「リナルド」~聴きどころ♪

人間ドラマとしてはB級の「リナルド」(Rinaldo)の台本ですが、音楽はイタリア修行時代の成果を存分に盛り込んだ、その時点でのヘンデルの総決算とも言うべき内容になっています。
ストーリーの流れに沿って、聴きどころをあげてみました。

あらすじはこちらで紹介しています

<第一幕>
十字軍側の人物が一通り登場した後で、悪役アルガンテ最初のアリア「Sibillar gli angui d'Aletto」が、トランペットとティンパニを伴った派手な楽曲で、耳をひきます。
同様に、火を噴くドラゴンを連れて空から登場!の魔女アルミーダも「Furie terribili」や続く伴奏付きレチタティーヴォで、いかにも魔女らしいハッタリをかまして、存在感抜群です。
(善良な人物より個性的な悪役の方が、音楽を付けやすいのかもしれませんね)

タイトル役リナルドを慕って、お嬢さん役アルミレーナが歌う「Augelletti che cantate」は、鳥を模した3本のリコーダー(うち1本はソプラニーノ)の伴奏が夢見るように美しい、バロックによくある鳥ものアリア♪
アルミレーナをさらわれたリナルドが歌う「Cara sposa」は、愛する人を失った悲しみと、悪への復讐を誓う長大なアリアで、幕切れの技巧的な「Venti, turbini」と共に、カウンターテナーのヘンデル・アリア集の定番曲です。

<第二幕>
まず、アルミレーナを助けに行くリナルド一行の前に姿を現した、2人の海の妖精が歌う「Il vostro maggio」が、完全な脇役曲とはいえ、エキゾチックな雰囲気の佳曲です。
このシーン、私はどうしても(怪獣の)「モスラ」シリーズで、モスラに仕える2人の巫女(当初、双子のデュオ、ザ・ピーナッツが演じていた)が歌う「モスラの歌」を思い出してしまいます。

曲が似ている、というのではなくて・・・
★ 主人公側にとって、敵か見方か判然としない、2人の妖しい?(しかも人間ではない)美女によって歌われる
★ 作品の他の音楽とは、明らかに雰囲気・曲調が違う
★ 短い曲なのに、妙に印象に残る(ので、つい一緒に歌ってしまう)

・・・という点で、全く同じだからです。(笑)
まさか、モスラのスタッフが「リナルド」を知っていた、とは思いませんが・・・どうなんでしょうか?

さて、捕われのアルミレーナは、自分を監視しているアルガンテにしつこく言い寄られ、我が身の不幸を嘆いています。
ここで歌うのが、有名な「Lascia ch'io pianga」(私を泣かせてください)です。
一方リナルドに一目惚れしたが、冷たく拒まれたアルミーダが歌う「Ah! crudel」は、せつない女心を歌い上げて、この幕のドラマ的山場を作っています。
幕切れ、アルガンテと喧嘩したアルミーダが、怒り心頭に達して歌う「Vo' far guerra」では、当時ヘンデルが即興で演奏した、長大なチェンバロのソロが聴きものです。

<第三幕>
アルミーダの魔宮から助け出され、リナルドと再会したアルミレーナが歌う「Bel piacere」は、イタリア時代の人気作「アグリッピーナ」からの転用です。
8分の3拍子と4分の2拍子が交替する変拍子が特徴的で、短いアリアながら印象に残ります。
決戦を前にリナルドは、「Or la tromba in suon festante」で勝利を誓います。
第一幕でのアルガンテ登場のアリアと同じく、ここでもトランペットとティンパニが、景気良く音楽を盛り上げます。

十字軍とアルガンテ軍の戦闘シーンには、ちゃんと「Battaglia」(←「バッタリア」と読みます・・・「戦い」の意)という器楽曲も用意されていますよ。
「スーパー歌舞伎」なら、ここで中国雑技団による派手な立ち回りが・・・の場面でしょうが、CDだと頭の中で舞台を想像するしかないのが残念です。

この「リナルド」、ヘンデル円熟期のオペラに比べると、若干曲調や和声にひねり&深みが足りない気もしますが、こうして聴きどころを上げてみると、なかなかバラエティに富んでいて面白いですね。
↑書いていて気づきました・・・(^ ^;)

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この記事へのコメント

2009年07月09日 22:19
こんばんは。
リナルド、こちらの記事で、ぜひ観たいオペラになりました。
それに、実は歌いたいなとも・・・。私の拙い歌にコメントありがとうございました。次の次にリナルド、いいかなと考えている所です。
魔法オペラというのが、気を引きます。

2009年07月10日 02:32
沙羅さん、
>実は歌いたいなとも

いいですね~♪(^-^)
「私を泣かせてください」・・・はありきたりなので(笑)、「Bel Piacere」なんか面白いかもしれません。
変拍子に上手くノレたら、歌ってて楽しいと思います。

>魔法オペラというのが、気を引きます

そういう演出で、日本でも見れるといいのですが、これがなかなか・・・なので、残念ですね。

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