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zoom RSS ついに出た!「階名唱 77のウォームアップ集」

<<   作成日時 : 2017/06/09 21:20   >>

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階名唱(いわゆる「移動ド」唱)の基礎練習に特化した教本が出ました。
著者は「固定ド」音感者のための「移動ド」習得・ソルフェージュ講座の大島俊樹さんです。
購入方法などはこちらを御覧ください。(自費出版です)
さっそく歌ってみましたので、感想とあわせて紹介しますね。

階名学習用に作られているため、通常のソルフェージュ課題集とは異なる特徴がたくさんあります。

1.音符のタマの中、または五線の下に階名が書いてある!
2.最初から色々な調が順不同でバンバン出てくる!
3.長調と短調が平等に出てくる!
4.階名や音程に集中できるよう、リズムは超簡単にしてある
5.まず分散和音的な練習から入る
6.旋律が音の性格を踏まえた動きで作られている
7.自分で作曲したくなってくる
8(オマケ).ハニホ音名が笑える


各項目をもう少し具体的に説明すると ────
1.ドレミ…は d, r, m, f, s, l, t(ソルフェージュでは「シ」を「ティ」とすることが多いため) の略号で、まだ五線譜から階名読みすることに慣れていない人でもすぐに練習できます。
それじゃ勉強にならないって?
そんなことはありません、まず階名で歌ってみることが大事なのです。
やっているうちに、階名の組み合わせと音程の関係、それぞれの階名が持つ性格、音が動くパターンなどが体に浸透してきます。
五線から自力で階名を読み取るのは、「浸透後」で構いません…というか、それができていないうちに無理やり階名読みしようとするから難しくなってしまうんですね。
少し慣れてきたらドリルを五線譜に書き写し、略号なしでも歌えるかどうか確かめるなど、力試しの方法はいくらでもあります。
まずは階名を歌詞だと思って歌ってみてください。

2.階名唱は調号の数による難易度の違いが全く生じません。
例えばドリル5番(調号♭1つ)と8番(♭5)つはどちらも「ド・ミ・ドー」始まりですが、絶対音感病に罹患していないごく一般の相対音感の人なら、片方が歌えればもう一方も全く同じことなのです。
ハ長調、あるいは「調号の少ない調の方が簡単」というのは、音名一辺倒の音楽教育がまねいた誤解でしかありません。
また、調により演奏に難易度の違いが生じる多くの楽器と違い、人間の声はそれに全く影響されない便利な楽器であることも分かると思います。
しかも声はいつでも自分の体と共にあり、タダ(笑)で自由に使えて減ることもなく、メンテもほとんど必要なしですね。
だから、まず声で音楽の勉強をするのが理にかなっているのです!

3.長調優先で短調がそのオマケ的な音楽教材が多い中、最初から双方平等に扱うことで、短調に対する苦手意識がつかないようになっています。
また、長調と短調の違いを感じることも大切です。
歌っているうちに、同じ「ミ」でも長調と短調ではイメージが違うなあ…などと気がつくようになったら、いい線行っていますよ!

4.これは嬉しいですね、リズムの勉強はまた別の話。

5.この教本では音階内の階名を「安定音」と「緊張音」に分け、前者を色々なパターンで組み合わせた短いドリルがまず最初に並んでいます。
「ド・ミ・ソ」「ラ・ド・ミ」のみの分散和音的な動きは、広い音程を含むため、慣れないと戸惑うかもしれません。
私が最初歌った時は、6番の「ド↓ミ↑ドー」に「えっ?」となり、何とか低い「ミ」は取れたものの、続く「ラ↓ド↑ラー」で「ド」が出ませんでした…普通の歌にはこのような動きが滅多になく、難しかったんですね。
分散和音系ドリルは「安定音はいつでも取れるように」という著者の方針によるものですから、練習しましょう。
楽器で補助する時は「ド↓ミ↑ドー」と鳴らしそれを覚えたら、「ドだけ」を鳴らして自力で「ミ」を取る練習が良いと思います。
(短調系の場合は「ラ」だけを鳴らして、他の音を取る練習)

6.教本の最初に、各階名の性格や進行パターンに関する説明があります。
それを踏まえてドリルを歌うと、理屈だけでなく体でも階名それぞれの個性が分かってくるでしょう。
えっ、階名に性格がある!!?…と思ったそこのアナタ(笑)、あるんですよもうこれはメッチャあるんです!!
野球やサッカーを思い出してください、様々な個性や役割を持った選手の連携が上手く行った時に、バーン!と点が入るでしょ?
これと同様に、例えば長音階なら「ド」を主将として「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」の7人でチームを作っているのです。
この7人はみな性格が違い、調性音楽というのはそれを踏まえて作られているのですから!

7.これは6と関係します。
ドリルの最後の方はだいぶ「曲っぽく」なっていますが、それでも「微妙にぎこちない」「そんなに良いメロディーとも思えない」と感じる人がいると思います。
これは著者も「図式的」と書いている通り、ドリルの旋律が基本的な音の動きに沿っているだけで、遊びや意外性に欠けるためです。
実際の音楽は、歌い(演奏し)やすさを考え「安定音」の間に適宜つなぎの音を入れたり、印象づけるために少々変則的な動きが入っているものです。
名曲と言われるものは、そのへんのサジ加減が絶妙なんですね。
ドリルを歌っているうちに「もう少しマシ?な曲が作れそうな気」がしてきたら、ぜひ挑戦してみてください。
もちろんその際は、手がかりとして階名を大いに役立てましょう。

