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zoom RSS あの勇壮なロシアの歌が!〜田村虎蔵編・検定唱歌集・高等科用より

<<   作成日時 : 2014/05/14 19:22   >>

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大正15年発行の唱歌集から、面白ネタを続けます。
さて舞姫と題されたこのロシア民歌、楽譜を見て何の曲が分かるでしょうか?
全く別の歌詞で良く知られている歌ですが…(繰り返しのある1段目がポイントです)








はい、「エイコーラー、エイコーラー、もひとつエイコーラー」で有名な「ヴォルガの舟歌」ですね♪
それを「優美ニ」の指示のもと、第一節は以下の歌詞で歌うんですよ!

翳(かざ)す花に、春風通ひ
翻(かえ)す、袖に、白雲靡(なび)き
更け行く夜半に、心も澄みて
笛の音も琴の音も、神代に似たり。
これや、天つ 少女(おとめ)の姿。
 (大和田建樹

解説には「船をドックに引き上げる時、音頭取が美声で緩徐に歌ひ、曲節中の休符は、網を引く人夫の掛声の部分である」とあるので、ちゃんと元歌の意味は知ってるわけです。
ところが続けて「しかしこの旋律は如何にも綺麗で、かつ歌ひ心地のよい曲節ゆえ、かかる歌詞を選んだのである」ということで(笑)。
旋律に合わせて歌詞を新作したのでなく、既存のものを編者の田村虎蔵がハメこんだのでしょうかね?

言われてみれば確かに、ロシアの民族風旋律は少し和風の趣もあり、優美に歌えば「雲の上の、舞姫 あはれ」(←第二節最後)なる詞も合いそうな気はします。
でも本来、力仕事で作業のリズムを合わせるための唄が「舞姫」とは、かなり大胆というか無謀?な変身ですね。
この唱歌は女子用ですが、男性の唄をあえて女子向けに作り替えることに、意義を見出していたのかもしれません。

この唱歌集は外国曲の場合、原詞の訳詞ではなくそれを離れた歌詞が与えられているものが、かなりあります。
・グルーバー「きよしこの夜」→「静けき夜」夏の夜の風情を歌う
・ジルヒャー「ローレライ」→「橘媛」ヤマトタケルノミコトの妃が船が嵐に遭った時、海神に祈願をかけて海中に身を投げ、夫の生命を救った神話に置き換え
・「キラキラ星」→「来たれ冬休み」冬の帰省を心待ちにする歌
…などなど。
中にはドイツ民謡「樅(もみ)の木」のように、「常盤木」と題し「ああ松や樅や、世にぞ貴き」と歌う、原曲を反映したものもありますが。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
唱歌集、ネタの宝庫ですね。やっぱ、そのうちミクに歌わせるんでしょ?
オペラ対訳プロジェクト管理人
URL
2014/05/15 20:10
原作を換骨奪胎して,何としてでもわが物にしようという強い意志は感じられますね(笑)。だから全く正反対な歌詞をはめ込んだのでしょうね。今の私たちの歌いにくさの一つにカタカナ表記であることもありますが,調名は「い短調」とひらがななのですね。もっともこれはイ短調ではなくて,あえていえばニ短調だと思いますね。終了音がイ音だからそうしたのでしょうが。
Enrique
URL
2014/05/16 05:37
オペラ対訳プロジェクト管理人様、

>ネタの宝庫ですね
はい、当初は「どんな曲が載ってるかな?」と音楽面に興味があって買ったのですが、良く見てみると歌詞も面白く、当時の事情や世相が分かって面白いです。

>ミクに歌わせるんでしょ?
あ、なるほど!それもいいですね〜!
でもまだ買ってないんですよミク(増税前に…と思っていながら買いそびれたw)。
歌の打ち込みは時間がかかり、ボカロ廃人になってしまいそうで怖いです。
仕事もしないといけないし…。(^ ^;)
REIKO
2014/05/16 15:40
Enriqueさん、

>何としてでもわが物にしようという強い意志
19世紀にバロック時代の音楽が再発見された時も、それをロマン化して編曲&演奏することで「自分たちのものとした」歴史がありますけど、それと似ていると感じます。
ここまで別内容にしなくても、外国の歌を日本語の歌詞で歌うことは、以前はむしろ当たり前でしたね。
最近はほとんど原語主義ですが。

>調名は「い短調」とひらがななのですね
そうです。最初ちょっと違和感ありました。
逆に、戦前は右から書いていたはずの横書き(新聞の見出しなどがそう)が、この本では今と同じ左からです。
楽譜を読む方向と合わせたのでしょうか?

>あえていえばニ短調だと思いますね
あ〜なるほど、そうかもしれませんね。
手元に楽器がないので、階名視唱してるのですが、1段目をイ短調として歌っていると、2段目の変ロ音の音程が取りにくいです。
(ナゼにここで変ロ音?となる)
しばらく考えて(笑)、2段目はヘ長調とするとすぐ歌えるんですね。
すると3段目以降は平行短調のニ短調として歌うのが自然になります。
しかし終止音はイ音…教会旋法や民族音階の影響があるんでしょうか?
ちょっと不思議な旋律なのは確かで、そこがこの曲の魅力になっているようです。
REIKO
2014/05/16 15:58

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