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zoom RSS 中全音律と平均律・実験

<<   作成日時 : 2010/10/20 14:54   >>

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前回アップしたスヴェーリンクのトッカータハ長調は、音源Roland VSCを中全音律にチューニングして演奏しています。
つまり現代の鍵盤楽器で一般的な、十二等分平均律ではありません。

私としては17世紀初めの鍵盤曲は、絶対に中全音律でないと「感じが出ない〜!」ので、以前からスケール・チューニング機能を使ってみたかったのですが、音源の仕様書を読んでもイマイチ(というより全然?)理解できず、どうやってシーケンサー(Domino)から制御するのかわかりませんでした。
ですが三度目の正直とやらで何とか手がかりをつかみ、

f0h 41h 10h 42h 12h 40h 11h 40h 4ah 32h 43h 2ch 3dh 4eh 36h 47h 2fh 40h 51h 39h f7h

というシステム・エクスクルーシブ(音源固有の制御情報)を送って、中全音律に変更できることがわかりました。
★前半がメーカーや機器のID、チャンネルの指定、後半が平均律との偏差(16進法)です。

しかし「中全音律って平均律とどう違うの?」「誰でも聴いてわかるの?」と思う方も多いでしょう。
そこで、音が減衰せず和音の響きが最も良くわかる、オルガンの音色で実験してみました。
5種類の和音が順に鳴ります。
それぞれの和音は、ごくわずかの時間を空けて、前半と後半が違う調律です。
  ↓↓↓ 聴いてみて、どのように感じるでしょうか?





最初の3つの和音は、後半の方が綺麗な響きで安定している・・・と感じる人が多いと思います。
4つ目の短調の和音は、他と比べて前半・後半の違いが分かりにくく、どちらがより綺麗とも言いがたいですよね。
最後の和音は、後半が「音が狂ったオルガン」のようになっています。

この実験、前半が「12等分平均律」、後半が「中全音律」です。
「ドとミ」などの長三度が、振動数4対5で純正な中全音律は、長三度が広すぎて汚い平均律よりも、スッキリと安定した響きを持っています。
つまり中全音律のウリは美しい長三度(長六度も同様)で、当時の鍵盤曲はこれを意識して書かれています。

短調の和音だと平均律との違いが分かりにくいのは、長三度が含まれないからですが、では最後の「狂った音」は一体何でしょうか?
これは中全音律でウルフ(Wolf)と呼ばれる、「使用不可能な和音」の響きです。
長三度の純正を優先している中全音律では、他の音程にしわ寄せが来て、使えない和音があるのです。
つまり作曲家は、その和音を避けて曲を書かねばならず、とても不便でした。

そこを何とかしようと、中全音律の改良から色々な「不等分律」が生まれ(「ヴェルクマイスター」「キルンベルガー」「ヤング」などは皆これ)、結局20世紀に(もうめんどくさいから?)「12等分」になったのです。
ただこれって、古楽器 → モダン楽器の「進化」同様、失ったものも多いんですよね。
上の実験で「響き」だけでなく、オルガンの「音色」まで違って聴こえませんでしたか?
実はこの通り、波形まで変わるんですよ・・・これは私も今回初めて知りました。


(2番目の和音の右チャンネル、SoundEngine Free の編集画面です)

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コメント(30件)

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和音聴き比べ。驚きました。最後の短調の和音は中全音律の鍵盤では許せない音が出るんですね。こういうのを避けて作曲していたんですかあ。。。Wikiで見たらヘンデルはオクターブ内に17鍵盤ある楽器を使っていたとのこと。なるほど。調によって弾き分けできるんだ。でも複雑だなあ。長男は絶対音感ありますけど平均律しか知らない(聞いたことがない)ので中全音律の音をひとつずつ鳴らして入ったら「はずれている」って思うでしょうね。
Mev
2010/10/20 15:42
ふふ・・なんかテストっぽい!音楽のテストなのか聴覚テストなのかよく分かりませんが・・
でもこうやって聴き比べると分かりやすいですね。
と言っても私の場合、音楽を聴く際には全く活かせそうにありませんけれど・・
アルチーナ
2010/10/21 11:50
Mevさん、

>許せない音が出るんですね
そうなんですよ・・・実は私、このウルフを「聴いてみたかった」んですよね。(笑)
↑↑↑ゲテモノ好き?

