客を読んでいた」当時のオペラですから、やはり現代においても魅力的な歌手を得れば、ますますヘンデルの作品が輝くものと思います。

この記事へのトラックバック