8.階名と音名が違うことをはっきり示すために付してあるハニホ音名が、「ヘトヘト」や「ホニハニ」で面白いです。
この「ハニホ…」を「ドレミ…」に置き換えると、いわゆる「固定ド」唱になりますが、いずれにせよ音名は音の高さを示すだけの名前であり、何ら音楽的文脈を表していないため、これで歌ったところで何も得られません。
「ハニホ」の場合は時間の無駄で済んでも、「(固定ドの)ドレミ」は階名学習の妨害にしかならないことに気づいてください。

同じドレミなら、音楽的に意味のあるドレミ(階名)で歌いましょう!
それがあなたの音楽人生を楽しく豊かにします♪

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内 容 ニックネーム/日時
 このたびは紹介文をありがとうございます。
 教本がREIKOさんにとっても、色々な場面で(実技用にはもちろん音楽的発想への何らかのインスピレーション源などとしても)一助となれば幸いです。

 自分はもともと絶対音感持ちで後から「階名音感」を身に付けたので、私よりも純度の高い(?)階名音感をお持ちのREIKOさんの感想は、大変参考になります。
 以下、REIKOさんが整理してくれた1〜7のうち、特に印象的だった点などを中心にいくつか選んでコメント・補足などをします。

1…
 なぜか階名唱実践者や彼らの指導者の中にも「五線譜で歌えなければ本物じゃない」のようなイメージを持っていて、それ以前の「まずは階名で歌ってみる」という段階を飛ばしてしまう人もいるような気がします。しかしやはり、急に難しいことをするのではなく、しっかり段階を踏んで学習していくことが大事ですよね!
(そうでなければ、階名唱=ハードルが高いという誤解にも結び付いてしまうので)

2…
 特に楽器から音楽を始めた学習者には「調号が多い=難しい」というイメージを持っている人が多いかと思います。しかし、今回のような教本で歌うことで「何だ、調号の数と難易度は関係ないじゃないか……自分は今まで騙されていた!」のような発見をしてくれる学習者が増えることを願っています。

4…
 市販の教材では、多くが音大受験を前提にしているせいか、リズムの点で初心者に難しすぎるものが多いことも気になっていました。
 実際になるべく音高に集中できるよう心がけて作曲したので、この点もあらためて指摘してくれて嬉しかったです。
大島俊樹
URL
2017/06/21 15:51
5…
 確かに、主三和音構成音のうちの根音→第三音という進行は3度上行だと簡単ですが、展開形の6度下行になると難易度が上がりますよね。音感とは別に「ノドがついていくか」という問題も起こりますが。
 お勧めの練習方法もありがとうございます。主音を軸に他の音を取る、はたしかに基本ですよね。

6…
 自分でこのような「説明文」を書いてみると、なぜ市販のソルフェージュ教材(課題曲ばかり並んでいて、解説がほとんど付いていないものも多い)にこのような重要なトピックについて説明がないのか不思議な気もしてきます。理論の細部は異なるかもしれないとしても、「音の性格」や「音の役割」というトピック自体は重要だと思いますが。
 やはり今の日本の市販教材には、そもそも音名唱的発想で作られていて、その結果階名式のソルフェージュには使いにくくなっているものが多いように思えます。この状況についても今後改善が必要ですよね。

7…
 今回の教本ではページ数に制約があったので、その中で何ができるかを考えたところ、最後を「さらに先のことについては生徒に考えさせる」というやり方で終わらせることを思いつきました。
 というより、作曲のような「能動的に音楽する力」を育てられるというのは、そもそも階名の力そのものですよね。それについては、私は下記の記事にも書きましたが。
http://blog.livedoor.jp/fixeda_moveddo/archives/1066262403.html
 REIKOさんも私も以前ブログ記事に書いた通り、階名音感を身に付けると作曲が「ものすごく容易!」になるということについて、学習者たちが気づいてくれると良いですね。

 では、あたためてありがとうございました。
 販売を引き続き頑張ります!
大島俊樹
URL
2017/06/21 15:56
失礼しました。訂正があります。最後から2行目は、

「あたためてありがとうございました」
  ↓
「あらためてありがとうございました」

です。
大島俊樹
URL
2017/06/21 16:01
大島俊樹さん、コメントありがとうございます。

このような階名学習に特化した視唱課題集は私も初めてで、とても興味深く歌わせていただきました。理論のページも大変参考になりました。
実際の歌に親しんでいるうちに階名音感がついたと思われる自分には、ドリル1〜20のような分散和音が連続する動きは、結構難しかったですね。広い音程が連続するだけでなく、最初は長三和音から短三度和音への頭の切り替えにもとまどいました。ドリルのパターンが分かってくると、しだいに慣れましたが。
それと、狭い音程でも「下がる」のは「上がる」より難しい気がします。

自分自身、数年前に「やってみたら楽譜から階名で簡単に音取れちゃった!」だったのは、五線譜で階名唱する以前に、色々な旋律を階名で認識していたからだと思います。
「階名巧者は作曲できる」とも関連しますが、楽譜を階名読みする際には、タマの動きだけでなく色々な音楽知識を総動員してるんですよね。その中に「こう来たら次はこうだよな」「ここで上に大きく跳躍するならもうこの音程しかないのでは?」のような(音感ならぬ)「音勘」があります。
色々な歌を階名で歌っていくうちにこのような「勘」が身につくので、そうなってから五線譜を見れば、意外ととラクに読めてしまうものではないでしょうか?
(「固定ド」読みの刷り込みが強くない人であれば…という条件付きかもしれませんが)

電子ピアノの「クワイア」という残響多めの合唱系サウンドを使い、それをドやラとして鳴らしながら分散和音のドリルをやって、長三度や五度でハモるポイントを探すと楽しかったです。短三度を純正に取るのが難しい(合ってるかどうか分かりにくい)ので、これは音律を短調純正律にすれば、一人でも練習できるかもしれません。

このウォームアップ集で、たくさんの方が階名好きになることを祈ります。
REIKO
2017/06/21 20:45

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