>ヘンデルはオクターブ内に17鍵盤ある楽器を使っていたとのこと
エッ!?そうなんですか、それは知りませんでした。
まあ、昔は色々ヘンな?鍵盤の楽器もあったようです。

>中全音律の音をひとつずつ鳴らして入ったら「はずれている」って思うでしょうね
日本で勉強した某有名ヴァイオリニストが、海外留学したら「あなたは平均律で音程をとっている」と言われ、ショックを受けたと本で読んだことがあります。
ただ、中全音律だって「正しい音程」ではないので、やぱりアカペラのコーラスとか普通に聴いてないとダメみたいですね。
REIKO
2010/10/22 23:30
アルチーナさん、

>こうやって聴き比べると分かりやすいですね
そうですね、でも本当は「曲」で聴き比べるのが一番いいのです。
チューニング方法がわかったので「ヴェルクマイスター」とか「キルンベルガー」もやってみたんですよ。
ただ本物の楽器ほどは、響きの違いが出なかったのです。
デジタル的に変調させた音程だからなのかもしれません。

>音楽を聴く際には全く活かせそうにありませんけれど
歌モノでも、伴奏の通奏低音楽器はその時代なりの調律でやってるので、「ジャラ〜ン♪」と鳴った時の響きが、17世紀前半と後期バロックでは「何となく違う」んです。
そう思って耳を澄ませば(笑)、分かると思いますよ。
REIKO
2010/10/22 23:38
このごろすごい記事がそろってますね。
この記事もすごい実験です。
残念ながら、私は十二平均律に蝕まれているようです。十二平均律が普通に聞こえるというか、聞きなれているせいか十二平均律がよく聞こえます。こんな変な感覚の人間もいることをお許しください。
yablinsky
URL
2010/10/23 22:26
yablinskyさん、

>聞きなれているせいか十二平均律がよく聞こえます
あ、そうでしたか・・・(^ ^;)
ピアノをよく聴く人は、平均律に慣れないと、いろんな意味で「キツい」かもしれませんね。
以前丸1年くらいほとんどピアノを聴かずに、古典調律のオルガンやチェンバロばかり聴いていたら、突然ピアノを聴くと音がメチャクチャ狂って聴こえました。(笑)
現代ピアノの音色は、平均律の響きと不可分なので、ピアノを古典調律にしたら、響きも変わってヘンに聴こえるかもしれません。
(スッキリしすぎて物足りないとか・・・)
逆にチェンバロを平均律にすると、冴え冴えとした響きが後退して、角が取れたようになります。
面白いですね♪
REIKO
2010/10/25 20:02
はじめまして。
通りすがり(?)の者ですが、マニアックな記事にびっくり&共感して思わずコメントさせていただきました(笑)。小生、古典調律の研究をしているマニアックな者でして(汗)、上記演奏upサイトからブログ等への各所リンクを張ってますので、宜しかったら遊び(?)に来ていただけると嬉しいです。宜しくお願い致します〜。
koten
URL
2010/11/15 13:22
kotenさん、いらっしゃいませ♪

演奏やブログ、絶賛拝見しました〜!(爆)
ミーントーンのピアノ!?グニャグニャフレットのギター!
すごいですね!
こういうコアな?テーマで同士が見つかるというのは、ほんとにネットならではだと思います。

MIDI音源の音律変更を覚えてから、色々試してるんですけど、最近「キルンベルガーの2っていいじゃん!」とか思っていたところでした。
目下オリジナルの音律も試作中です。
↑↑↑おいおい・・・(^ ^;)
ブログの、「ブルグミュラーを純正律系の音律で弾いたら?」等の話題、大変興味深く拝見しました。
色々実験すると新しい発見がありそうですね。
私も、(チェンバロだけでなく)電子ピアノにも音律変更ボタンや、自分で音律をカスタマイズできる機能を付けたらいいのに・・・と思っています。
実現するといいですね!
REIKO
2010/11/17 14:09
毎度お世話になっております。(ミクの次は)midiシーケンサーをマスターすべく、dominoをインストールして音律変更を試みようと思ったのですが、案の定良く分かりません(泣)。下記サイトを見ると、
http://wikiwiki.jp/tkbsoft/?domino%2F%CD%D7%CB%BE%2F36
某サイトを見よとあるのですが、その某サイトはピッチベンドの説明でエクスクルーシブの説明ではないですよね(泣)・・・ですので、大変お手数ですが御指南いただければ幸いです。宜しくお願い致します。m(__)m
(補足:私のメルアドお教えした方がよろしいでしょうかね?)
koten
URL
2011/02/25 17:54
kotenさん、

