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zoom RSS 繰り返す五度★田中カレン「星のうた3」

<<   作成日時 : 2012/03/30 19:22   >>

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日本人作曲家シリーズが面白いので、昔買って押入れの段ボール箱に眠っていた楽譜ばかりじゃナニだし(笑)、新しい楽譜を仕入れてまいりました。
田中カレンさん(1961 〜)の、こどものためのピアノ曲集「星のどうぶつたち」です。
今まで取り上げた作曲家からぐっと世代が若返り、やはり音楽に新鮮なものを感じます。
(ちなみに中田喜直さんは1923年、湯山昭さんは1932年生まれです)

この曲集は「やぎ」「ペガサス」「はくちょう」など、星座に登場する動物達のイメージが音楽になっていますが、その中に「星のうた」と題する五度音程をベースに書かれた曲が、4曲挿入されています。
そこから「星のうた 3」を選びました ──── 当然、平均律前提だと思いますので、まずはそれで・・・↓↓↓



調号は無しですが、ハ長調・・・というわけではなく、文字通り宇宙に漂いながらきらめく星を見ているような不思議な曲調です。
何と!左手は「G ⇒ C ⇒ G ⇒ D」の五度音程を繰り返しているだけ、しかも最初から最後までペダル踏みっぱなしの指示が・・・
分かりますね、コレが何を意味するか ──── これは絶対、五度が純正なピタゴラス律で演奏する価値アリですよ♪
やってみました↓↓↓



平均律バージョンが「ふ〜ん・・・」程度でも、こちらはキモチ良くて何度も聴いてしまった人いるんじゃないですか!?(^ ^;)
平均律の五度は純正よりたった2セント(半音の50分の1)狭いだけで、普通これは「ほぼ純正」のように認識されていますが、やはり「合ってる」のと「合ってない」のでは大違いってことです。

なお、使われている音や和音の種類が少ないので、ピタゴラス律のウルフは最初「関係ない位置に飛ばせばいい」と思いましたが、そうすると曲中「D-B」の長六度(短三度の転回)が汚く聴こえてしまいます。
(他がとてもキレイなので、わずかの傷も気になる)
従ってD-A-E-Bのどれかを狭くして、D-B長六度を純正に近づける必要があります。
D-Aを狭くすると、DとE長二度の響きが悪く、A-Eは右手旋律で重要なのでウルフにできません ──── 残りはE-Bだけです。

それで聴いてみるとすごくイイ ─── が、よ〜〜〜く楽譜を見ると、旋律で超高域の前打音とそれに続く主音が「B⇒E」じゃないですか・・・(^ ^;)
(動画でキラリ☆と星が光っている箇所)
そう思って再度聴くと、確かにB音が少しヘンな所(笑)から鳴っているような気がします。
ですが、それがむしろ神秘的で硬質な星の輝きに感じられて、イイ味してる!
もし中音域だったり、同時打鍵だったらNGのところで、ラッキーでしたね。

最後に、ヴェルクマイスターで演奏した例をあげておきます↓↓↓



この曲に関しては、平均律よりもダメです ──── 「C-G-D」が致命的に狭い。
破綻するような不具合が出ることはないヴェルクマイスターですが、このように合わない曲も多々あるわけです。
古典調律で弾けば何でも良いわけでなく、正しい選択の必要があるんですね。
(ピタゴラス律でウルフだったキラリ☆の箇所、ヴェルクマイスターでは純正なのに、かえってつまらなく聴こえるのも皮肉)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これはまさに応用編ですね。音がシンプルなだけに響きの純度ですね。
それぞれ単独で聞いたら,いずれもありかなと思いますが,ピタゴラスの合わせ込みがすごいですね。結果的にはウルフを装飾音で逃げてアクセントにまでして。。。
わらべ歌もそうでしたが,総じて音が少ない曲はピタゴラスが合うのでしょうかね。
比較的八方美人なヴェルクマイスターもこういうプリミティブな曲にかかっては形無しですね。
Enrique
URL
2012/04/01 00:24
Enriqueさん、

>音がシンプルなだけに
そうなんです、まさに「響き」がウリの曲なので、音律による印象の違いが大きいですね。
平均律とピタゴラスはわずかの違いですが、後者の方が断然神秘的な美しさが漂っていると思います。
宇宙船に乗って星を見ながら、こんな音楽聴きたいです♪

>音が少ない曲はピタゴラスが合うのでしょうか
それは何とも言えないですね。
実はこの曲、使われている音(というか音階?)は、11分の1までの自然倍音列なのです。
その辺も原始的な音律と良く合う理由かもしれません。
おそらくこの曲、現実には平均律で演奏されるとしても、作曲者の脳内では「整数比」の美しい響きで発想されたのではないでしょうか?

>比較的八方美人なヴェルクマイスター
ちょうど狭い五度の部分に被ってしまいますから、この曲には向いていませんね。
同様にヴァロッティやヤングもダメです。
楽譜の「見た目」は調号なしのハ長調なので、古典調律全般が平均律より良くなるような感じがしますが、実はそうでない場合もあるという好例だと思います。
REIKO
2012/04/01 13:34

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