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zoom RSS 今ベールを脱ぐ!?〜フンメル「60の練習曲」

<<   作成日時 : 2015/01/18 22:15   >>

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ヤマハ・ミュージックメディアから出版されている、フンメル「60の練習曲」から5曲弾いてみました。



<ミニ解説>
15番【ハ長調】音階と分散和音の練習、6小節目後半の減7ジグザグ進行が弾きにくい!
20番【ホ短調】2声のインヴェンション風、独立的に動いていた左右の手が8小節目で一緒になる
23番【嬰ヘ短調】嬰ヘ短調が手軽に練習できる曲は少なく、貴重
29番【変ニ長調】音階や分散和音を左右の手で滑らかにつなげる練習、わずか4小節だが前奏曲風で美しい
(3小節目左手のヒゲ?がついた♭は、ダブルフラットとして演奏しています)
35番【ニ長調】これも音階と分散和音、終結部分のカッコ良さが印象的


ピアノを再開した理由は色々あって、その一つに「昔は出ていなかった楽譜を眺めているうちに音にしてみたくなった」ことがあります。
打ち込みでも音にできますが、簡単な曲なら手で弾いた方が早いし、指を動かすのも大好きなので。
その「音にしてみたくなった」楽譜の筆頭が、このフンメルの練習曲集です。
この60曲は、彼の大著「ピアノ奏法の詳細な理論と実践詳論」(1828年刊)に含まれているもので、練習曲部分のみの(少なくとも実用版としての)出版は、2011年に日本で出たものが世界初ということです。
(全音の「古典派ピアノ小品集 上・下」にも、全体の3分の2ほどが収録されていますが)

難易度は中級前半くらいの曲がメインで、フンメルと同世代のチェルニーが書いた30番練習曲と比べたくなりますが、両者は全くタイプが違います…というか、このフンメルのような練習曲集を、私は他に知らないです。
特に15番や35番のような曲 ─── ほとんど音階と分散和音で、しかもたった8小節しかないのに、ちゃんと起承転結のある音楽になっているんですね〜!
だから曲が短くても、弾き終わった時に音楽的充実感があるんですよ。
これがチェルニーだと「運動終了」って印象しかないんですけど(笑)。

曲調や書法も、ポリフォニックなバロック風から初期ロマン派を思わせるものまで幅広く、短調曲が多い(21曲!)のも特徴的。
前半に多い前奏曲風のものは、人前演奏の時、指慣らしとしてメイン曲の前に弾くのに使えるし(例えば29番を、同じ調性のショパン「小犬のワルツ」の前奏曲にするなど)、変奏曲やマーチ、ポロネーズなどが並ぶ終盤のやや長い曲は、発表会にも向いています。
こんな素晴らしい曲集が長い間忘れ去られていたとは…

ただしこの曲集を使って技術の向上をはかろうとしても、チェルニー系の練習曲と比べて速度の追求や、同類音型を反復するような訓練的要素が少ないだけに、効果はだいぶ劣ると思われます。
それじゃオマエは何でこんなもの弾いてるんだ?という問いには ───

・音階や分散和音など、基礎練習の力試し&まとめ
・(短い曲が多いので)「譜読み⇒練習⇒仕上げ」を手っ取り早く体験する練習
・(全調あるので)苦手な調に慣れる練習
・(左右ほぼ対等に動くので)鈍りやすい左手対策として

…などが質の高い音楽で楽しくできるから、と答えます。

要するに長いブランクの後ピアノを再開するに当たって、指の練習と様々な勘を取り戻すためのリハビリ用に、この曲集を使っているわけです。
普通なら自分程度のレベルだと、再開したらインヴェンションとチェルニー30番の復習あたりから始めるところですが、同じものばかりやるのも芸がない?し、せっかく昔は手にできなかった色々な楽譜が出てるのです、ジャンジャン弾かなきゃ損ではありませんか!
ということで、中級前半レベルからピアノ再開したい大人の方には、このフンメル、めっちゃおススメですよ〜♪

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
なかなか良い曲ばかりですね。もちろん演奏も素晴らしいからだと思います。60曲もあっても,珠玉の小練習曲集といった趣でしょうか。楽しめそうです。長い曲と言っても小部分の複合ですから,小さいものを沢山やるのは音楽的視野を広げる意味で非常に重要なことでしょう。
2010年のショパンイヤーの時,NHKで特集が組まれていて,「ショパンが初めて音楽性のある練習曲を作った!」と紹介され,「彼以前はこういうものしか無かった」と,何とハノンが紹介されていました。これは,一般向けに彼の偉大さを讃えたものだったのでしょうが,ショパン以前でもこのような音楽的な練習曲はあったでしょうし,ハノンに至っては,ショパンよりずっと後の人です。
多くの人が取り組む練習曲にはすごく偏りがあるように思います。有名なのを早くやっつけて,好きな曲に取り組みたいという人も多いのだと思いますが,こういうのを沢山やってから有名曲に取り組めば一味違った演奏になるものと思います。
Enrique
URL
2015/01/20 10:04
Enriqueさん、コメントありがとうございます。

>珠玉の小練習曲集といった趣でしょうか
はい、どの曲も簡素な作りながらフンメルの非凡な才能を感じさせるものです。
こんなに短くても良い曲って書けるんですね!
曲調が十分に魅力的なので、自分的には「楽曲」同様の気分で楽しく弾いています。

>NHKで特集が組まれていて
その内容はちょっと酷いですね!そもそもハノンのような基礎練習教本は「曲」ではないので、比較するのはおかしいですし。
少し前の「らららクラシック」でも、ショパンのエチュードを持ち上げる故か、バイエルみたいな初心者用の練習曲を退屈そうに弾いている子供の映像が、わざとらしく使われていてちょっと違和感でした。

>多くの人が取り組む練習曲にはすごく偏りがあるように思います
私も同様に感じています。
ピアノの場合、最近は導入〜初級前半レベルは多種多様な教本やメソッドがありますが、その後はハノンをやりながらブルクミュラー、チェルニー、ソナチネ、バッハのインヴェンション…このへんの教材は昔と殆ど変わっていません。
インヴェンションを全曲やらなくても、一部を他のバロック作曲家のポリフォニー曲に差し替えるとか、バロック〜初期ロマン派ばかりでなく、近現代の教育的作品も少しはやってみるなど、発表会用の曲以外の普通のレッスンで、もう少し選曲の広がりがあっても良いと思います。
実はアメリカでは初級〜中級初め程度の難易度で、現役作曲家による学習用と楽しみを兼ねたピアノ小品がたくさん出版されているのです。
日本でも人気のギロックみたいな人が、まだたくさんいるんですね!
今楽譜を集めて色々弾いてみてますので、そのうち記事にしようと企んで?います。
REIKO
2015/01/20 23:34

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