>dominoをインストールして音律変更を試みようと思った
えっとまず、domino自体に音源が付属してるのではなく、dominoは音源を制御するデータを作る&送るだけなんですよ。
(↑まずこれを理解してちょうだい♪大丈夫ですか?)
で、音律変更したい音源って、Windows付属の音源ってことですよね?
音源の設定(MIDI OUTデバイスとか)は済みましたか?それに合わせた定義ファイルを選択してますか?
何か適当に打ち込んで鳴らしてみましたか?(平均律&簡単な曲でいいので)
左側にあるイベントリストを見て、多少は意味がわかるでしょうか?
(MIDIの基本に関することなので)
まず以上をクリアしてからエクスクルーシブ送りましょう。
モノには順番というものがあります。(^-^;)

具体的には、メニューの「挿入」⇒「エクスクルーシブ」で出てくる画面に音律変更のデータを入れてOKすれば、演奏線の位置にそのエクスクルーシブが入ります。
Windowsの音源なら、データは
http://murashin.sakura.ne.jp/
↑トップから「雑記帳」⇒「調律データ説明」と辿ってください。
★できたとこまで言ってもらえれば、またその次をご説明しますよ♪




REIKO
2011/02/26 22:23
kotenさん、
すみません、上のコメントに不正確な部分がありました。

「メニュー」の「挿入」⇒「エクスクルーシブ」で出てくる画面に音律変更のデータを入れてOKすれば、演奏線の位置にそのエクスクルーシブが入ります。」・・・の部分、

(正)「挿入」⇒「エクスクルーシブ」で、現在の演奏線の位置にイベントが入るので、イベントリスト内のそれをダブルクリックすると、データ入力画面が出ます。
音律変更データは、二桁ごとに区切られていますが、dominoでは16進法の印に、全てに「h」を付けてください。
(当記事の例にあるとおり)

★ネットで公開されているピアノ曲などのMIDIファイルを、音律変更して聴く方法など知りたい人も多いかもしれないので、kotenさんのブログの方で「今dominoを使おうとしてるけど・・・」みたいな近況記事を書いて、そこに疑問点等あげてもらえれば、そちらにコメントで回答しますよ♪
REIKO
2011/03/01 01:27
REIKOさん、

「なぜ1番がヘ短調なのか?」で
>ミーントーンギターの演奏はいくつか聴いていますが、とても澄んだ美しい響きですね。
と言われたので私も確認したくなり、この記事を発見しましたので聞いてみたのですが、
>最初の3つの和音は、後半の方が綺麗な響きで安定している・・・と感じる人が多いと思います。
とのことですが、何回も聞き直してみましたが、あまりそのようには感じませんでした。
最後のウルフは当然分かりますし、4つ目の短三和音もあまり違いが感じられないのは同感ですが、最初の3つの長三和音は少し感じ方が違うように思いました。
私が平均律の響きに慣れているためということも考えられますが、それはひとまず脇に置いといて、平均律は鳴らした音が細かくすり潰されていて、よくかき混ぜられて渾然一体となり均一な味わいとなっているように感じます。まあこれをつまらないと言えなくもないですが、汚いと言う感じには聞こえません。もちろん平均律のうなりは聞こえています。
一方、中全音律はうなりは平均律より少ないですが(一番目の和音でうなりが多いのは何故?)、何というか音が融合せずに別々の音として分離しているように聞こえています。2、3番目の和音が馴染んでいる響きだと感じました。これを書きながら何度も聞いたせいで耳が慣れて来たのか、スッキリしていると言えばその様にも感じます。

このサンプルをもっと多くの人に聞いてもらって集計したら、どんな反応になるのでしょうかねという興味が湧きましたね。ロムしている人もそれだけでいいから反応してくれたらと思うのですけどね。
ガルシア
2011/03/02 01:43
ガルシアさん、

