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zoom RSS イロハ音名の絶滅と、ピアノの「固定ド」教育

<<   作成日時 : 2016/06/28 20:13   >>

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国産の初級者向けピアノ教本に当たり前のように載っている以下のような文、読んでどう思いますか?

ソから始まる長音階をト長調といいます。 ト長調ではファに#がつきます。

別にいいじゃん、何が変なの?と思う方も相当いるのでしょうね。
楽器店でこの種の説明を立ち読みして、私は目が点になりましたよ。
なぜ「ト音から始まる長音階をト長調といいます。ト長調ではヘ音に#がつきます」と書かないのか不思議に思い、教本をずっと遡り前の方を見てみました。
するとどこにも日本式のイロハ音名の説明がないんですね。
だから「ト」という音名が使えない(というより使う気がないから説明しない?)、その代わり本来階名として使うべき「ドレミ」を音名に流用しているため、「ソから始まる…」となってしまうわけです。
ソから始まるト長調…何ですかコレ!?
ト音で始まるからト長調なのに。

さらに「ファに#がつきます」の箇所、私は一瞬「ん?4番目の音に#がつく?」と勘違いしてしまいました。
ドレミを階名と認識すれば(それが本来のドレミの用法)ファは長調で4番目の音ですからね。
国産の教材はどれもこんな感じで、音名にイロハを使わずことごとくそれをドレミで代用させています。
中には教本のまず最初で鍵盤図と共に

これは まん中のド    まん中のド   まん中のド

と呪文のように(笑)連呼してるのもありました。
なぜ「まん中のハ」ではないのでしょう?
「まん中のC」でも良いです、なぜ音名には音名の呼称を使わないのでしょう?

著者の考えていることは分かります、イロハなんてもう前時代的な言葉だ、子供にアルファベットの英語・ドイツ語音名を使うのもどうかと思う、ドレミなら親しみやすく発音も簡単だ…云々。
しかしイロハ音名を教えなかったら、上述のような調性名だけでなくト音記号・ヘ音記号などの意味も分からないではありませんか。
バイエルなど比較的古い教本の昔から出ている版を見ると、イロハ音名が載っている場合もあることから、イロハ音名は日本のピアノ初期教育において徐々に人気がなくなり、現在では事実上消滅してしまったのだと思われます。

米国教本の日本語版は、さすがに音名は ABC ですが、ほとんどの場合そこに(日本で付け加えたと思われる)「ドレミ」や「どれみ」が併記されており、ここにも「イロハ」はありません。
中には米国産とは言っても日本側での編集介入が大きいのか、ドレミがやたら目立つものもありました。
どうも国産・外国産を問わず、対象年齢が低そうな教本ほど、入門の段階で鍵盤の位置とドレミの紐付けを徹底させようとする傾向があるようです。
「ここがド」「ここがレ」と教えながら、幼児に弾かせている様子が目に浮かびますが…。

このように教育された子供が、ドレミは音名として鍵盤に固定されていると勘違いするのも無理はありません─── いわゆる「固定ド」感覚です。
そしてこの状態である程度の期間ピアノを習っていると、視覚・聴覚認知的に以下のような紐付けができることになります。

1)固定ド読みした音名==鍵盤の位置
2)鍵盤の位置==その音高
1+2)固定ド読みした音名==その音高


この紐付けが強固な人ほど(ピアノ中心に音楽の勉強をし、音大などに行く人はほとんどこのタイプだそうです)、「移動ド」(階名)の理解や実践が困難になります。
「固定ド」の人が、ハ長調・イ短調以外の曲を「移動ド」唱(階名唱)で聴くと超絶気持ち悪いので、自分で読み歌うなんてもっての外ですからね。
そしてそういう人が先生になり、学校や街の音楽教室で「固定ド」方式で教える⇒「固定ド」しか知らない学習者の出現⇒その一部がまた教える側に…という連鎖で、日本の音楽教育界(特にクラシック系)はいつの間にか、階名への無知・無理解に通じる「固定ド」が蔓延してしまったようです。

幼時から階名で音楽を認識している(というか、階名でしか音楽を認識できない)私にとって、これは大ショックでした。
奇っ怪な他言語によって自分の母語が駆逐され、継承する人が減っているのを嘆く少数民族のような心境です。
音名を「固定ハ」「固定C」にすれば、階名に「ドレミ」を割り当てて簡単に理解・習得できるのに!!!
音名には音名用の呼び名を使うことの重要性を、多くの人は分かっていないようです。
一個人の中で「固定ド」と「移動ド」の共存は難しくても、「音名」と「階名」は何の問題もなく共存できるのですから。

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