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zoom RSS 変則開始の不思議な旋律〜中田喜直「朝のさんぽ」

<<   作成日時 : 2016/12/16 18:49   >>

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階名で古今東西の(調性音楽の)旋律を斬ってみると、長調の場合ド・ミ・ソのいずれかで始まる曲が大半だと、以前こちらの記事に書きました
短調の場合はラ・ド・ミのいずれかがそれに相当します。
それ以外の階名で始まるものを、私は勝手に変則開始と呼んでいますが、このところそのような曲を探すのに凝っています(笑)。

その気になって探せば結構あるもので、昔買った楽譜で中田喜直さんのピアノ曲集《こどものゆめ》から1曲見つけ、さっそく弾いてみました。
出だしの旋律、階名を考えてみてください。



どうですか、いきなり途中から始まっているような、不思議な感じですね!
朝の散歩の爽やかな気持ちや情景を思わせる曲ですが、家を出るところから描写してるのではなく、もうだいぶ歩いてるな…と私は見ました(笑)。
途中の怪しげな半音階は、怖そうな大型犬にでも睨まれたんでしょうか?
最後はいかにも「ただいま〜」という感じなので、そのつもりで弾いています。

出だしの階名は「シラソファミーレーソーレードーー」で、シ始まり
「シ始まり」の有名曲には「ロンドンデリーの歌」(シドレミー)や、ビートルズの「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」(シドーシーソミーラー)がありますが、この2曲はどちらも弱起で、シの次はドです。
今のところ私の印象では、変則開始は弱起が目立ち、「ファ↓ミ」「シ↑ド」のような、階名の性質として自然な動きが続くのが普通なのですが ───

しかし「朝のさんぽ」は強起で、シからすぐ上のドに行かずシラソファ…と下行、次の小節の3拍目でようやく下のドにたどり着くんですね。
特に長調の場合、シはものすごぉ〜〜〜く2度上のドに行きたがる音なんですけど、完全にその逆を行っています。
この「シラソファ…」は前半でもう1回繰り返され、また曲の締めにも再登場、
類似の「ファミレドシーラー ラーソードー」という旋律も1分12秒〜に出てきます。
これら途中から始まってるようなフレーズが、この曲をユニークなものにしているわけです。

ところで曲集の末尾、中田さん自身による《練習のてびき》を見ると、ホ長調の「卵のかたちの練習曲」について、以下のような注目すべき!?記述があり、思わずニヤニヤしてしまいました。

(指が)「ホ長調のドレミファソを12345の指でひくときに卵のかたちになります」

この「ドレミファソ」はもちろん階名(移動ド)ですね!
だから「朝のさんぽ」も「ちょっと変わった階名で始めてみよう」…と中田さんが頭を捻ってできた曲かもしれません。

《こどものゆめ》は1978年、「ファのおはなし」が入っている三善晃さんの《音の森》と同じ年の刊行(どちらもカワイ出版の「子供のためのピアノ曲集シリーズ」)です。
昭和50年代のその頃、「固定ド」か「移動ド」かという唱法論争があり、前者を牽引したのは三善さんだったとのこと。
「固定ド」推しの三善さんを、中田さんはどう見ていたのでしょうね?
私が中田さんだったら「階名の存在を踏みにじる気かこのドアホ!!」と思い、廊下(ってどこの?)で会っても完全シカトだったかもしれないです(笑)。

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