>平均律は・・・よくかき混ぜられて渾然一体となり均一な味わいとなっている
>中全音律は・・・音が融合せずに別々の音として分離しているように聞こえています

仰る通りです。(全くそうなんです)
で、慣れないと(コメントでyablinskyさんも書かれているように)中全音律の方に違和感を感じて、平均律の方が良いと感じる方もいると思います。
つまり、こういう「ヌケの良い和音」を聴き慣れてないので、中全音律の和音が「分離状態」に聴こえるのでしょう。
それから、スッキリ明晰なサウンドを好む方と、ミックス&マイルド系サウンドを好む方で、意見が分かれるかとも思います。
ただ聴き慣れてくれば、中全音律の方が和音として「音ガハマる所にハマっていて、安定&美しい」と感じられると思います。
(別に「そう思え」と強制はしませんが)
また中全音律前提に書かれた曲は、この音律で演奏しないと「真の美しさ」を表さないことも事実です。

>一番目の和音でうなりが多いのは何故?
平均律との偏差(セント値)を16進数で送って、MIDI音源を音律変更していますが、値に整数値しか使えないため、どうしても若干の誤差が出てしまいます。
ご了承ください。


REIKO
2011/03/02 14:54
REIKOさん

>★ネットで公開されているピアノ曲などのMIDIファイルを、音律変更して聴く方法など知りたい人も多いかもしれないので、kotenさんのブログの方で
・・・了解です。ありがとうございます(大感謝!!)。
「・・知りたい人も多いかもしれないので」については私も非常にそのように感じており、出来れば公開(世界発信(笑))で行いたいと思っていたので、嬉しい限りです。
 ただ、現在、Cem練習やら記事やらレスやら(仕事残業やら)で、色々大変ですね(汗)・・本当、古典調律を研究していると一生退屈しないで済みそうですよ(爆)。 ともあれ、お互いに協力し合って是非とも二十一世紀を「明るく楽しい世界」にしましょう(笑)。
koten
URL
2011/03/02 15:03
【ガルシアさんへの返信に追記】
★中全音律の長調三和音は、長三度が純正ですが五度が狭いため、「五度の狭さ」から来る「うなり」が生じます。
「うなりが無い」わけではありません。
ただこの狭い五度は、純正長三度と共に鳴らすと、耳が純正和音の方に気を取られる?ためか、全体として美しく、協和して聴こえる・・・というのがミソです。
平均律の問題は、五度も長三度もどちらも「合っていない」ことなんですね。
REIKO
2011/03/02 15:07
REIKOさん、

>こういう「ヌケの良い和音」を聴き慣れてないので、中全音律の和音が「分離状態」に聴こえる
私は「分離状態」の響きを悪い響きだとか、違和感があるとは感じていません。「抜けのよい和音」がスッキリ聞こえることにもREIKOさんに同感です。それで私はこうした違いを「良い悪い」という区分の仕方で感じているのではない、と言うほうが解ってもらえるように思います。
ですから平均律のほうが良いと感じているのでもありません。

>スッキリ明晰なサウンドを好む方と、ミックス&マイルド系サウンドを好む方で、意見が分かれる
私の好みを言えば、「スッキリ明晰」派です。でもミックス&マイルドも嫌いではないです。バッハの件でも「平均律はそんなに嫌いじゃない」と言っているとおりです。
私は耳から入って来た印象をすぐに「好き嫌い」として判断するのではなく、現象として或いは印象イメージとしてまず捉えて、その後に目的や好みの判断をしています。ですから和音の響きの印象は全てが美しくもあり汚くもありという、ニュートラルな理解をしていると思います。
和声について歴史を俯瞰すれば、段々汚い和音を使用する方向に進みました。そして前衛で完全に壊れました。私はモーツアルトの単純な美しさも好きですし、武満の濃密な和声の縁(最果て)の響きも平均律を使いながら透明感を感じます。
具体例で言うと、最近ではポピュラーになったピアソラの音楽で、「天使のミロンガ」という曲がありますが、そのコンフント・スコアで最後の終止和音が面白いです。ダイアトニックスケールの7音が全部書いてあります。そしてこれが美しいと私は思います。和声の響きに対する感覚を簡単に結論づけてしまうことには懐疑的に思っています。(続く)
ガルシア
2011/03/02 16:47
(続き)

>(別に「そう思え」と強制はしませんが)
ご心配にはおよびません。私はそういう感じ方をしていますので、たとえ相反する感じ方を同時に抱いたとしても、それをそのまま受け入れ同居させることができますので。

>値に整数値しか使えないため
なるほどね。ということはこれが1セントの違いですかね?
私もギターとチューナーでセント単位の設定をして響きを実験しますが、こんな違いは起きないと思っています。平均律ギターで平均律3度のうなり変化を調律しながらチューナーでチェックしても、この音域帯でそんなに変化するのはないと思います。
ガルシア
2011/03/02 16:54
ガルシアさん、

>武満の濃密な和声の縁(最果て)の響きも平均律を使いながら透明感を感じます

平均律で作曲された曲は、平均律で演奏するのが当然で、またそれが&作曲家の意図を反映していると思います。
また、「終止和音が面白いです。ダイアトニックスケールの7音が全部書いてあります」←これは、平均律か(それに近い音律)で作曲されているから、そういう終止にしてみようかな?になるのでしょう。
もし終止和音が純正な音律だったら、わざわざそのように終わらせる作曲家はいないでしょうね。
綺麗なものをわざわざ汚す人はいないからです。
耳の良い作曲家ほど、平均律の長三度や五度の和音で終わるのを(意図的か感覚的かはともかく)避けて、他の音を混ぜるのですよ。
例:ハ長調の曲で、Cで終わらずCmaj7で終わるなど。
私も(編曲とかやりますが)平均律だと、自然にそういうアレンジになってしまいます。

この記事はスウェーリンクのトッカータの記事から続いていて、彼の時代は「美しい長三度」をウリにした鍵盤曲が多く書かれていました。
そういう曲を「長三度が狂っている」平均律で演奏しても、意味が無いと言いたいのです。
で、平均律のウリが和音の美しさで「ない」ことは、平均律自身(←別に人格があるわけじゃないですが・・・笑)も認めてると思います。
ただ現実にはあまりに平均律がはびこっていて、他の音律なんて考えてみたこともない&知らない人が大多数なので、このような記事を書いてみたのです。

>平均律ギターで
生楽器(共鳴・共振が利用できる)とデジタル音源の条件の違いもあると思います。
生楽器は多少音がずれていても、誤差を吸収?してそれなりに綺麗に響くそうです。(他の方のブログで読んだ話ですが)
REIKO
2011/03/02 18:36
REIKOさん、

>もし終止和音が純正な音律だったら、わざわざそのように終わらせる作曲家はいないでしょうね。
私は今は作曲をほとんどしていませんが、編曲は毎日のようにしています。もし私が純正律を使って比較的シンプルな曲を作曲するとしたら、終止和音でメジャー・セブンとかアド・ナインスとかシックス・ナインなどを躊躇なく使うだろうと思います。だって響きは絶対に綺麗だと思いますから。当然使い方は工夫の余地があるでしょうが、そんな風に考える私はレアな人間なのですかね。
確かに平均律しかないような時代が続きましたが、だからそんな中で平均律で美しく響く曲を書こうと、多くの人が頑張って来たのではないでしょうか。その発想はベートーベンがキルンベルガーUを工夫して使ったことと基本的には同じではないかと思う訳です。
バッハだって当たり前に減5度は使っていますし、ヘンデルだって意図的にメジャー・セブンを使っていますし、当時の音楽では繋留や椅音がないとつまらない音楽だから、不協和な響きは普通にあります。

>他の音律なんて考えてみたこともない&知らない人が大多数
だから古典音律の啓蒙と言うか見直しをする意図であることはよくわかります。

>生楽器は多少音がずれていても、誤差を吸収?
そうですね、私もそれは感じています。だからなるべく生楽器で確認しようとして、時間と費用が大変なんです。

ガルシア
2011/03/02 23:41
ガルシアさん、

>そんな風に考える私はレアな人間なのですかね
もちろん最終的には個人の感覚・シュミの問題ですよ。
ただ鍵盤楽器やフレット楽器の場合、純正な和音ってそうたくさんは作れませんよね?(特定の調とかに限られる)
もし、終止和音に不協和音程を混ぜたければ、(終始和音が)純正でない調を使うと思います。
わざわざ純正な調で終わるのに、そこに不協和音程を混ぜるのは、得策ではないでしょう。

>そんな中で平均律で美しく響く曲を書こうと、多くの人が頑張って来たのでは
別にそれを否定していませんけど・・・(^ ^;)
湯山昭さんのピアノ曲(終止和音がCmaj7とか←初めて聴いた時、すごくキレイだと思いました)なんて大好きですよ。
ただ、当時(まだ子供でした)これをキレイと思った自分は、平均律ピアノの「Cコード」が汚く聴こえていた・・・ということになるんですよね。

>減5度/メジャー・セブン/繋留や椅音
こういう音楽的に必要な「不協和(音程)」と、平均律の(純正から半端にズレている)長三度・五度は、意味が違います。
不協和音程があるからこそ、協和音程がより美しく聴こえるので。
ただ平均律では、オクターブ以外は正しい音程がどこにもないので、「協和音程」といってもゴマカシがあるわけです。
平均律がはびこったのは、音楽的必要性からよりも、数字上の合理性や、楽器の大量生産・販売に得策などの商業的理由も大きいと思われ、そのへんが残念でしょうがないのですよ・・・。
REIKO
2011/03/05 01:40
REIKOさん、

>わざわざ純正な調で終わるのに、そこに不協和音程を混ぜるのは、得策ではないでしょう
あっ、気がつきました。不協和音程は汚いという揺るがない考えがあるからなのでしょうね。私は不協和音程と言われているものにも美しさがあると感じているのです。ピタゴラスの3度は不協和音程として位置付けられていて、歴史では純正3度の導入に至ったことは納得していますよね。
もともと3倍音と5倍音は水と油みたいなものですが、基音を鳴らせば両方とも協和する訳でして、自然の中では両者とも美しく響く音として認識されているけれども、両者は仲が悪いんですね。それでも三和音としては自然に美しい響きだと認識しているのだと思います。
私が最終和音にメジャー・セブンを使う理由もこうしたことと全く同じです。だからREIKOさんの言い方をもっと尊重するならば、私なら最終和音は5度か3度だけにするとか、ユニゾンにするべきではないかと思ってしまいます。純正律ならば6、7、9の音だって基本的に3倍音と5倍音の音であり純正ですからね。結局は基音にどれだけ近い倍音なのかという程度問題なわけで、それぞれの人がどこで線を引いているかということになるのではないかと思いました。
(続く)
ガルシア
2011/03/05 16:25
(続き)
>湯山昭さんのピアノ曲(終止和音がCmaj7とか←初めて聴いた時、すごくキレイだと思いました)なんて大好きですよ。
ただ、当時(まだ子供でした)これをキレイと思った自分は、平均律ピアノの「Cコード」が汚く聴こえていた・・・
ということは、汚い和音に汚い不協和音程を入れると綺麗になるということね。うーん、そうかな。あるいは、もっと汚い不協和音程を入れて平均律3度の汚さを麻痺させたと言うべきか。
今は上手く説明できないけれど、私は全くそうではなくて科学的にも説明できることなのではないかと思っています。

>平均律では、オクターブ以外は正しい音程がどこにもないので、「協和音程」といってもゴマカシがあるわけです。
正しい音程=純正音程ですか?
私はこの「正しい音程」という言葉をきくと、くすっと笑ってしまうのです。何というか原理主義的な言葉に聞こえるから。多分だから「ゴマカシ協和音程」なんだろうなと。もしそうならごまかしのない音律なんてどこにもないのではないかと思うのです。

>平均律がはびこったのは、音楽的必要性からよりも、
私はこの考え方には懐疑的です。もし第一線の優秀な作曲家がこぞって平均律に異議を唱えたら、楽器製造者は平均律を続けられただろうか。だって調律はいつでも変えられるのですから、非平均律が現代にもっと残るはずではなかったかと思うのです。数理的な合理性は認めます。

何かこのやりとりはディベート風になっていますが、基本的に私は古典音律の推進派ですから勘違いをなさらないで下さいまし。先に申しましたように、あくまで感じ方の違いを探りたいと思ってのことですので。
ガルシア
2011/03/05 16:30
横レス失礼します。
小生、「平均律がはびこった」理由につきずっと調べていまして、
1939年(←第二次世界大戦の勃発年)のロンドン国際会議で以下のようなことが定められた旨が『理科年表』にずっと載っていたのです。
>1939年5月ロンドンにおける国際会議で、イ(1点) = a1 とする十二平均律を規定し、独唱、合唱、管弦楽などすべての音楽演奏でこの値を厳守すべきことが定められた。(以下略)

・・・(大量生産品である)ピアノやフレット楽器だけならまだしも、独唱、合唱、管弦楽などすべての音楽演奏で12平均律を「厳守」って一体何事なの? って普通の音楽家なら疑問に感じると思うのですよ。
 繰り返しになりますが、1939年は「第二次世界大戦の勃発年」です。こんな時代に音楽家(芸術家)の「言論の自由」があったのでしょうか?
 そして、
ロックフェラー ナチス 平均律
 でググルと、興味深いサイトが出てきます。これをどう考えるかですよね。単なる「戯れ言」でスルーするかどうか、です。(私は「これで私の中の全てのパズルのピースがつながった」と考えています。)

 ちなみに理科年表の上記の記述は、2009年版からは、以下のように変容(ないし改変)した内容となりました。
>1939年5月ロンドンにおける国際会議で、イ(1点) = a1 とする十二平均律が規定され、独唱、合唱、管弦楽などすべての音楽演奏でこの値を用いるように申し合わせがなされた。
 ・・・つまり、「〜を規定し、」⇒「〜が規定され、」
 「〜を厳守すべきことが定められた。」⇒「〜用いるように申し合わせがなされた。」
 と大幅に表現が「緩和」されたのです。
 記述改変の趣旨はよく分かりませんが、小生、「これで、古典調律の普及活動が自由にできるようになったんだな」心から喜んでいます。
koten
2011/03/05 21:16
domino使用近況報告の件ですが、本日付けのブログに記事&質問事項を書きましたので、宜しくお願いいたします。m(_ _)m
koten
URL
2011/03/06 01:03
ガルシアさん、

>汚い和音に汚い不協和音程を入れると綺麗になるということね
そうなんです。
これは、最近キルンベルガー第二法とベートーヴェンのソナタの適合検証の中で気づいたのですが、第二法の11セント狭い五度を使う時、濁りを目立たなくする対策として、弱音でごまかすなどの他に・・・
方法1:不協和音程と同時に鳴らす
方法2:純正音程(特に純正長三度)と一緒に鳴らす
というのがあるのです。
例えば、狭いD-Aと一緒に、C音を鳴らす(方法1)
D-AのDと純正長三度であるF#を鳴らす(方法2)
ベートーヴェンは周到にこのような「対策」をした上で、狭い五度を使っています。
(使わないに越したことはないが、それでは作曲に制限が出る)
このテクニックは、シューマンやショパンにも受け継がれています。
もちろん、完全に綺麗になるわけではありませんが、狭い五度をそのまま使うより、濁りやうなりが目立たなくなり、普通に聴いているぶんには「気づかずに」そこを通りすぎるのです。
これを知った時、自分が(平均律音楽の)メジャーセブンスコードが好きな理由も分かった気がしたのです。

>もし第一線の優秀な作曲家がこぞって平均律に異議を唱えたら・・・
「第一線の優秀な作曲家」は、ほんのひと一握りにしかすぎませんよね・・・ほとんどの楽器(特にピアノ)は、そうでない人間に「売る」のです。
REIKO
2011/03/07 23:51
kotenさん、

フォローありがとうございます。
ロンドン国際会議での「この値」は、ピッチのことを言っていて、その際のモノサシとして、便利な平均律を例に規定しただけ・・・と私は感じてるのですが・・・。
まあいずれにせよ、デコボコしている不等分律(しかもいろんな種類がある)より平均律の方が「話をすすめるには便利」な点がありますね。
CDやビデオの規格みたいに、世界で統一しないと混乱するってことでしょうか。
ただこれは作曲する側でなく、「聴く&演奏する&楽器を作る・売る」側の論理なのが問題だと思います。

>理科年表
この表現の変更は、興味深いですね。
何か「理由」があったのでしょうかね・・・
まあこれで、平均律に疑問を呈しても拉致監禁(笑)される危険が無くなったということでしょうか!(^ ^;)
REIKO
2011/03/08 00:05
REIKOさん、

私もね、若い頃からメジャー・セブンはこんなに綺麗なのに、どうして不協和音なのだろうかと不思議に思っていて、ある時気がついたのです。これは不協和音ではなく、協和しているから綺麗なのだと。平均律で濁っているのは当然だけど、純正律でも濁っているという区分の仕方は変だし、表現が間違っているからだと。
例えば連続した音でドレミを同時に鳴らすと確かに濁って聞こえますから、これは不協和音だと言われれば納得してしまいますが、でもこれに1、2オクターブ低いドの音を加えると、それまで濁っていたと感じる響きが突然に美しく感じることに気付いたのです。
これはREIKOさんの言う「方法2」に該当する例としていいかも知れませんが、私はこれはシの音がミとソの共通倍音であるためだと理解しています。このことを思い付いてから、それまで濁っていると感じていたダイアトニックスケールでの響きが、どの音を組合せても汚いと感じなくなりました。私の響きに対する感覚と理解の仕方が変った瞬間だったと思います。
もともと音律は美しく響く音を集めた一纏まりとして作られて来たのですから、当然と言えば当然で、音を組合せる技法は確立していませんでしたから、響きに対する理解や感じ方が分化していなかった為ではないかと考えています。私達は平面に書かれた立体図形を立体として認識する能力があります。音の響きに対する感覚もそのように変っていける理解脳を持っているのだと思います。
私達は感覚的なことをとかく個人の好みや考えの違いとして片付けてしまいがちですが、本当はまだ解明されていない科学的な理由が沢山あるのではないかと思っています。
ガルシア
2011/03/08 15:01
(続き)
それで、こうした方法は響きの原理に基づいた、本来的な作曲技法とでもいうべきものであると思います。ですから濁りの緩和策として利用できるとは思いますが、平均律は全部汚い響きなのですから何を混ぜても汚いのですから、混ぜたら綺麗になるとは私には考えられませんし、純正律で不協和音程を混ぜても汚くはならないと思います。勿論混ぜ方の手法はあるでしょうけれど。

>ほとんどの楽器(特にピアノ)は、そうでない人間に「売る」
私はね、もう少し一般の人の感性や知識や行動力を信頼しているんです。平均律が広まってからもう150年にもなるのですから、これだけ平均律一辺倒になった理由は、もっと根本的な要素があるからではないかと思っているんです。この音律実験でのREIKOさんの感性も素晴らしいと思いますよ。
ガルシア
2011/03/08 15:04
ガルシアさん、

>シの音がミとソの共通倍音であるためだと
ああなるほど、そういう考え方もできますね。
ただ、だから「協和音だ」とすると、一般的な音程に関する用語?の使い方とズレができてしまいます。
そこから説明して文やコメントを書くのは煩雑なので、普通の表現で書いているとご理解ください。

>混ぜたら綺麗になるとは私には考えられませんし
混ぜたら綺麗に「なる」のではなく、綺麗に「聴こえる」ということです。
「聴こえ方」には個人差があると思うので、他の人がどうかは分かりません。
少なくとも私は、平均律のピアノで色々な曲を弾いていた時、最後のドミソで終わるような和音自体を魅力的と感じたことはありませんでしたが、湯山さんや現代日本の作曲家の曲で、ヘンな和音(笑)で終わっているのは、最後にそれを鳴らすのが目的(カッコイイ&素敵&綺麗など)で弾くようになったんですね・・・子供心にも、平均律のドミソには何か魅力が欠けてたんだと思います。

>平均律が広まってからもう150年にもなるのですから
ドビュッシーもキルンベルガー第二法で作曲している可能性が非常に高いと分かってきました・・・少なくとも「作曲家サイド」では、20世紀に入っても平均律でない人がかなりいるようです。
「演奏サイド」「楽器製造者」「素人」は、平均律の方が面倒臭いこと考えなくて済むので「便利」ってことなのでしょう。
REIKO
2011/03/10 09:01
REIKOさん、

ごめんなさい。また変な説明の書き方でしたね。
ドレミはアド・ナインスのことで、加えた音の8、9、10倍音の音ですから親を特定したものであり、メジャー・セブンは加えたシの音がミとソの倍音だから、子孫みたいな関係であることを言ったのでしたが、言葉足らずでした。
この話題について、ここでこれ以上の議論は無理なように思いました。
煩わしい質問に答えて頂き感謝します。
これからも音律の特定実験を楽しみに拝見させて頂きます。
ガルシア
2011/03/10 14:36

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中全音律と平均律・実験 ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱/BIGLOBEウェブリブログ
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